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出版者情報
超ウルトラ原発子ども
ゲンパツは止められるよ
- 初版年月日
- 1989年10月
- 書店発売日
- 1989年10月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2012年3月14日
紹介
原発のしくみ・背景・恐ろしさを読み解く「原発Q&A」をはじめ、日本各地で脱原発を目指す友人・知人の活動をレポートするなど、同世代の熱いメッセージを伝える。朝日新聞書評で赤木かん子氏が絶賛!
目次
はじめまして原発 すこし長いまえがき
著者紹介
はじめまして原発
「原発に賛成する」
おとなの意見は聞くものです
1.笑える
前書きなど
●ワタシが原発を止めたいワケ
けれど、ワタシはこの1年ですごくびっくりしておもしろいと思ってることがある。それがこの本をつくろうと思った最初のきっかけだけど。それは、子どもだ。子どもったって小学生から10代後半までいろいろだけど。とにかく反原発のデモには、パンク子ども、小学生、中学生、いろんな子が自分の意志でやってきてる。あちこちで、10代の子たちの集まりがあったり、もっと小さい子どもの署名があったり。みんな原発のことを考えはじめて、外に出て自分で何か始めたり、集まりに出かけて、いろんな人に出会えて、学校の中では見つからなかった友だちに出会ってる。
原発事故が起きて、何十年後かに自分がガンになるかもしれない。今、食べてる食べものに放射線が入ってるなんてイヤだ。ワタシはとってもコワイ。だけど、それだけじゃない。今、原発がワタシに直接被害を与えてなかったとしても、原発を止めたいワケがある。
そのわけは、ワタシが学校で感じた苦しさと、原発が同じなんじゃないかということ。
学校はひとりひとりが大切にされるところじゃない。全体の中でみんなに合わせてうまくやるところ。要領がよく、合理的にものごとを考えたり、わりきれたりする子には楽しい思いができる。けれど、能率の悪い、テンポのトロい子、人とちょっと変わった子は苦しい思いをする。
原発だって同じことがいえる。
原発が建って、電気がつくられても、みんなが楽しい思いをするワケじゃない。人口が少なく仕事もあまりないような土地に原発が建つ。そこに住む人たちは、事故が起こらなくても放射能の被害を受ける。そこに住む動物も草も。そして、原発の原子炉で働く日雇いのおじさんたちは、そこで働いただけで確実に被曝する。
やっぱり原発も学校もひとりひとりが大切にされてるんじゃないんだ、と思う。
●本当に考えはじめた子がでてきてる
世の中全体が、本当に大事なものを見失ってる。「心の話」なんてすれば新興宗教がらみだと思う人たち。具体的な理由なくたくさんの子どもが殺されたり、政治は金のからんだ汚いもの、なんて当たり前のことと思ってる。
だけど、ワタシが出かけた反原発の集会や祭で出会った子ども(大人もね)は、少しちがった。
生きることを真剣に考えて、自分らしく自然に生きたいと思ってる。それを特別にじゃなくゴハン食べるのと同じように当たり前にね。こんな世の中で、本当に考え始めている子が出てきてるってことだ。
そのことを、知って欲しい。原発がいらないと思ってる人にも、必要だと思ってる人にも、よくわからない人にも。そう思ってこの本をつくったんだ。
どうぞ、このまま、読みすすめていってくれ。そうすると、すごく、うれしい。
上記内容は本書刊行時のものです。