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永遠の山地
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2003年11月
- 書店発売日
- 2003年11月10日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
山がどうして 学校なの?(中略)/足の裏でしっかり踏み確かめてごらん/心で山の窓を開けてごらん/そうすれば見つかるよ/山はそっと校門を開け/やさしい声で言うよ おはいり 子どもたちよ(本書「山は学校」より)
ワリスは、常に「タイヤル族」としての自己にこだわり続けて表現する。作家というよりも前に、村に生活の場をかまえた草の根運動家であろうとしているのだ。
目次
山は学校
みどりの葉っぱは木の耳/ずる休み/雨の中の紅い花/旅へ/欠落感/汕尾の子どもの下校/山は学校/母/縄/詩集/線路/黙思録/三代/最後の日本軍夫/終戦/烏来にて/大同にて/庚午霧社行/八雅鞍部を行/山霧/霧社
永遠の山地
大安渓/隘勇線/山への招待/山の洗礼/猟人/老狩人が死んで/サングラスをかけたムササビ/火をつけるヤギ
永遠の部落
外省人の父/一九九六年一月一日の命名/奪われた一日/故郷はどこ?/竹筒飯と地方記者/石碑に涙無し/ウルガの恋/夢の顔/虹の橋
受難の歴史
汚名を背負って/白の追憶/「白色」追憶録/ロシン・ワタン
荒野の呼び声
家は国家公園のなか/神話の殿堂/ 延々十年、故郷へ帰る道/目覚めへの路/太陽イナの故郷をめぐって/途方に暮れる?
【解説】 ワリス・ノカンが綴る近現代史 小林岳二
前書きなど
ワリスは、常にタイヤルとしての自己にこだわり続けている。そして原住民族は、自らの生活環境を守り続けなければ存続できないということを心に深く刻み込んでいるのである。ワリスは、作家というよりも前に、村に生活の場をかまえた草の根運動家であろうとしているのだ。
1994年、ワリスは豊原市を離れて、故郷ミフ村に戻り、自由国民小学校で教鞭をとることになる。中学校を卒業して以来、故郷を離れて暮らしたワリス、彼がタイヤルとしての、そして原住民族としての自己を発見し、自分が住む村の発展に尽くさなければならないと自覚していく過程、それは現在、自分の生まれ育った村に戻り、活躍している多くの原住民族知識青年が歩んできた道でもある。
ワリスにとっての大きな試練、それは1999年の九二一大地震であった。ミフ村も大きな被害を受け、ワリスは現在も仮設住宅で暮らしている。ワリスは、地震の困難を乗り越え、村人と村の再建に取り組んだ。そして、現在においても、タイヤルの歴史や文化の研究に取り組み、精力的に新聞紙上や雑誌に文学作品や評論を発表している。
山がどうして 学校なの?(中略)/足の裏でしっかり踏み確かめてごらん/心で山の窓を開けてごらん/そうすれば見つかるよ/山はそっと校門を開け/やさしい声で言うよ おはいり 子どもたちよ(本書「山は学校」より)
ワリスは、常に「タイヤル族」としての自己にこだわり続けて表現する。作家というよりも前に、村に生活の場をかまえた草の根運動家であろうとしているのだ。
版元から一言
故郷の村こそ、わが原点/原住民族の文化工作者として
上記内容は本書刊行時のものです。