版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
ステーキに恋して 沖縄のウシと牛肉の文化誌 平川宗隆(著/文) - ボーダーインク
....

ステーキに恋して 沖縄のウシと牛肉の文化誌

四六判
182ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-89982-274-5
Cコード
C0039
一般 単行本 民族・風習
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2015年3月
書店発売日
登録日
2015年4月6日
最終更新日
2015年4月6日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

牛は、いつ沖縄にやってきて、どんな歴史を歩み、どのように飼われ、どんなふうに肉になって
わたしたちに食べられているのか?

牛の伝来そして人間との生活史にはじまり、飼育農家、獣医師ら、牛にかかわる人々の取り組み、
生き物から食肉になる「屠畜・解体」の様子。戦後沖縄が歩んできたステーキ文化など、沖縄における「牛と牛肉」が総合的にわかる一冊。写真も多数収録。

目次

はじめに

第一章 沖縄の牛を知る

一、来歴
   1、我が国への牛の渡来
   2、沖縄への牛の来歴

 二、琉球王国時代の牛
   1、15世紀以降の肉食の実態
   2、牛への課税
   3、牛の屠殺制限

 三、明治・大正期の牛
   1、牛の飼養頭数     
   2、牛の飼養形態
   3、牛の商取引
   4、牛の改良

 四、昭和戦前期の牛
  1、牛の飼養頭数
  2、牛の飼養形態
  3、牛の改良 
  4、牛の県外出荷と家畜商の役割

 五、群島別政府期(1945年~1952年)の牛
  1、戦後初期の復興過程
  2、米軍向けの牛肉

 六、琉球政府期前半(1953年~1966年)の牛
  1、役肉用牛から肉用牛へ
  2、肉用牛の改良

 七、琉球政府期後半(1967年~1972年)の牛
  1、外国種の淘汰
  2、牛肉の三角貿易
  3、肉用牛振興特別措置法の制定
  4、肉用牛の品種改良
  5、肉質改善への取り組み
  6、セリ市場の開設
  7、検疫制度の改善

 八、本土復帰後の牛 
  1、肉用牛飼養頭数の増加
  2、肉用牛振興計画
  3、肉用牛の改良事業
  4、県産牛は県外出荷、県内消費は輸入牛肉

 九、平成以降(1989年~)の牛
  1、オウシマダニを根絶
  2、BSEが国内でも発生
  3、肉用牛生産供給公社の使命が終了
  4、県産和牛の評価上昇
  5、環太平洋連携協定(TPP)交渉の課題
  

第二章 牛と関わる人々

 一、養牛農家
 二、牛の人工授精師
 三、牛の削蹄師
 四、獣医師
 五、団体関連


第三章 牛から牛肉へ

 一、さまざまな検査を経て食肉へ
  1、安全性の徹底
  2、県産牛の屠畜検査

 二、価格と美味しさを決める格付

 三、各地の銘柄牛を味わう
  1、宮古牛
  2、伊江牛
  3、もとぶ牛
  4、石垣牛
 
 四、和気あいあいと楽しむ牛肉
  
第四章 老舗ステーキ店探訪

 一、ステーキレストランの出現   
 二、ステーキレストランの創設
 三、ステーキレストランの老舗
  1、還暦を迎えたジャッキーステーキハウス
  2、憧れのピザハウス
  3、外国資本のサムズグループが沖縄進出
  4、まだまだ現役・ハイウェイドライブインの
    シェフ
  5、沖縄初のドライブインレストラン、
    シーサイドドライブイン


コーヒーブレイク
 和牛の原種は口之島牛と見島牛
 見てきた見島牛 食べてきた見蘭牛 
 屋部のウシヤキ
 和牛とは何か
 銘柄牛(ブランド牛)とは
 黒島の牛まつり
 ブラジルのシュラスコと
  アルゼンチンのアサード

