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多角的視点から見た日中戦争 馬場 毅(編) - 集広舎
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多角的視点から見た日中戦争 政治・経済・軍事・文化・民族の相克

発行:集広舎
A5判
400ページ
上製
定価 5,500円+税
ISBN
978-4-904213-27-8
Cコード
C0020
一般 単行本 歴史総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年4月
書店発売日
登録日
2015年3月26日
最終更新日
2015年5月8日
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紹介

2015年は戦後70周年であり、日中間では、日中戦争をめぐる歴史問題が争点となりつつある。現在、日本での「嫌中論」の高まりの中で、日中戦争の実相についての関心は薄れ、一部に歴史修正主義的言説がまかり通っている。本書は、政治・経済・軍事・文化・民族の相克の諸側面という多角的視点からみた日中戦争の実相を明らかにすることを目的にしたものである。

目次

序文 馬場 毅

 Ⅰ 満洲事変前後
万宝山・朝鮮事件――訊問調書・裁判記録からのアプローチ  菊池一隆
遠藤三郎と第一次上海事変――「遠藤日誌」を中心に  張 鴻鵬
福建事変時における日本政府の対応について――「臨検・封鎖問題」と「抗日的論調取締問題」を中心に  橋本浩一
抗戦前四川における小額貨幣と中国幣制改革  岡崎清宜

  Ⅱ 盧溝橋事件以後
辻政信とチャハル作戦  森 久男
「蒙疆政権」の家畜・畜産物統制政策――獣毛・獣皮取引機構を中心に  田中 剛
日中戦争期の満洲における文化工作および音楽ジャンル観に関する考察  葛西 周
中国華北地域における「北支軍」映画工作と新民映画協会  張 新民
治安強化運動と山東抗日根拠地について  馬場 毅
汪兆銘の満洲国訪問 一九四二  三好 章
戦時下晋綏辺区における紙幣製造について――洪濤印刷廠の西農幣印刷を中心に  楊  韜
抗日舞踊と育才学校の接点――陶行知、戴愛蓮、呉暁邦の合作  星野幸代
第二次大戦期中国とカイロ会議における東アジア秩序の再構想について――蔣介石日記を基礎討論として  呂 芳上/野口武訳

あとがき  馬場 毅
索 引

■執筆者
馬場 毅  愛知大学名誉教授 
菊池一隆  愛知学院大学教授
張 鴻鵬  名城大学大学院院生
橋本浩一  守口市立第三中学校夜間学級教諭
岡崎清宜  愛知県立大学非常勤講師
森 久男  愛知大学教授
田中 剛  大阪教育大学非常勤講師
葛西 周  東京藝術大学非常勤講師
張 新民  大阪市立大学教授
三好 章  愛知大学教授
楊  韜  佛教大学講師
星野幸代  名古屋大学准教授
呂 芳上  台湾・国史館館長
野口 武  愛知大学非常勤講師

前書きなど

■序文より抜粋
 本年は、日中戦争から拡大したアジア太平洋戦争の終結後、七〇周年である。日本では戦後の平和憲法のもとで平和を維持していていた枠組みが、安倍首相による戦後レジュームからの脱却や積極的平和主義の提唱、さらには尖閣諸島での日中の対立を契機にしての集団的自衛権行使容認に象徴される動きにより変更されつつある。またアジア太平洋戦争の一環であった日中戦争と戦後七〇年をどう総括するかが問われている。また中国では、尖閣諸島をめぐる対立に関連して、安倍首相の政策は、本質的に世界反ファシスト戦争の勝利の成果を否認するものであり、戦後国際秩序と国際連合の趣旨と原則に挑戦するものであると批判している。さらに中国にとって今年は抗日戦争勝利七〇周年であり、抗日戦争は世界反ファシズムの戦いの東の主戦場とし、国際的にも日本への批判網を形成しようとしている。このように日中の国家的言説のレベルでの対立の中で、国民レベルにおいては日本における「嫌中論」、中国における「反日論」の高まりの中で、そもそも歴史認識の起点になり、戦後の国際秩序形成の一環となった日中戦争についての実相の関心は、決して高くない。これは特に日本で顕著である。その点は本書があえて世に問う理由である。
 学界に於いても、日中戦争に関して個々の研究者が、著作や論文を発表することは別にして、多くの研究者が結集して多角的に日中戦争を論じることは管見の限りでは、日本、中国、台湾をはじめ欧米の研究者が結集して行った大規模な国際研、および軍事史学会が行った特ぐらいであり、まだまだ共同研究すべき事が残っていると思う。
 本書は、以下のように日中戦争中の政治、経済、軍事、文化、民族の諸側面から、日中戦争を多角的に論じたものであるが、後述する研究会の記録に記した二〇一四年三月に行った国際シンポジウム「多角的観点からみた日中戦争」が、本書の企画の骨格となった。

上記内容は本書刊行時のものです。