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北海道音楽史
新装版
- 出版社在庫情報
- 在庫僅少
- 初版年月日
- 2001年9月
- 書店発売日
- 2001年9月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2014年4月1日
紹介
北海道において西洋(クラシック)音楽がどのように受け入れられ、この地に暮らす人々がどのようにかかわっていったかを丹念に辿る力作ノンフィクション。著者の自著である『北海道洋楽の歩み~ペリー来航から札響まで』(北海道新聞社、1989)を底本に、大幅増補改訂した著者渾身の大作です。
北海道での洋楽は、全国的な音楽教育の中での位置付けに加え、幕末からの開港場だった函館、お雇い外国人の多かった札幌など、他の都府県に見られない受け入れられ方がありました。著者はこれまで知られていなかった事実を紹介するとともに、これまで事実とされてきた誤りを正すことにも重点を置いています。
と同時に、西洋音楽に携わってきた北海道に暮らす人々の動きを記すことにも、多くの紙幅を割いているのも特徴です。それは、北海道における西洋音楽の歴史を切り開いてきた先人である、数々の演奏者たちへの著者の敬意の現われでもあるのです。
目次
【第1章 幕末】 洋楽来航/ロシアからの黒船/開国の前から/箱館戦争のラッパ
【第2章 明治】 函館の教会で/クラークの讃美歌/屯田兵のラッパ/軍楽隊来る/唱歌ハ当分之ヲ欠ク/メーソンの北海道旅行/専門家第1号になりそこねた男/音楽教育のいしずえ/セルギイの道内行脚/学校の音楽教育/学芸会始まる/各地に市中音楽会/運動会は華やかに/孤児院のミンストレル/巡回活動写真/都ぞ弥生/赤帽子の音楽隊/和洋混交の音楽会
【第3章 大正】 誠実の人/凾館にアポロ音楽会あり/無声映画の楽隊/道博と札幌音楽隊/時計台の鐘/日本一の道楽/レコード・コンサート始まる/北大に2つのオーケストラ/マンドリン合奏団の誕生/ハーモニカ熱/楽士のオーケストラ/広がるコーラス/来道した音楽家たち/楽器・楽譜の普及
【第4章 昭和・戦前】 ラジオ放送始まる/中島オーケストラと拓博管弦楽団/SMCオーケストラとホールアンサンブル/ピアノ・トリオとジャズ・バンド/対立続く北大オーケストラ/マンドリン盛んに/ハーモニカ全盛/ラッパ鼓隊の盛衰/無声映画からトーキーへ/来道した音楽家たち/新音楽連盟の輝き/札幌新交響楽団の誕生/各地のオーケストラ/吹奏楽に全道組織/合唱も盛んに/学校の音楽教育/東京に進出した道産子たち/レコード・コンサートは花盛り/札幌放送管弦楽団の発足
【第5章 昭和・戦後】 フィルハーモニーと札幌音楽院/放送管弦楽団と放送交響楽団/時代の落とし子-札幌青年管弦楽団/札幌芸術協会の発足/専門教育始まる/作曲・研究・出版活動起こる/再びの並立から統合へ―北大交響楽団/札幌オペラ研究会が盛んに/隆盛の一途―吹奏楽/万年青年たち―マンドリン/レベルは高く―ギター/生まれては消え―アマチュア・オーケストラ/新たな道を―ハーモニカ/広がる歌声―合唱/鑑賞団体の興隆/ホール建設ブーム/二期会とオペラ活動/音楽会相次ぐ/外来オーケストラ/音楽祭とセミナー/道産子音楽家の輩出/楽器別の団体も
【第6章 札響】 市民交響楽団として―プロ・アマ混成での誕生/荒谷時代の幕切れ/山岡時代はあったのか/ヨーロッパの響き―シュバルツを迎えて/レパートリーの拡大―岩城と尾高/秋山和慶と指揮者団-札響・その未来/札響の文化経済学(道新連載より)
【付表】 札響の出演料/札響に対する公費補助金/来道した外来オーケストラ一覧(1956~90)
【参考文献】 【主要事項索引】 【主要人名索引】
前書きなど
ここには、手に入った資料は能うかぎり盛り込んだ。かと言って関連の新聞記事や本から何もかも引用していてはあまりにも膨大になるため、ある程度の選択も必要になる。取捨選択に当たってはこれまで知られていなかったと思われることを紹介したり、誤り伝えられてきたと思われることがらに疑問を呈することに重点を置いた。そのほか自分が興味を引かれたことにも多くのスペースを割く結果となった。こうした事情のため、この本での分量の多寡が北海道道音楽史上で私が考えている重要度に必ずしも比例することとはなっていない。また引用はできるだけ第一次資料からとしたかったが、時間と労力をそこまで掛けられずに第二次資料からとったものもあり、それぞれの個所で記しておいた。また「洋楽の歩み」にもつけるべきだったろう索引も備えることができた。
版元から一言
長らく絶版だった前川氏の労作を新装版という形で復刊できました。すべては氏の尽力によるものですが、亜璃西社も微力ながらその活動をお手伝いできればと思っています。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。