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減反40年と日本の水田農業 荒幡 克己(著) - 農林統計出版
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減反40年と日本の水田農業

A5判
832ページ
上製
定価 7,600円+税
ISBN
978-4-89732-285-8
Cコード
C3033
専門 単行本 経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年2月
書店発売日
登録日
2013年12月18日
最終更新日
2015年9月10日
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受賞情報

日本農業経営学会学術賞(2014年度)

書評掲載情報

2014-04-27 読売新聞
評者: 濱田武士(漁業経済学者、東京海洋大学准教授)
2014-03-16 日本経済新聞

紹介

過去40年にわたって実施されてきた減反が、制度としての終焉を迎えようとしている。日本の農業だけでなく社会・経済に大きなインパクトを与えてきたこの政策について、本書は、経済学の見地から、多様なテーマごとに、その意味と影響を浮き彫りにする。

目次

序  章 1 本書の分析姿勢 2 本書の問題意識,課題と接近方法 3 各章の構成

第1章 減反40年と世界の稲作-日本稲作の競争力はどう変化したのか-
 第1節 日本稲作の高コスト構造 1 米生産費の国際比較 2 日本の米生産費の内部構造 3 「生産費減反率弾力性」の日米比較計量分析 4 論点整理:長期にわたる減反の競争力への影響
 第2節 単収の停滞 1 世界の稲作単収の推移と日本の地位 2 単収停滞の要因はどこにあるのか 3 単収停滞に減反はどのように影響したのか
 第3節 非価格競争力 1 産業内貿易が進む世界の米市場-GL指数による分析- 2 非価格競争力の計測-カルドアパラドックスの検証- 3 減反40年の非価格競争力へのインパクト
 第4節 減反40年と稲作研究開発-山形県農業試験場の事例― 1 米作日本一をめぐる高単収追及の時代 2 高単収と低コストの同時追求の時代 3 「はえぬき」,「どまんなか」,そして「つや姫」への取り組み 4 日本稲作の技術力は再び高単収を狙えるのか
 補論 「農業の競争力」をめぐる議論 1 「競争力」の定義と構成要素 2 「農業の競争力」に関する海外の議論 3 日本農業の競争力に関する過去の議論

第2章 減反40年と世界の農政-世界は農産物過剰に如何に対処したか-
 第1節 先進国農政の40年の潮流 1 先進国における「農産物過剰」発生の経済原理 2 戦後先進国農政の過剰対策の推移 3 先進国農政の近年の潮流を再考する
 第2節 先進各国の農産物生産調整 1 アメリカの農産物生産調整 2 ヨーロッパ(EU)の農産物生産調整 3 世界の農産物生産調整と比較した日本の減反の特徴
 第3節 米政策における保護の効率と負担 1 保護の負担―余剰分析― 2 保護の効率-STC分析-
 第4節 減反と政治:減反と高米価のポリシーミックスの政治選好 1 「減反の損失は米価で取り返せ」の政治圧力 2 減反政策下で価格引下げが断行できたのか:日米比較計量分析

第3章 土地利用としての減反40年―休耕田,稲単作からの脱却―
 第1節 休耕 1 休耕田の雑草繁茂度合い 2 休耕田のマクロ的把握 3 減反制度の中での休耕の位置づけ 4 休耕田発生のミクロ的な様相 5 休耕発生要因の推移と最近の動向
 第2節 畑地化等の地目転換 1 減反40年間の水田面積,地目転換の推移 2 畑地化をめぐる制度の変遷と畑地化の是非論 
 第3節 減反による作目構成の変化と産地形成 1 減反による作目構成の変化と野菜,果樹の産地形成 2 食料自給力との関係 3 麦,大豆,飼料作物等の土地利用型作物の振興
 第4節 減反と規模拡大-減反政策は,規模拡大をどの程度阻害したのか- 1 減反政策と規模拡大の相互関係概観 2 末端実効減反率から見た大規模層の減反引き受け 3 奨励金加算制度における規模拡大効果 4 規模拡大の減反制度への効果-農地流動化が,達成を楽にする効果-

第4章 減反目標「配分」の40年―傾斜配分か均等配分か―
 第1節 国から県への配分 1 減反率の推移と県別配分の傾斜度合い 2 県別配分をめぐる諸議論
 第2節 県から市町村への配分 1 県が行う市町村配分の定量分析 2 配分要素の変遷 3 市町村別配分会議の様相
 第3節 市町村から集落,生産者への配分 1 末端の配分の様相 2 配分経路-「集落一括配分」か「個人配分」か- 3 市町村から生産者への配分説明と集落座談会
 補論 傾斜配分の経済効果に関する定量分析

第5章 規制としての減反40年-未達成,ペナルティ-
 第1節 未達成の実態と配分上のペナルティ等各種の罰則 1 マクロで見た未達成の実績 2 未達成の発生過程と配分上のペナルティ等各種の罰則 3 未達成と補助事業執行停止等のミクロな事例分析
 第2節 稲の青刈りと減反実績の「現地確認事務」 1 青刈り:未達成予備軍という側面,罰則的強制執行としての側面 2 現地確認事務-現場の減反行政の一大イベント-
 第3節 未達成と配分上のペナルティ等各種の罰則の実相 1 昭和44年から昭和52年までの減反開始期 2 昭和53年から61年まで水田利用再編対策期 3 昭和62年からの平成4年までの水田農業確立対策期 4 平成5年から平成15年までの未達成増加期 5 平成16年から21年までの米政策改革期 6 小括-配分上のペナルティ等各種の罰則に関する考察-

第6章 減反の来し方と行く末-廃止の可能性-
 第1節 なぜ減反は始まったのか 1 過剰在庫の発生の定量分析 2 食管統制緩和過程での減反の登場
 第2節 減反はなぜ長期化したのか 1 長期化の理由その1:米価の高止まり 2 長期化の理由その2: 減反奨励金の先行引下げ
 第3節 選択制減反と参加メリットとしての直接支払 1 定量分析 2 選択制減反と直接支払のポリシーミックスの評価
 第4節 減反の円滑な廃止の可能性を探る 1 減反廃止後の米増産予測 2 減反廃止を円滑に進める手順
 第5節 減反廃止後の農政は展望が開けるのか 1 農政展望 2 水田農業ビジョン

終 章 結論 1 減反40年と世界の稲作 2 減反40年と世界の農政 3 減反40年と水田土地利用 4 減反配分の40年 5 規制としての減反と目標未達成,ペナルティ 6 減反政策の来し方と行く末

[付属資料] 1 デカップリング:degree of decouplingとデカップリングの思想 2 余剰分析,STC分析 3 選択制減反の参加率を予測する「参加誘導価格」の理論
総合文献リスト
索引

著者プロフィール

荒幡 克己  (アラハタ カツミ)  (

1954年埼玉県生まれ。1978年東京大学農学部卒。同年農林省入省。1996年岐阜大学農学部助教授、1999年同教授・農学博士、現在に至る。この間、2002-2003年アデレード大学経済学部客員研究員、2006年メリーランド大学農業政策研究センター客員研究員、2012年イリノイ大学農業経済学科客員研究員

上記内容は本書刊行時のものです。