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頭のいい子には中学受験をさせるな 稲荷 誠(著/文) - メディアイランド
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頭のいい子には中学受験をさせるな (アタマノイイコニハチュウガクジュケンヲサセルナ) 「灘」を超える、東大合格のメソッド (ナダヲコエルトウダイゴウカクノメソッド)

社会一般
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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ11mm
156ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-904678-52-7   COPY
ISBN 13
9784904678527   COPY
ISBN 10h
4-904678-52-4   COPY
ISBN 10
4904678524   COPY
出版者記号
904678   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年1月
書店発売日
登録日
2013年12月2日
最終更新日
2013年12月21日
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重版情報

3刷 出来予定日: 2014-10-01
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時期を問わずAmazonでよく売れています。中学受験という大きな負担を子どもに強いることなく,小学生らしい生活を満喫しながら東大・京大を狙える仕組みを生み出した稲荷塾。その秘密は「算数・数学の学び方」にあります。国語学習や英会話習得にも効果を上げている著者が惜しげもなくノウハウを開示してくれています。

目次

はじめに
第1章 算数・数学教育の理想的なカリキュラムを求めて
 算数と中学数学、及び高校数学では何が違うのか
 さまざまなカリキュラム――現行の数学教育はこんなに非効率的
 中高分離型のカリキュラムには無理がある
 中高一貫校と「灘型」カリキュラムを比較する
 大切なのは子供の資質とモチベーション
 数IIBと数IIIを並行して学ぶ方法とは⁉
 一般の中高一貫校より「灘型」が圧倒的に有利
 優秀な学校とは何か
 頭のいい子には中学受験をさせるな
 稲荷塾方式とは何か
 「灘型」を超える稲荷塾方式
 伸びる子供の三つの条件
 英語学習と比較して

 コラム1「ファインマンさん」

第2章 国語教育・英語教育に物申す~稲荷塾方式のビジョンについて
 人間性とコミュニケーション能力を育てるために
 うまくいかないのはビジョンが弱いから
 「どこまでも伸びて行ける根源的な力」を育てる国語
 国語クラスを作るべし
 稲荷塾の作文教室
 コミュニケーションの道具として英語が必要
 短期間で英語を身に付けるプログラム
 英語を身に付けるための二つのポイント
 生の英語に触れる
 稲荷塾方式が学校教育で用いられると
 稲荷塾からのお願い
 稲荷塾方式は家庭で実行できるのか――高校数学に入るまでの部分は可能
 高校数学を家庭で学ぶためのツール

 コラム2 方針「少し」転換

おわりに――世界的で歴史的な貢献をする人材を育成しよう

解説――古田富建(帝塚山学院大学リベラルアーツ学部准教授)

巻末資料 稲荷塾方式を家庭で実行するために
     稲荷塾方式を家庭で実行するための具体的な方法
 1.算数の学び方
  ◎ある程度理解したら次に進む
  ◎意味を理解しようとする姿勢を大切に
 2.中学数学の学び方
  ◎親も一緒に格闘する
  ◎最初に直面する困難はこれだ
  ◎「パーマをあてたお母さん現象」とは⁉
  ◎一般的な議論が出来る能力を身に付ける
  ◎問題解決能力を身に付ける
  ◎中学数学はどの程度しっかり準備すべきか

前書きなど

まえがき

 英語教育を改革しなければならないという話をよく耳にします。
 グローバル化された世界においてはビジネスや学問の現場で英語が聴けて話せるということが必要なのに、実際にはそうなっていない現状の根本的な解決には、教育を改善するしかないと多方面の方が考えているということだと思います。
 もう少し素朴な感想を述べれば、
「大学を出ても英語がしゃべれないのは、何かがおかしいのではないか」
ということになります。
 日本では中、高、大と一〇年もかけて英語を勉強しているのに(最近では小学生のうちから英語の授業が始まるようになったので、それ以上)、ろくに英語を話すこともできず、一方英語圏では三歳の子供でも英語を話しているのは教育の問題ではないのかということです。

