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自衛隊 この国営ブラック企業 小西 誠(著) - 社会批評社
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自衛隊 この国営ブラック企業 隊内からの辞めたい 死にたいという悲鳴

発行:社会批評社
四六判
235ページ
並製
定価 1,700円+税
ISBN
978-4-907127-11-4
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年10月
書店発売日
登録日
2014年9月29日
最終更新日
2018年12月25日
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紹介

パワハラ・いじめが蔓延する自衛隊内からの、多数の現役自衛官たちから届く、辞めたい 死にたいという悲鳴ーAKB48や萌えキャラに騙されて入隊したが、そこは「24時間勤務態勢」下、「雇い止め」と「サービス残業」が横行する元祖「ブラック企業」だった。この本当の実態が、今えぐりだされる。

目次

はじめに 2
プロローグ インターネットで告発する自衛官たち 9
     「ガムテープのミイラのような姿」の遺体 9
     現職幹部自衛官がパワハラ告発 12
     幹部自衛官の2度目の自殺を目撃 16
     パワハラ副部隊長には何のおとがめもなし 17
     「自衛官人権ホットラインの相談室」への告発 18

第1章 辞めたい、死にたい自衛隊 21 
     ――自衛官人権ホットラインに届く自衛官たちの悲痛な声
     パワハラが爆発的に蔓延する隊内 21
     海自をはじめ全自衛隊に蔓延するパワハラ 27
     自衛官家族からの訴えの増大 30
     営内班にはびこるいじめと暴力 36
     自殺に追い込まれる隊員たち 42
     辞めたいのに辞めさせない! 49
     セクハラは果たして減ったのか? 54
     自衛隊でパワハラ・自殺はなぜ深刻なのか? 56
     危惧する元自衛官たち 64

第2章 AKB48と萌えキャラに騙されて入隊 67
     ――かつては「地連」に騙されて入隊したが……
     AKB48を使ったコマーシャル 67
     危機に瀕する自衛官募集 69
     パワハラ・いじめ・暴力の横行 73
     未だセクハラの蔓延する隊内 79
     自衛隊は「大人の幼稚園」 83
     プライバシーのない隊内生活と規律 86
     人格が崩壊する自衛隊生活 92
     「国営ブラック企業」と呼ばれ始めた! 98
     幹部自衛官の苦言・提言 100
     元自衛官たちの提言 104
     マスメディアが甘やかす自衛隊 108

第3章 自衛隊は元祖「ブラック企業」だった 110
     ――再任拒否・残業代拒否ばかりか訓練死―自殺が常態化
     一般隊員は「契約社員」 110
     残業代なしの24時間勤務態勢 114
     仕事も生活も監獄並みの拘束 116
     訓練・リンチによる死と殉職 120
     自殺者の増大を放置する防衛省 124
     イラク派兵と自殺者増大 130
     自衛官だけに課せられた賭命義務 133
     防衛省・自衛隊を訴える隊員家族ら 138

第4章 田母神的トンデモ人格を造る自衛隊教育 147
     ―――旧日本軍以来の訓育と精神教育による「洗脳」
     自衛隊的「兵士」の造り方 147
     兵士造りの要は「命令への絶対服従」 151
     危機に瀕する防衛大学校 154
     全校で保険金詐欺が横行する防大 157
     はびこる防大のリンチ・いじめ事件 159
     田母神ショウグンのトンデモ語録 163
     「UFOが原発危機を救った」という防大出身幹部 168
     「少年自衛官」たちの危機 172
     不祥事=刑事犯罪が多発する自衛隊 177

第5章 マスメディアが報じない自衛隊の実態 181
     ――繰り返される「脅威論」の虚構
     中国の防空識別圏設定で無知をさらす国会とマスメディア 181
     制服組主導の「尖閣」上陸作戦の秘密教範 187
     シビリアン・コントロールの崩壊 192
     「テロ脅威論」に屈服するマスメディア 196
     「想定外」の自衛隊の原発災害出動 204
     原発55基も抱えて「日本防衛!」が可能だったのか? 209
     日米壕の集団的自衛権による日本の「砲艦外交」 214

