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「社会」の発見と変容
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年12月
- 書店発売日
- 2013年12月19日
- 登録日
- 2013年10月30日
- 最終更新日
- 2025年5月7日
紹介
1920年代、日本では大正デモクラシーのもとで「改造」が流行語となり、「民衆」が歴史の表舞台に躍り出て、それによって逆に知識人のあり方が問われるようになった。そして、民本主義・社会主義など、この時代を席巻した様々な思想は、東アジア各国間で連鎖し合い、それぞれの地域での伝統を踏まえた同名異義の個性的な思想が生み出され、それがまたブーメランのように投げ返されてお互いに影響を与えあったのである。これまで日本発の一方的な伝播だと考えられがちだった20世紀初頭の東アジア思想に対する見方を転換し、その位相の違いを描き出す。
目次
総論 「社会」の発見と変容 趙 景 達
Ⅰ 第一次大戦と東アジア
李 大 釗――中国マルクス主義の父―― 石川禎浩
吉野作造――人格主義とアジア―― 藤村一郎
孫 秉 熙――独立運動の英雄か?生粋の宗教人か? 林 雄介
大杉 栄――支配に抗する生の躍動―― 梅森直之
メ ル セ――体制変動期における〝モンゴル人〟インテリゲンツィヤの軌跡――
中見立夫
Ⅱ 文学者の問いかけ
森鴎外と夏目漱石――「西洋近代」/「明治国家」との遠近―― 見城悌治
魯迅と周作人――中国文化の近代転形の象徴―― 尾崎文昭
李 光 洙――ヤヌスの顔をもった作家―― 波田野節子
柳宗悦と白樺派の人々――その植民地主義批判と平和観―― 中見真理
Ⅲ 歴史学と民俗学
柳田国男――平凡・常識の批判的再構築―― 佐藤健二
伊波普猷――帝国の中の近代―― 冨山一郎
顧 頡 剛――近代における古代―― 竹元規人
文一平と鄭寅普――植民地下朝鮮知識人の苦悩―― 鶴園 裕
Ⅳ 女性と社会
平塚らいてうと与謝野晶子――女性解放をめざして―― 金子幸子
山川菊栄――マルクス主義フェミニストの先駆―― 鈴木裕子
羅 恵 錫――壊れゆく朝鮮「新女性」の自我―― 宋 連 玉
丁 玲――近代中国のジェンダー秩序への抗い―― 江上幸子
Ⅴ 教育と思想
生活綴方の教師たち――公教育のオルタナティブの開拓―― 船橋一男
胡適とデューイ――その師弟関係から見える中国近代思想の一齣―― 章 清
(訳 森川裕貴)
安昌 浩――民族運動の通奏低音として―― 李 省 展
上記内容は本書刊行時のものです。