 もともと洋書を翻訳する必要から始まった英語教育は文法を重視し、読み、訳すことに力点を置いてきたわけですが、今やそれが時代のニーズに合っていないという批判を聞いたこともあります。
 英語を自在に話すことができない日本人の先生が、英語を日本語で説明したとして、学んでいる生徒がしゃべれるようになるはずがないとも思います。
 結局教育の欠陥が原因で、本来発揮できるはずの力が発揮できずにいるのではないか――これは他教科においても当てはまり、もちろん数学についても同じことが言えます。

 では、数学教育を改革しなければならないということが英語のそれほどに話題にならないのは、普通に生きていく上で「数学ができなくて困る」と感じることが少ないという、ただそれだけの理由だと思うのです。
 実際には、数学教育も根本的改革を必要とするほどに深刻であり、数学がすべての論理的思考の基礎になっていることを考えると、早急に手を打たなければならない課題なのです。

 灘中、灘高(以下灘とします)は優秀な学校として有名ですが、そこのカリキュラムでは中一の一年間で中学数学を終え、中二から高校数学に入ることになっています(以下これを「灘型」と呼ぶことにします)。
 なぜこのようにするのでしょうか。
 灘では一つの学年を担当する教師たちで学年団が組織され、基本的に中、高の六年間をその教師たちが責任をもって各教科を担当します。
 六年間で何をどのように教えるのかという手順や時間配分、いわゆるカリキュラムについて考えるわけです。
 数学において最も効率が良いやり方が「灘型」だったのです
 (詳細は本文に譲ります)。
 最も効率の良いやり方がさらに優秀な生徒を呼び、さらにカリキュラムがブラッシュアップされるという循環の中で日本一の学校が出来上がったのです。

 ここが注目すべき点です。

 小学校の教師は小学校教育について考え、中学校の教師は中学校教育について、高校教師は高校教育について考えるのに対して、灘の教師は中、高の教育を考えたのです。
 当然どの範囲で考えるのかということによって見える風景が変わってくるのであり、より広い範囲で考えた方がより効率の良い方法を見つけやすくなるというわけです。

 さて、稲荷塾を始めて間もないころ、私は予備校講師をしており、一年の勉強で大学に受かる方法について考え、塾では受験学年の生徒(高三生と浪人生)のみを集めていました。
 それでは経営が安定しないので、間もなく募集範囲を高校生以上に拡大することにしました。さらにそれを中三以上、中一以上、 …… と徐々に広げていき、今では小三以上の生徒を集めるようになりました。
 小さな個人塾であったがために、このようにせざるを得なかったわけですが、そうすることによって見える世界が少しずつ変化してきました。

 受験学年のみを集めていた段階から高校生以上を集めるようになって、カリキュラムを考え始めるようになりました。
 その後、試行錯誤を経て「灘型」を実際に使ってみて、それが優秀であることを知ったときには衝撃を受けました。
 灘は、生徒が優秀だから中二から高校数学に入ると思っていたのに、そうではなく、それが最も効率的だからそうしているのだということが分かったからです。

 さらに稲荷塾に小学生が通い始めることになったときから「稲荷塾方式」を考えるようになりました。
 これははっきり言ってすごい方法です。
 灘では中、高の学習を最も効率よくすることを考えているのに対して、「稲荷塾方式」は小、中、高の学習を最も効率よくすることを考えているからです。

 二〇一〇年に前著『小さな数学塾のヒミツ』(東洋出版)を書いたときには、東大、京大合格レベルを学力上位〇・七%以内だと分析し、もし「稲荷塾方式」で勉強すれば、この〇・七%を一〇%に引き上げることができると叫んでいます。
 つまり一五〇人中の一番になるような、めったにいないような賢い子でないと東大、京大に受からない現状に対して、クラスの三、四番に入っている程度の、その辺にいるちょっと賢い子であれば東大、京大に入れると主張して興奮していたわけです。
 この「稲荷塾方式」に興味をもたれた方も多く、これまでに『週刊東洋経済』と『プレジデントファミリー』に取材記事が掲載されました。
 『週刊東洋経済』のライターの方も、その取材動機を次のように語っておられます。

