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2013年度版国連英検過去問題集特A級・A級 公益財団法人日本国際連合協会(編著) - メディアイランド
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2013年度版国連英検過去問題集特A級・A級

A5判
260ページ
並製
定価 1,886円+税
ISBN
978-4-904678-48-0
Cコード
C2082
実用 単行本 英米語
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2013年5月
書店発売日
登録日
2013年3月4日
最終更新日
2018年6月12日
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紹介

 2012年に実施された国連英検第1回・第2回の問題と解答・解説です。

目次

はじめに
国連英検とは
特A級のレベルと審査基準および問題の傾向と対策
A級のレベルと審査基準および問題の傾向と対策
問題
特A級第1回 
特A級第2回 
A級第1回 
A級第2回 
解答・解説
特A級第1回 
特A級第2回 
A級第1回 
A級第2回 
国連英検実施要項
監修者・執筆者プロフィール

前書きなど

 国連英検は、英語コミュニケーション能力を測るためのテストです。ひとくちにコミュニケーション能力をテストするといっても、「コミュニケーション能力」という概念は複雑です。ここでは、コミュニケーション能力の理論的枠組みをできる限り明らかにし、コミュニケーション能力をより的確に測るためのテストとしての国連英検のあり方について論じます。
 1960年代以降に言語研究に科学的な手法が求められるようになり、「コミュニケーション能力」という概念が生まれました。コミュニケーション能力の概念を最初に示したのはハイムズ(Hymes, 1972)ですが、それ以前に彼は、能力(competence)と運用(performance)の概念を提唱したチョムスキー(Chomsky, 1965)から大きな影響を受けたため、まずチョムスキーの言語理論から考察することにします。
 チョムスキーは、従来の学習を習慣形成による刺激と反応の結合が発達したもの、すなわち練習と強化によって形成された習慣とみなす行動主義(behaviorism)の考え方に異論を唱えました。彼は「具体的状況における実際の言語使用」(the actual use of language in concrete situation)を運用(performance)とし、それを「話者―聴者の言語の知識」(the speaker-hearer’s knowledge of his language)である能力(competence)と区別しました。
 ハイムズはチョムスキーの能力(competence)の概念を発展させ、コミュニケーション能力(communicative competence)の概念を示しました。ハイムズは、文法的な意味に限定したチョムスキーの能力(competence)は不十分であるとし、能力を社会的文化的に拡張すると主張しました。ハイムズのコミュニケーション能力は次の4つに分類されます。

 (1) Whether (and to what degree) something is formally possible;
 (2) Whether (and to what degree) something is feasible in virtue of the means of implementation available;
 (3) Whether (and to what degree) something is appropriate (adequate, happy, successful) in relation
to a context in which it is used and evaluated;
 (4) Whether (and to what degree) something is in fact done, actually performed, and what its doing entails.

 ハイムズは、文法的に正しいのか、発話することが現実的に可能か、社会的に適切であるか、実際に遂行されているのか、といった4つの基準を示したわけです。前者2つが文法に関するもので、後者2つが発話としての容認性に関するものであるといえます。
 ハイムズのコミュニケーション能力は、ウィドウソン(Widdowson, 1983)、バックマン(Bachman, 1990)、さらにはバックマンとパーマー(Bachman and Palmer, 1996)へと引き継がれました。「コミュニケーション能力」という用語は、communicative competence, communicative language ability, language abilityと表記が変わり、定義も見直されました。コミュニケーション能力理論で最も新しいものは、バックマンの論理、およびバックマンとパーマーの理論です。バックマンとパーマー(Bachman and Palmer, 1996)の理論は、バックマン(Bachman, 1990)の理論を踏襲した改訂版で、テスティングのための理論という色彩を強めたものです。この2つの理論は現在、コミュニケーション理論の中で最も信頼のおけるものとして、言語教育で受け入れられています。
 バックマンとパーマーは、コミュニケーション能力にlanguage abilityという用語を用いています。そして、そのlanguage abilityの中にハイムズやカネールとスウェインなどが言うcommunicative competenceの構成要素をすべて含んだ言語知識(language knowledge)という概念を設けました。バックマンとパーマーの言語知識は、組織的知識(organizational knowledge)と語用論的知識(pragmatic knowledge)に分けられます。組織的知識はさらに、文法的知識(grammatical knowledge)とテキスト的知識(textual knowledge)に分類されます。語用論的知識は、機能的知識(functional knowledge)と社会言語学的知識(sociolinguistic knowledge)に分類されます。バックマンとパーマーは、言語知識以外にトピック知識(topical knowledge)や個人的特徴(personal characteristics)などもlanguage abilityの中に含まれる要素としており、これらすべてを結びつける能力として方略的能力(strategic competence)を挙げています。
 バックマンとパーマーは次のように述べ、自分たちが提示したコミュニケーションのモデルはテスト開発のためのものである、としています。

 We would note that we conceive of this not as a working model of language processing, but
 rather as a conceptual basis for organizing our thinking about the test development process.

