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よく生きるということ
「死」から「生」を考える
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年12月
- 書店発売日
- 2012年12月12日
- 登録日
- 2012年11月9日
- 最終更新日
- 2014年1月31日
紹介
老い、病気、そして災害……
そのような、人間の力ではどうすることもできない不可抗力に行く手を遮られたとき、私たちは一体どう対処すればいいのだろうか?
何もしないで「泣く」のでもなく、自分の都合のいいようにこの世界に起こることを解釈して世界に合わせてもいけない。かといって、世界を力で変えるのでもない。
理想を見失うことなく、言葉という意味でも、理性という意味でもある「ロゴス」によって世界に立ち向かっていきたい。
死の淵の病いから「私」の死を、震災から「私たち」の死を深く意識するようになった著者が、アドラー心理学とギリシャ哲学を軸に、「死」から「生」を見つめ直す。
目次
第1章 行く手を遮るもの
生きることは苦しみである / 対人関係の悩み / 手を拱いているわけにはいかない / 意味づけを変える / 属性付与 / 現実を受け入れる / 言葉を交わす / 言葉への軽信 / 考えが違う人との共存のために / 空気を読むこと / 対話の構成分 / 個人と集団 / 「間」「場」の実体化 / 意味の外部における他者との接触 / 自然発生的ではない間 / 人為的な空気 / 無言の圧力 / 道徳の圧力 / パターナリズム / なぜ怒らないのか / 国が決めたから、でいいのか / 課題の分離 / 「誰」がではなく「何」を / 人格と言葉 / 対話の精神 / 対話成立の条件 / 対話が生まれる―知識 / 対等であること / 知識の種類は違っても / 好意 / 率直さ / ロゴスと「情」 / 目標の一致 / 対話はディベートではない / 「される」側にいよう / 劇場政治 / 叱ること / 戦争・死刑 / 人を裁くということ
第2章 老いと病気
老い / ある日突然に / 暗い海 / 死のことだけに汲々としない生き方 / 不安になることの本当の理由 / 死に向き合う時だけが特別ではない / 未来・希望・人格 / 過酷な現実を前にして / 運命 / 病気になることの意味 / 病気の受容 / 回復 / 病気からの回復 / そんなことをいうつもりでは / リハビリ / 人格 / 「人」から「人間」へ / 何もできなくなったとしても / 病者の他者への貢献 / 私らしく生きる / 無時間の岸辺 / エネルゲイアとキーネーシス / よく生きる / 日常の場面でも
第3章 死
死を初めて意識した頃 / 不可避の死 / 死問題 / 常に意識しているわけではない / 死の無効化 / 誰の視点で考えるか / 「もういいかい」 / 自分にしか決められない / 不可抗力の出来事 / 他者にとっての死 / 生の一部としての死 / 死の自覚が生への愛 / 死は怖いのか / 死については誰も知らない / パーソナルではない死 / 死がどんなものであっても / 死がどんなものであるかを問題にしない / それでも / 不死の一つの形
第4章 どう生きるか
どう生きるか――限られた時間の中で / うっかり人生がすぎてしまわないように / 目の前に永遠があるかの如く / 残りの人生が短くても / 変貌 / 道草しよう / 時間に縛られない / マルタとマリア / 哲学への復帰 / 運命愛 / 深刻と真剣 / 人生は苦しいものだ / 人生の困難 / できると思うがゆえにできる / 二重性 / 事前論理と事後論理 / 理想と現実の混同をしない / 沈没しかけた船 / 善のヒエラルキー / 目標にフォーカスする / 究極の善はどうすれば達成できるか / 他者貢献 / 生きたことが貢献 / 共同体に貢献するということ / 自分だけが幸福になれない / 見守るだけではいけない / 隣人愛と共同体感覚 / 同じ人はいない / 次世代に残したい / 楽天主義でも悲観主義でもなく
上記内容は本書刊行時のものです。