 あとがき
 主な参考文献

前書きなど

 子供から大人まで、男女を問わず大方の人たちが牛肉を好んで食べている。その料理のバリエーションは枚挙にいとまがない。牛汁、牛そば、牛丼、牛肉カレー、牛肉シチュー、スキヤキ、しゃぶしゃぶ、ステーキ、焼肉、バーベキュー、ローストビーフなどなど。
 このブームを反映するかのように、那覇市内や中南部ではステーキや焼肉店の看板やノボリが目につく。近年は石垣牛や本部牛などの銘柄牛のノボリも多くみられるようになってきた。
 このように「食べ物としての牛肉」は多くの人に好まれ知識も豊富であるが、こと生きた牛のことについてはほとんどの人が知らないのではないだろうか。
 そこで、この小著では大きく分けて、一つは畜産としての位置付けで「牛」について言及し、他の一つは食文化の面から「牛肉」をとらえることにした。
 ただし「牛」については、ここでは肉用牛に限定し、乳用牛や闘牛については別の機会に譲りたい。
 周知のとおり、沖縄と本土とは気候風土や風俗習慣が異なる。さらに牛の餌となる植生や農業副産物が異なることから、牛の飼い方や改良などについても本土とは異なるはずである。また、沖縄の食文化は歴史に翻弄されたその姿を反映するかのように、東南アジア、中国、日本、アメリカなどの影響が色濃く残っている。が、ここでは第二次大戦後、駐留軍により沖縄の食文化に多大な影響を与えたビーフステーキについて述べることとする。小著のタイトルを『ステーキに恋して』とした理由はそこにある。
 さて、筆者の東京での学生時代(1964年~1969年)、ステーキはビフテキと呼ばれ、その価格は目の玉が飛び出るほど高く、学生の分際ではとても口にすることはできない憧れの食べ物であった。だが、沖縄に帰省するとステーキが1ドルで食べられる時世であり、それが大きな楽しみでもあった。
 沖縄は本土復帰前はもちろんのこと復帰後も、良きにつけ悪しきにつけ基地や米国人との付き合いを余儀なくされてきた。ポークランチョンミート、ステーキ、バーベキューなどは沖縄の食文化に深く根を下ろしている。伝統的な沖縄料理であるゴーヤーチャンプルーや沖縄風味噌汁の具にもポークランチョンミートが入り込んでいる。ビーチパーティーには欠かせないバーベキューの牛肉は、主役として欠かすことのできないアイテムである。また、年々増加の一途をたどる観光客は滞在中、一度は専門店で名物ステーキを食べるようであり、専門店にバスを横付けする光景も見られる。
このように、今やステーキは沖縄独特の食文化として多くの県民や観光客にも受け入れられ、今後も伸び続けていくものと思われる。
 小著から、牛肉とその元になる牛のことをご理解いただければ望外の喜びである。

版元から一言

畜産行政での経験を生かした精力的な活動で、これまでヤギ、豚などの著作を書いてきた著者が、こんどはウシの本を上梓しました。歴史や食文化など、沖縄の牛を総合的に知ることのできる一冊だが、なかでも特筆すべきは「第四章 老舗ステーキ店探訪」。足で稼いだ取材によって、沖縄のステーキ店の発祥とその広がりを解明しています。

著者プロフィール

平川宗隆  (ヒラカワムネタカ)  (著/文

博士(学術)・獣医師・調理師・旅食人(がちまいたびんちゅ)。
昭和20年8月23日生まれ。
昭和44年日本獣医畜産大学獣医学科卒業。
平成6年琉球大学大学院法学研究科修士課程修了。
平成20年鹿児島大学大学院連合農学研究科後期博士課程修了。
昭和44年琉球政府厚生局採用、昭和47年国際協力事業団・青年海外協力隊員としてインド国へ派遣(2年間)。
昭和49年帰国後、沖縄県農林水産部畜産課、県立農業大学校、動物愛護センター所長、中央食肉衛生検査所々長等を歴任し、平成18年3月に定年退職。
現在は公益社団法人沖縄県獣医師会会長、㈱サン食品 参与。

〈著書〉
『沖縄トイレ世替わり』ボーダーインク 2000年
『今日もあまはいくまはい』ボーダーインク 2001年
『沖縄の山羊〈ヒージャー〉文化誌』ボーダーインク 2003年
『山羊の出番だ』(編著)沖縄山羊文化振興会 2004年
『豚国・おきなわ』那覇出版社 2005年
『沖縄でなぜヤギが愛されるのか』ボーダーインク 2009年
『Dr.平川の沖縄・アジア麺喰い紀行』楽園計画 2013年

上記内容は本書刊行時のものです。