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「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?
人種・ジェンダー・文化資本
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2013年10月
- 書店発売日
- 2013年10月25日
- 登録日
- 2013年9月24日
- 最終更新日
- 2023年10月19日
紹介
水村美苗さん(作家)推薦!
「問われるべきだったのに、問われなかった問い。それを問うのが学問のすべてである」
小澤征爾、内田光子、竹澤恭子、ヨー・ヨー・マ、チョン・キョンファ、ラン・ラン、ユンディ・リー、サラ・チャン──西洋クラシック音楽の世界でアジア人が活躍しているのはなぜか? 70人におよぶアジア系音楽家の証言をもとに、歴史・文化・民族誌の見地から、クラシック音楽ひいては芸術の本質にせまる!
目次
はじめに
序
1 「アジア人」とクラシック音楽
太平洋を越える西洋音楽
西洋音楽、東アジアに到来
蝶々夫人・日本版
中産階級のためのクラシック音楽、そしてアジアから西洋への「逆輸出」
スズキ・メソードのグローバリゼーション
結び
◆音楽家たちの声
1 デイヴィッド・キム
2 リフェン・アンソニー
3 高橋利夫
4 竹澤恭子
2 「アジア人音楽家」という「人種」
アメリカのアジア人音楽家たちの「ルーツ」と「ルート」
留学生
「音楽移民」
「移住するプロ音楽家」
「越境子女」
「混合」アジア人
音楽と「差異」
音楽と民族/国家アイデンティティ
結び
3 クラシック音楽における性力学
ジェンダー規範の逸脱─男性音楽家たち
音楽界の性力学との葛藤─女性音楽家たち
アジア人音楽家のビジュアル・マーケティング
音楽とセクシュアリティ─ゲイの音楽家たち
結び
4 階層としての音楽家、文化資本としてのクラシック音楽
階層理論と職業としての音楽
音楽家の出身階層
クラシックのコスト
クラシック音楽家の経済生活
文化的生産「フィールド」と階層
結び
◆音楽家たちの声
5 マーガレット・レン・タン
6 チョーリャン・リン
7 名倉誠人
8 ケンジ・バンチ
5 自分たちの声を求めて
クラシック音楽の「インサイダー」と「アウトサイダー」
自分自身の声 その一─器楽家の場合
自分自身の声 その二─オペラ歌手の場合
自分自身の声 その三─作曲家の場合
結び
おわりに──クラシック音楽という「経験」
あとがき
参考文献
索引
前書きなど
私はこの本が、私の音楽家としての過去と学者としての現在、インサイダーとしての視点とアウトサイダーとしての立場、そしてまた、代弁者としての責任と批評家としての役割などのあいだにある、生産的な緊張関係から生まれたと思っている。音楽家たち自身が見たり理解したりしていることについても、そしてそうでないことについても、学者としての分析を試みている。音楽家たちの経験や考えや視点を、ありのままに説明しようとすると同時に、彼ら自身はあまりとらないけれども、私が学者であるがゆえにとることのできる観点からも、議論を展開している。この本が、厳しさと苦しみと喜びに満ちた、クラシック音楽そして学問のありかたを、少しでも読者に伝えることができれば、この本を書いてよかったと思う。──「はじめに」より
上記内容は本書刊行時のものです。