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鱒虫釣人戯画 佐藤成史(文) - ふらい人書房
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鱒虫釣人戯画 ストリームスケッチ

A5判
重さ 200g
144ページ
並製
価格 2,980円+税
ISBN
978-4-909174-05-5
Cコード
C0075
一般 単行本 体育・スポーツ
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年8月15日
書店発売日
登録日
2020年9月2日
最終更新日
2020年9月2日
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書評掲載情報

2020-09-16 朝日新聞  群馬県版
評者: 朝日新聞社 前橋総局 遠藤雄二氏 
2020-09-16 朝日新聞  群馬県版
評者: 朝日新聞社 前橋総局 遠藤雄二 

紹介

つり人であり、ナチュラリストの佐藤成史が朝日新聞に5年間連載したエッセイから63篇を厳選し、ベストセラー『さかな・釣り検索』のイラスト担当の神谷利男が、どこかシュールな味わいのあるイラストを描き、読むだけではなく、見ても愉しめる本になりました。『鳥獣人物戯画』絵巻のようにページをめくるとそこには森があり、水があり、虫が魚が獣が人がいます。釣り人ならではの季節感に溢れた文章とイラストで読者を川へ山へと誘う、数ある釣りの本のなかでも一際異彩を放つ魅力溢れる新刊です。全144ページ、オールカラー、ソフトカバー。

目次

はじめに 4

はる
フライを巻くと季節が始まる 8
春の妖精 10
知られざるハネカ 12
ヤマアカガエル 14
釣りのジンクス 16
フライフィッシングの楽しみ 18
ウグイは鵜食い 20
カゲロウ 22
嬬恋ヤマメ 24
宿主はキタキツネ 26
花の季節 28
パーマーク 30
渓魚たちの肖像 32
カワサバ!? 34
見えないカジカ 36
異界からの声 38
タニウツギ 40
川を巡る旅 42

なつ
夏ヤマメ 46
海外遠征の必要 48
ヒゲナガカワトビケラ 50
サイト・フィッシング 52
ハコネサンショウウオ 54 道南のイワナ釣り 56
せせらぎに耳をすませて 58
新しい生命 60
水底からの風景 62
アメンボ 64
水中撮影の楽しみ 66
森とイワナの番人 68
ヤマカガシ 70
ハンミョウ 72
ヘビトンボ 74

あき
カマドウマとハリガネムシ 78
悪食 80
生命は巡る 82
旅路の果て 84
九州の巨岩の渓へ 86
ゴギはゴキ 88
鉄砲水 90
水辺の楽しみ 92
遠野の渓 94
オオサンショウウオ 96
ほんにょのある風景 98
群馬県産在来イワナ 100
増えすぎたシカ 102
北海道の秋 104
釣欲の落とし前 106
カマキリ 108
然別湖の宝石、ミヤベイワナ 110
女流フライフィッシャー 112

ふゆ
雪虫 116
赤城おろしと焼きまんじゅう 118
生命のつながり 120
熊棚 122
イワナの適応力 124
人面イワナの警鐘 126
渓流魚と放射性物質 128
イワナたちの未来 130
鉄鍋料理 132
鱗水の木彫魚 134
竹竿の魅力 136
フライを巻いて季節を待つ 138

あとがき 140

前書きなど

「魚釣り」と一口にいっても、実はいろいろな楽しみ方がある。釣りという遊びは、釣れば釣
るほど面白い、といわれることもあるが、そればかりだとすぐに飽きてしまう。釣りという
行為は分かりやすく、本質的には単純作業の繰り返しである。釣りの技術の上達は、作業の
精度を高めることにあるから、努力に対する代償や達成感を得やすいのである。しかし、魚
釣りの本当の面白さは、釣りに飽きた頃からじわじわと盛り上がってくる。なぜなら心に余
裕が生まれ、今まで見る機会がなかったり、釣りをやらなければ知りえない世界があること
に気がつくからだ。
 どんな釣りでも楽しいけれど、私は40 年以上に渡って、フライフィッシング( 毛ばり釣り)
に没頭している。そしてフライフィッシングは自然界のあらゆる事象を親しむために絶好の
バックグラウンドを持っている。まず、魚を釣るための毛ばりは、魚たちが普段食べている
水生昆虫や陸生昆虫を模しているので、少なからず昆虫に関する知識が必要になる。昆虫に
興味を持ち始めると、それがどんな時期に活動して、どんな生活を送っているのかといった
習性を知ろうとする。その知識が釣果に直結するのだから、闇雲にサオを振り回すだけでは
ダメだと悟る。ある種の昆虫が活発に動き回る頃には、どんな花が咲いていたとか、どんな
生きものが水辺に出現していたのか等々、自然界と生きものたちのつながりが見えてくるわ
けである。
 私の場合、釣りの腕を磨く以前に生きものたちの世界にどっぷり浸かってしまったが、釣
りを存分に楽しんだ後からでも、自然の中での経験を積めば積むほど、生きとし生けるもの
たちの素晴らしさに深く強く触れることができる。そういう意味でも、フライフィッシング
は自然と親しむために最高のツールだ。しかも一生楽しめるのだから、読者の皆さんにもぜ
ひ興味を持っていただければと思っています。
 本著は2008 年5月21 日から2013 年12 月20 日の間、朝日新聞群馬版に2 週間に1 度
のペースで掲載したコラム、「渓ごよみ」をもとに加筆・訂正したものです。新聞への連載終
了後、しばらく宙に浮いた状態が続いていましたが、今回ご縁があって、ふらい人書房から
出版する機会をいただきました。タイトルを「鱒虫釣人戯画」に変更し、新たな命を吹き込
まれた気がしています。
 さらに幸運なことに、神谷利男さんの情感豊かで生き生きとしたイラストを添えていただ
きました。どこから読み始めても印象に残る仕上がりになって、私自身、これまでにない感
動を覚えています。
  2020 年6 月吉日

版元から一言

ふらい人書房からの第5弾は『鱒虫釣人戯画』です。釣り人であり、優れた水辺の観察者である佐藤成史が数ミリにも満たない生物の生活に肉薄し、カマドウマに寄生するハリガネムシの生態を活写し、釣りの喜びを語り、カゲロウの強さに気づき、釣り人のクレージーさを自嘲します。そんな興味深い文章をさらに楽しくするのが神谷利男のイラストレーションで、このどこかシュールな味わいのある絵は見飽きることがありません。

著者プロフィール

佐藤成史  (サトウセイジ)  (

日本を代表するフライフィッシャーであり、同時に水辺の自然科学の探求者でもある。北里大学水産学部を卒業したのち、フリーランスのライター兼フォトグラファーとなる。著書に『フライフィッシング』立風書房、『ロッキーの川、そして鱒たち』つり人社、『瀬戸際の渓魚たち』つり人社、「いわな 川と森の生きものたち』ポトス出版ほか多数。

神谷利男  (カミタニトシオ)  (イラスト

神谷利男(かみたにとしお) 京都市立芸術大学デザイン科卒、その後、神谷利男デザインを設立し、現在に至る。著書に『ペーパー・フライズ』つり人社、『さかな・釣り検索』 つり人社

上記内容は本書刊行時のものです。