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サトル・ボディのユング心理学 老松克博(著) - トランスビュー
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サトル・ボディのユング心理学

四六判
227ページ
上製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-901510-02-8
Cコード
C1011
教養 単行本 心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2001年9月
書店発売日
登録日
2011年6月29日
最終更新日
2011年6月29日
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紹介

 イメージの身体、サトル・ボディとどうつきあうか。拒食症をはじめとする様々な心身症、臓器移植をめぐる混乱、破壊的カルト問題はなぜ起こるのか。
 <見えないからだ>の魅力と危険を説き、心の全体性をとりもどす道筋を示す。

目次

第一章 生と死をめぐる混沌
見えない「からだ」/不壊のからだへの憧憬/歪むボディ・イメージ―拒食症の問題/奇妙な幻覚―セネストパチーの真実/臓器移植にまつわる心理学的問題/臨死体験と霊的なからだ/いわゆる破壊的カルトとサトル・ボディ


第二章 もうひとつのからだ
サトル・ボディと深層心理学/クンダリニーの覚醒/七つのチャクラ/タントリズムと性/煉丹術/錬金術


第三章 闇に歌う神―ユングのサトル・ボディ論(I)
ユングとヨーガの出会い/ユングのヨーガ論の発展/ユングのチャクラ論-ムーラーダーラとスヴァディシュターナ/ムーラーダーラとスヴァディシュターナのヴイジョン/もうひとつのヴィジョン


第四章 大蛇の舌―ユングのサトル・ボディ論(II)
マニプーラからアナーハタへ/アナーハタ・チャクラの「精神」の世界/アナーハタとマニプーラのヴィジョン/アナーハタ・チャクラの恐ろしさ/ヴィシュッダとアージュニャーのヴィジョン

第五章 サトル・ボディの諸相
中間領域としてのサトル・ボディ/共時性とウヌス・ムンドゥス/こころとからだの共時的関係/内なる知/永遠の癒し―ユング最後の夢/インタラクティヴな場におけるサトル・ボディ/真の癒しへのプロセス/底流として


第六章 時空人の心理学
こころの人格化機能/人格化されたサトル・ボディを探す/かぐや姫としてのアリサ/竹取物語/サトル・ボディとしてのかぐや姫/時空人と罪/結合の位相と別離の位相/アリサ再び


おわりに
翁の末裔/「死と再生」の「死と再生」―錬金術と十牛図の最終段階


あとがき




前書きなど

 サトル・ボディとは、いわば、イメージでできた身体だが、だからといって、恣意的な
ご都合主義の産物ではない。不思議なことに、一定の構造が備わっている。クンダリニー・
ヨーガにおけるチャクラ(エネルギー中枢)とナーディ(エネルギーの通路)、中国医学に
おける経穴と経絡などは、そうした精緻な体系の代表といってよい。その他、錬金術師が
追い求めた賢者の石や栄光の身体、煉丹術の目標とされた金剛身なども、結局はすべてこ
の類のものであり、ことごとく「こころとからだの中間領域」を指し示している。
 サトル・ボディは肉体とちがって不壊であり、古来、多くの宗教家たちが求めてやまな
かった解脱や救済と本質的に変わりがない。変わりはないが、困ったことに、それは両刃
の剣である。つまり、大いなる可能性を秘めている分、ふさわしい扱い方を知らなければ
危険きわまりない代物なのだ。この危険、宗教家以外には無縁ということであればよいけ
れども、残念ながらそうはいかない。今、サトル・ボディの荒々しい侵入ゆえと思われる
混乱が、社会のあちこちで急速に目につくようになってきているのである。
 たとえば、心身症の増加という現象がある。神経性食欲不振症(いわゆる拒食症)から
アトピー性皮膚炎、花粉症にいたるまで、心身症といってもいろいろあるけれど、いずれ
においても、こころとからだに共通な根っこのところで障害が生じている。これぞまさし
くサトル・ボディの領域ではないか。また、脳死をめぐる激しい議論や臨死体験への関心
の盛り上がりにも、この見えない身体、イメージでできた身体の無意識的な存在感が多大
な影響を与えていたようだ。
 そればかりではない。いわゆる破壊的カルトに多くの真摯な若者が求めた、あるいは今
なお求め続けている「超能力」というのもまた、肉体の限界を超えたサトル・ボディを扱
うための特別な訓練から派生するものなのである。
  答えを述べるだけの紙幅の余裕はないが、有用な示唆を与えてくれるもののひとつに、
C・G・ユングの深層心理学的サトル・ボディ論がある。とりわけ、アクティヴ・イマジ
ネーションという独自の技法の経験にもとづいた彼のクンダリニー・ヨーガ理解は、私た
ちがサトル・ボディに臨もうとする際に要求される姿勢を的確に教えてくれることだろう。

著者プロフィール

老松克博  (オイマツカツヒロ)  (

一九八四年,鳥取大学医学部卒業。一九九二~九五年,チューリッヒ・ユング研究所留学。現在,大阪大学大学院人間科学研究科助教授。ユング派分析家。臨床心理士。精神科医。医学博士。著訳書に,『アクティヴ・イマジネーション』(誠信書房,二〇〇〇),『スサノオ神話でよむ日本人』(講談社,一九九九),『漂泊する自我』(新曜社,一九九七),ファース『絵が語る秘密』(共訳,日本評論社,二〇〇一),アスパー『自己愛障害の臨床』(創元社,二〇〇一),ハナー『アクティヴ・イマジネーションの世界』(共訳,創元社,二〇〇〇),ノル『ユングという名の<神>』(新曜社,一九九九),バッハ『はその生涯を描く』(共訳,誠信書房,一九九八)など。(申すまでもなく,これは著者ではありません。

関連リンク

本の詳細
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上記内容は本書刊行時のものです。