 バックマンとパーマーは、心理的な意味での言語処理モデルではなく、テスト開発のための概念的な枠組みを設定したといえます。
 バックマンとパーマーのlanguage ability理論の基礎になったのが、バックマン(Bachman, 1990)のcommunicative language ability理論です。バックマンは、知識(knowledge)ではなく能力(competence)という用語を用いて、語用論的能力(pragmatic competence)と組織的能力(organizational competence)について、次のように述べています。

 Pragmatic competence includes the types of knowledge which, in addition to organization
 competence, are employed in the contexturalized performance and interpretation of socially    appropriate illocutionary acts in discourse.

 ここでバックマンは、語用論的能力/語用論的知識は、組織的能力/組織的知識の基盤の上にできあがるものであることを示しました。また、語用論的能力/語用論的知識は、テキストを構成しない一文単位でも発揮されるということを考えますと、組織的能力/組織的知識の中心は文法的能力/文法的知識であることがわかります。
 以上のコミュニケーション能力理論に基づき、国連英検では以下のように出題されています。中学校、高等学校で学習する英語の範囲内で出題されるC級、D級、E級は、語用論的知識に先行して学習する必要のある組織的知識について問い、加えて組織的知識の基礎となる文法的知識を中心として出題しています。B級では、組織的知識の中の文法的知識に加え、英文エッセイをテーマに沿って“書く”問題も出題され、組織的知識の中のもう1つの力であるテキスト的知識も問われます。さらに、国連英検の特徴である国連に対する理解についての設問も出されます。特A級とA級では、1次試験の筆記試験で文法的知識とテキスト的知識および国連に関する知識が問われ、1次試験合格者を対象に実施される2次試験の面接テストでは、これらに加えて語用論的知識である機能的知識と社会言語学的知識、言語力の要素を統合させる方略的能力、さらには国際事情についての知識も問われます。
 以上のように、国連英検ではコミュニケーション能力の研究成果を踏まえ、コミュニケーション能力の基盤をなす力を下の級で測定し、上の級ではそれらの基盤的な力の測定に加え、語用論的な力とメタ認知方略に関する力も測定しています。特に最上級の特A級では、良識ある国際人として持つべき国際常識や国際適応能力についてもテストされます。国連英検は、まさしく総合的英語コミュニケーション能力を測定する試験であるといえます。

版元から一言

「国連英検の新しい過去問はないの?」受験者の皆さんの要望にお答えしました。7年ぶりの国連英検過去問題集です。

著者プロフィール

武藤 克彦  (ムトウ カツヒコ)  (

立教大学講師、大妻女子大学講師。国連英検指導検討委員会委員長・特A級面接官。著書に『国連英検特A級・A級準拠、テーマ別時事英単語集』(共著、三修社)、『国連英検公式ガイドブック特A級・A級』(共著、メディアイランド)他多数。

髙橋 信道  (タカハシ ノブミチ)  (

翻訳家。京都大学理学部および文学部卒。国連英検指導検討委員会委員。著書に『国連英検特A級・A級対策[改訂版]』(共著、三修社)、『国連英検公式ガイドブック特A級・A級』(共著、メディアイランド)他。

長 和重  (チョウ カズシゲ)  (

高崎経済大学講師、新潟大学講師。国連英検指導検討委員会委員。著書に『使える!オフィス英文法』(共著、マクミラン・ランゲージハウス)、『Quick Start for the TOEIC Test – Level 1, 2, 3』(共著、マクミラン・ランゲージハウス)他多数。

服部 孝彦  (ハットリ タカヒコ)  (執筆協力

大妻女子大学・同大学院教授、早稲田大学講師。言語学博士。国連英検統括監修官。著書に『国連英検ベーシック・トライアル』(三修社)、『国連英検公式ガイドブック特A級・A級』(監修、メディアイランド)他多数。

Lawrence Karn  (ローレンス・カーン)  (執筆協力

東京外国語大学講師、大妻女子大学講師。国連英検指導検討委員会副委員長・特A級面接官。論文に「Developing English Skills by Reporting on Current Events and World News」(OJSIS)他、国際関係の論文多数。

上記内容は本書刊行時のものです。