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古代ギリシアとスポーツ文化 渡部 憲一(著) - 高菅出版
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古代ギリシアとスポーツ文化 (コダイギリシアトスポーツブンカ) 新たなスポーツ像を求めて (アラタナスポーツゾウヲモトメテ)
原書: Ancient Greece and Sports Culture - inQuest of the New Image of sports

スポーツ・健康
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発行:高菅出版
A5判
縦216mm 横155mm 厚さ27mm
470ページ
上製
定価 5,500円+税
ISBN
978-4-901793-57-5   COPY
ISBN 13
9784901793575   COPY
ISBN 10h
4-901793-57-8   COPY
ISBN 10
4901793578   COPY
出版者記号
901793   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年10月
書店発売日
登録日
2012年10月10日
最終更新日
2012年10月17日
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紹介

 古代ギリシアのスポーツ文化への考察から、身体の自由を得る、また人間性の表現であるスポーツを説き、現代に生きる私たちがスポーツを通じて、自然や社会に文化的実践を行っていく、そのための権利保障までできる社会を築き上げるという人間の営みとしてのスポーツを示す。

目次

序章 古代ギリシアへの誘い
 古代ギリシアへの薫
 古代ギリシアと近代ヨーロッパ
 古代ギリシアの伝令とマラソン競技
 近代社会と「成果の競争」 他
第1章 華麗な跳躍『牡牛跳び』とタンブリング
 エーゲ海
 古代クレタ島の社会と文化
 古代クレタのスポーツ
 スポーツと超越性
 古代クレタの舞踏
 古代クレタのスポーツと女性
第2章 ホメロス世界とスポーツ
 トロヤを訪ねて
 英雄たちの徳
 ミュケナイのスポーツと近代
 ミュケナイから古代ギリシアへ 他
第3章 ポリス社会とスポーツ
 大洪水とデウカリオンの箱舟
 知と身体運動
 生理機能のモデル
 知の万華鏡
 運動を不可避とする身体 他
終章 新たなスポーツ像を求めて
 スポーツと自由・民主主義・平和・コミュニティー
 スポーツを学ぶ権利

 

前書きなど

 本書を脱稿し、スキーの余韻がまだ醒めやらぬ三月一一日、突然東日本は、地震に襲われた。次々と送られてくる津波の画面には言葉を失ってしまった。それからしばらくの間被災された方々が気掛かりで、身体が強張るのを覚えつつも、テレビの前から離れられなかった。被災された方々にはこころからのお見舞いを、そして不幸にして亡くなられた方々には、深い哀悼の意を捧げたい。
 
 これから東日本が立ち直る際、それぞれの地域に根ざした仕組みの上に人間性豊かな社会の創出に向うべきなのだが、それはそこで生活する人たちの要求を基礎にしつつ、経済と諸文化との秩序ある再起のことである。
 しかし、「人間的再起」に向けての取り組みは、なにも東日本だけの課題ではなく、日本全体に共通する新たな課題でもある。本書もまたスポーツの地平に目を据え文化的に充実した生活に相応しいスポーツの可能性を古代ギリシア世界から読み取ろうとするものである。

版元から一言

 豊富な文献と、これまでのギリシアとの交流の経験などからじっくりと熟成された著者のスポーツ思想史です。装幀もギリシアをイメージする装幀となり、流行という言葉からは遠いかもしれませんが、本をつくる楽しみを満喫できるものとなりました。スポーツというものがこれほど豊かな文化をもつものだと、そしてその人間の根底にある文化こそが、現在の私たちの自由と平和を謳歌する基礎となるのだと思わされました。
 秋の夜長にじっくりお読みいただければ幸いです。

著者プロフィール

渡部 憲一  (ワタナベ ケンイチ)  (

1938年 会津若松市生まれ 龍谷大学名誉教授 専攻スポーツ思想史、スポーツ文化史

上記内容は本書刊行時のものです。