 『小さな数学塾のヒミツ』の「チェビシェフの不等式」のところで、京都の公教育が崩壊して中学受験の熱が高まっていった特殊な事情について触れられていますが、実は東京もこれと似たような問題に直面しました。
かつて東大合格者数のトップ常連校だった都立日比谷高校がなりを潜め、それに取って代わって私立の開成などが台頭してきました。
 「お受験」などの言葉が生まれたのも東京であり、子供がまだ幼い段階からそのレールに乗せてしまおうとする教育熱は京都以上のものになっています。
 ですから、その首都圏で多くの読者を抱えている週刊東洋経済が、春のこの時期に塾を特集するのはある意味当然のことなのですが、学校や塾の教育関連のところを数多く取材してきて、幼稚園や小学校、中学校の受験に成功することが、必ずしもその後の成功につながっていないことを感じ、疑問に思っていました。
 そういう意味で「稲荷塾のカリキュラム」が主張しようとしているところは、非常に新鮮に感じられました。

 そうです。稲荷塾方式は確かに画期的方法なのです。
 そうしてみると、もともと東大、京大に受かるような、上位〇・七%に入るような子が「稲荷塾方式」で勉強したらどんなことが起こるのでしょうか。
 本書では『小さな数学塾のヒミツ』で紹介した「稲荷塾方式」をさらに詳しく説明すると共に、この点についても言及しました。
 さらにこのような方法があることが分かると、現行の数学教育がどれほどに非効率的であるかということも分かってきました。

 結局英語教育も、数学教育も、その他の科目についても、根本的改革を必要とするほどに深刻だったということです。第二章の後半では、この改革についても考えてみました。
 小学校教育についてだけ、中学校教育だけ、あるいは高校教育についてだけ考えるのではなく、限定された視点では見えてこないような新たな視点、つまりそれら全体を一つの流れとしてとらえる立場で考えることが大切です。
 もちろん考える範囲が広くなり過ぎた場合は、分割して考えた方がいいこともあります。
 しかし統一的に考えることができるのであれば、より広い視野で考えた方がいいのです。

 そういう意味では、その前後の幼児教育や大学教育までも視野に入れて考えることができればもっといいのですが、私自身はまだそこまでたどり着けていません。
 今後は、より広く、深い見識をお持ちの方と協力していくことができれば素晴らしいと思います。





版元から一言

『頭のいい子には中学受験をさせるな~『灘』を超える、東大合格メソッド」』
著者・稲荷誠先生は個人でちいさな数学専門塾「稲荷塾」を開かれています。
東大や京大への合格率が非常に高く、それは算数や数学を前倒しで学習させる、独自のカリキュラムを組んでいるからです。
難関大学合格の決めてはやはり数学。数学にゆとりがあれば、あとの教科の勉強をこなすゆとりも生まれます。

稲荷塾方式カリキュラム中学校のうちに、高校での課程は全て学び、高校三年間は演習をします。
これは特別上位の子どもたちだけではなく、クラスでちょっと成績がいいなというような普通の子どもたちでも充分こなしていける方法です。

中学受験は子どもにも親にも精神的にも経済的にも高負担を強います。時間拘束も大変です。子どもさんに「小学生らしい生活」を送らせて上げることができないことに悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか?
そんな方にぜひ読んでいただきたいです。
中学受験にやっきにならなくても大丈夫。その分、豊かな学校生活を送ったほうが幸せではないでしょうか。

著者の稲荷誠先生は、非常に熱心で、生徒にも人気がある先生です。
「稲荷塾方式」がもっと広まれば日本の教育は良くなる、次世代の日本がもっと良くなる、才能のある子どもたちをもっと伸ばすこと、そんな子どもたちが、あたらしい学問や技術を開発発展させること、それが日本や人類の幸福に繋がっていくでしょう。

著者プロフィール

稲荷 誠  (イナリ マコト)  (著/文

稲荷 誠(いなり・まこと)
高校生のときに将棋のプロを目指して奨励会に在籍。
関西学院大学理学部で量子力学を学ぶ。
京都大学理学部で数学を学ぶ。
塾講師、予備校講師を経て、現在稲荷塾代表。
趣味はテニスと、息子と行く釣り。
著書に『驚きの東大合格率 小さな数学塾のヒミツ』(東洋出版)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。