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マイノリティを旅する
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 1998年11月
- 書店発売日
- 1998年11月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
少数者の共生社会を模索―――
東大闘争後、国外に飛び出して出会った北アイルランド紛争を原点として、世界のマイノリティを訪ね歩く。アムネスティ運動、アジアキリスト教協議会スタッフとしてアジア民衆の人権闘争を支援。本書は、志半ばで倒れた「いまだ終わらぬ闘い」の貴重な記録である。
目次
序章 旅の軌跡
第一章 民族解放とナショナリズム――アイルランド
1 「幻の軍隊」IRAの実像
2 アイルランドの民族間題
3 デリー血の日曜日一周年集会に参加して
4 イギリスの「内なるアイルランド」
5 アイルランド、その後
第二章 アジアのマイノリティを訪ねて――アジア
1 オークランドでのマイノリティの集い
2 マオリの誇り(ニュージーランド[アオテアロア]/マオリ)
3 小さな民のエコロジー(オーストラリア/アポリジニー)
4 ダムをぶっつぶせ(フィリピン/イゴロット)
5 モロの闘い(フィリピン/イスラム教徒)
6 スケープゴート(インドネシア/華人)
7 小さな畠の大きな戦争(東チモール)
8 よその土地で(スリランカ/インディアン・タミル)
9 イーラム建国をめざして(スリランカ/タミル)
10 自立と意識化を(インド/アディヴアシ)
11 解放を求めて(インド/ダリツト)
12 補論・アジアのマイノリティ
第三章 ナショナリズム・人権から共生社会へ
1 ナショナリズムと人権の接点
2 共生社会論
3 隣人理解教育のすすめ
●旅のエピソード●1,バングラデシュ救援募金 2,車中での盗難 3,フリージャーナリスト・ピーター4,アジアでのバス旅行 5,ミンダナオヘの旅 6,フィリピン人アマー 7,タミルの知識人、シーラン8,「シク・ファン・ラ」9,ソウルでのアパート探し 10,韓国の学生活動家のアピール 11,カッタオルケ
前書きなど
1960年代末の「全共闘」世代として、経済・社会の体制化を批判して闘い、その闘いに敗れ、敗れた心の傷を負って日本を飛び出し、底辺の人たちとの出会いを求めて、あちらこちらを歩み、学んだその過程を記したのが本書である。そして最後は韓国の「とりこ」となり、延世大学に学び、その志半ばで倒れた。この世代の苦闘と苦悶とその解決への歩みを率直に語った貴重な記録である。広く読まれんことを期待する。隅谷三喜男(キリスト教アジア資料センター理事長)
蔵田さんの闘いは終わってはいなかった。蔵田雅彦さんは徹底して底辺から、辺境から、ものを見ていく姿勢を追い求めて、壮絶な闘いをしてきた人だ。これから、という矢先に病に倒れてしまった。しかし、この遺稿のなかには、まだ伝わっていない蔵田さんの思いが存分に書かれている。若き頃、アイルランドを訪ねた旅の記録、アジアのマイノリティを訪ねた旅の記録は、新鮮で感動的である。まだ終わらなぬ闘いが語られている。私の歩みの中にも、蔵田さんの刻印がはっきりと押されていることが、この著作から分かってきた。村井吉敬(上智大学教員)
上記内容は本書刊行時のものです。