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渚に立つ 清田 政信(著) - 共和国
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境界の文学

渚に立つ 沖縄・私領域からの衝迫

発行:共和国
四六変型判
縦188mm 横125mm 厚さ19mm
276ページ
上製
価格 2,600円+税
ISBN
978-4-907986-47-6
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年8月
書店発売日
登録日
2018年7月13日
最終更新日
2018年8月11日
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書評掲載情報

2018-11-04 琉球新報    朝刊  11月4日付
評者: 松原敏夫
2018-11-03 図書新聞  第3374号
評者: 神山睦美
2018-09-18 しんぶん赤旗    第24320号
評者: 河津聖恵(詩人)

紹介

不可視の原境、古謡、そしてエロス。
沖縄の戦後文学史上、もっとも先鋭にして重要な詩人が、灼けた韻律の深淵から帰還する。
自身の内域を微分するように、伊波普猷、比嘉春潮、折口信夫、柳田国男ら沖縄思想の系譜を描く単行本未収録の連載「沖縄・私領域からの衝迫」にくわえ、南島歌謡をその根源へとたどりゆく黒田喜夫論、藤井貞和論などを収める。

目次

  微視的な前史
  
第1部 沖縄・私領域からの衝迫
  世礼国男論
  金城朝永論
  仲原善忠にかかわりつつ
  比嘉春潮にかかわりつつ
  伊波普猷論の入口まで
  折口信夫にかかわりつつ
  柳田国男にかかわりつつ
 
第2部 原郷への意思
  原境への意思
  幻域
  詩と原郷 黒田喜夫論
  古謡から詩へ 藤井貞和に触発されて 
  
   清田政信とは誰か(松田潤)   
   解説・解題

前書きなど

《渚に立つ。これは寂寥から立ち直れない者がなすことのできる最後の行為だ。古代からこの島の渚に立った者は無数にいたようだ。しかしそこまでは人間がごく自然に精神からのがれ、精神へ立ちかえる習練といっていい。問題は水平線に眼をいこわせようにも、何も見えないこの荒廃に、見えざるゆえに著しく顕つ幻に灼かれて、ほとんど帰るところを失った魂を、私はどう解けばいいのか知らない。こういう魂は、村の民とさしむかいに話してもおそらく自分の言葉をいこわせる場所をみいだせないにちがいない。〔……〕きみたちと私は理解しえないゆえに、きみたちと私との関係には虚偽は成立する余地はない、という存在論的な構図を、白い骨のように透かしている。》――本文より

版元から一言

「沖縄戦後文学」というにとどまらず、「現代文学/現代詩」「世界文学」として再読されるべき詩人の筆頭が、清田政信です。現在も病床にあり、80年代後半以後の執筆活動が途絶えているせいか、既刊の著書もすべて絶版。古書でも入手困難なものが少なくないため、読んでみたくても『沖縄文学全集』をはじめとするアンソロジーの1篇か2篇にその名を見るばかりでした。

そこで今回、伊波普猷、比嘉春潮、柳田国男や折口信夫たち「沖縄学」の系譜をたどる単行本初収録連載を中心に、新しい読者のための作品集をリリースします。

この詩人の声は、けっして耳障りのいい、安っぽい言葉でなんか語りかけてきませんが、その詩、その散文からは、自身の内面を突き詰めることによって吐き出された苦悩やエロスが響いてくるはずだと確信しています。ぜひ、多くのかたの手にとっていただきたい1冊です。

著者プロフィール

清田 政信  (キヨタ マサノブ)  (

1937年、沖縄久米島に生まれる。琉球大学在学中に『琉大文学』に参加。従来の沖縄文学に顕著だった「政治の優位性」「土着的なもの」を批判しつつ、沖縄、本土を問わず精力的な執筆活動を開始するが、1980年代後半に病を得て以後は療養中。
おもな著書に、詩集『清田政信詩集』(1975)、『疼きの橋』(以上、永井出版企画、1978)、『南溟 いやはて』(アディン書房、1982)、『渚詩篇』(海風社、1982)など、評論集『情念の力学』(新星図書出版、1980)、『抒情の浮域』(沖積社、1981)、『造形の彼方』(ひるぎ社、1984)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。