結語 自衛隊はどうあるべきか? 219
資料 自衛官の懲戒処分者などの件数 226

前書きなど

 筆者が運営する「自衛官人権ホットライン」には、全国の部隊内から隊員たちの声が毎日のように届く。ここ数年前までは、自衛隊を「辞めたいのに辞めさせてくれない」、「辞めたくないのに強制的に辞めさせられる」、隊にいることにこれ以上耐えられないので「死にたい」というものがほとんどだった。
 ところが、ここ1~2年、届く声のほとんどは「上官からパワハラを受けている、だが、誰も助けてくれない、もう死にたい」という悲痛ともいえる叫びだ。驚くことには、この隊内から寄せられる相談者の過半数以上が、幹部自衛官とその家族、あるいは、自衛官として15~20年以上務めあげている、中堅の陸海空曹とその家族からのものだということだ。
 この事実は、最近マスメディアでも頻繁に報道されるようになった隊内のパワハラなどが、ほんの一部でしかないことを示している。本書では、「自衛官人権ホットライン」に届くこれらの声を、ありのままにプライバシーに配慮しながらではあるが伝えたいと思う。
 それにしても、この全国の全ての部隊に蔓延するパワハラ・いじめ、そして自殺者の増大を、なぜ防衛省・自衛隊は放置しておくのか? なぜ解決できないのか? 読者も、多くの国民も、深い疑問を持つことだろう。
 問題は、防衛省・自衛隊がこの構造的とも言えるほど隊内にはびこるパワハラ・いじめ・自殺などの背景と原因について、まったく理解していないということだ。というか、彼らには根本的に理解不能であり、したがって、防衛省サイドからの繰り返しの彌縫策もまったく効果がないのである。
 本書では、この自衛隊のパワハラなどの構造的要因についても詳しく分析するが、ここには、戦後自衛隊が引き継いできた旧日本軍との深い関係が刻印されている。
 政府・防衛省は、現在、集団的自衛権行使に関する自衛隊法などの改定を目論んでいるが、安倍首相を始めとする政府・自衛隊首脳は、この自衛隊内で深く進行している「隊員たちの絶望的危機」を、果たして認識しているのか? この「平時」においてさえ進んでいる悲痛な事態は、一旦自衛隊員たちが、集団的自衛権の行使による命の危険に立たされたとき、爆発的に進むのは間違いない(アフガン・イラク帰還の米兵を見よ)。
 このように、政府・自衛隊が画策する集団的自衛権行使の問題は、当事者である自衛隊員たちの本当の実態を知ることなしには一歩も進めることはできないのだ。本書をそのための参考にしていただきたいと思う。
                       2014年10月5日
                                      小西 誠

版元から一言

自衛隊のパワハラ・いじめは、際限なく広がり、今や社会問題にさえなりつつある。この危機的状況に対して、現職自衛官たち、多数からの生の声ー悲鳴ともとも言える声が届く。この背景・原因について、自衛官人権ホットラインを運営する著者がえぐりだす。

著者プロフィール

小西 誠  (コニシマコト)  (

1949年、宮崎県生まれ。「自衛官人権ホットライン」事務局長。 
航空自衛隊生徒隊第10期生。軍事ジャーナリト・社会批評社代表。
著書に『自衛隊の対テロ作戦』『ネコでもわかる? 有事法制』『現代革命と軍隊』『自衛隊そのトランスフォーメーション』『日米安保再編と沖縄』『サイパン&テニアン戦跡完全ガイド』『グアム戦跡完全ガイド』『本土決戦 戦跡ガイド(part1)』『シンガポール戦跡ガイド』(以上、社会批評社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。