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プルースト、美術批評と横断線 荒原邦博(著) - 左右社
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流動する人文学

プルースト、美術批評と横断線

発行:左右社
四六判
500ページ
上製
定価 6,000円+税
ISBN
978-4-903500-97-3
Cコード
C0098
一般 単行本 外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年12月
書店発売日
登録日
2013年12月19日
最終更新日
2014年1月8日
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紹介

絵画が言語の形を取って小説のテクストを横切って行く――。
美術批評家たり得なかったプルーストの批評的言説、そこに引かれた幾本もの〈横断線〉の働きを解き明かすとき、テクストは新たな相貌を見せはじめる。
ドゥルーズの概念を作家の実存的な帰結として捉えなおす、プルースト研究の俊英による刺激的論考!

目次

序章
絵画と横断線  プルーストと絵画の問題はどう論じられてきたか

第1章
「ゲルマント家の夕食会」における絵画の挿話の生成過程
 序 「ゲルマント家の夕食会」と草稿資料
 1 コレクションの鑑賞と公爵夫人の言説(「カイエ41」表)
 2 公爵の見解(「カイエ41」裏)
 3 ゾラとマネの萌芽(「カイエ43」)
 4 エルスチール・コレクションの発展(清書原稿N.a.fr.16705)
 5 ゾラの重点化と公爵夫人の見解の推移(清書原稿N.a.fr.16706)
 6 公爵夫人の言説の展開(清書原稿N.a.fr.16707)
 結 生成過程における五つの変化


第2章
マネをめぐる社交界の会話とその美学的問題
『ゲルマントのほう』における美術批評(1)
 序 マネの絵画、あるいは美術批評としての社交界の会話
 1 美術批評家ゾラの「肖像」:マネと印象派をめぐる弁護と逡巡
 2 主題、あるいは「絵画の自律」としての静物画の誕生
 3 「仕上げ」不在の絵画
 4 《ミス・サクリパン》:ブランシュ「マネに関するノート」(一九一二)の余白に
 5 マネと近代美術館の誕生:リュクサンブール美術館とベルリン・ナショナル・ギャラリー
 6 ルーヴルに入った《オランピア》、あるいは新たな源泉としてのゾラ「絵画」(一八九六)
 7 古典的な画家、マネ
 結 マネの絵画、あるいは鑑賞者の位置


第3章
十九世紀後半におけるルーヴルの文学的表象と美術館の概念 ゾラ・プルースト・美術館
 序 文学テクストと美術館、あるいはアドルノと二つのルーヴル
 1 美術館の中心
 2 中心から周縁へ、あるいは新たな資料体としての一八九五年の二つの芸術雑誌
 3 商業的価値の隠蔽
 4 美術館における/の死
 5 ルーヴルの変貌
 結 ヴァレリー・プルースト・美術館、あるいはプルーストと二つのルーヴル


第4章
モローをめぐる社交界の「さかしま」な言説とその美学・科学・制度的問題 『ゲルマントのほう』における美術批評(2)
 序 斬首の光景
 1 純潔と悪徳
 2 男性・女性
 3 詩人の表象と性的倒錯の概念
 4 さかしまなセイレン、あるいは新たな源泉としてのユイスマンス『さかしま』と「ゴブラン」(一九〇一)
 5 神秘の小鳥と個人美術館の誕生
 結 ヴィジョン・キャピタル


第5章
ドガの美学・政治学的問題と世紀転換期の絵画「理論」 ドガ・ダンス・プッサン
 序 ヴァレリーのドガからプルーストのドガへ
 1 肉体と色彩:ユイスマンスにおけるドガのダンス
 2 ダンス・蒸気船・競馬
 3 ドガ・ダンス・デッサン:ブランシュ「現代絵画に関するノート」(一九一三)の余白に
 4 「美術」と「国家」の分離:第三共和政におけるローマの「美術」
 5 ドガ・ドニ・プッサン、あるいは新たな源泉としてのドニ『理論集』(一九一二)
 結 「理論」から「生」へ、あるいは不断の生成としての美術史


終章
世紀と横断線、あるいは不断の生成


あとがき
図版一覧/参考文献一覧/註

前書きなど

本書は、プルーストと絵画に関してこれまで打ち立てられてきた安定したパースペクティヴを揺るがし、不意に現れる中心と周縁の関係性が欠落した空間のなかにその問題を召還しなおし、絵画をめぐる「横断線」の働きが要請され、それが産み出される状況を見据えながら、『失われた時を求めて』における「横断線」の作用を捉え、見慣れたはずのプルーストのテクストが見せる新たな相貌を書き留めようとする試みである。(序章より)

著者プロフィール

荒原邦博  (アラハラクニヒロ)  (

1970年生。東京大学教養学科フランス科卒業。同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第4大学博士課程DEA修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在明治学院大学他非常勤講師。専門はフランス文学、文化史。
論文に「La critique d’art dans Le Côté de Guermantes. Conversation mondaine sur Manet et sa nouvelle source」(『Bulletin d’Informations proustiennes』、第39号、2009年)、「Proust et les deux Louvre, de 1895 aux années vingt」(『Proust face à l’héritage du XIXe siècle. Tradition et métamorphose』、新ソルボンヌ大学出版局、2012年)、訳書にカトリーヌ・マラブー『デリダと肯定の思考』(共訳、未来社、2001年)、ジュール・ヴェルヌ『蒸気で動く家』(共訳、インスクリプト、2014年刊行予定)など。

上記内容は本書刊行時のものです。