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我らの時代のための哲学史
トーマス・クーン/冷戦保守思想としてのパラダイム論
原書: THOMAS KUHN
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2009年12月
- 書店発売日
- 2009年12月28日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2017年11月13日
書評掲載情報
2010-03-07 | 読売新聞 |
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紹介
■ギリシャ以来の西洋哲学の総決算。学問することの意味を問いかけ、現代の知的生産の在りようを批判した問題作。■クーンが戦後の代表的な保守思想家だったという本書の議論は、天地をひっくり返すような主張であろう。クーンの議論を科学革命に着目するかパラダイムに着目するかで、正反対の解釈を与え得るのである。■大きな影響を受けたのは、人文・社会科学の分野だった。パラダイム論はそこでは、旧来の伝統的な考え方を転覆するために大歓迎された。そして事実、多くの理論的な貢献が産み出された。■人文・社会科学は、既存の価値を批判的に吟味することを本領とするはずだ。にもかかわらず、自然科学を真似て、研究者が共有するパラダイムにこだわることは、本末転倒ではないか。パラダイムは、批判を受け付けない理論の枠組みとして構想されたのだ。生来イデオロギー的性格を持つべき分野の場合、批判を受けることがないパラダイムを前提とすることは、自殺行為になりかねない。
目次
まえがき トーマス・クーンと時代をともにして
序章
第1章 プラトンからNATOまでの巡礼
第2章 科学魂のための科学者最後の闘争
第3章 コナント時代の科学のイメージの政治学
第4章 コナントの教育戦略からクーンの研究戦略へ
第5章 クーンは意図せずにいかにして急進的未来から社会科学を救済したか
第6章 十分には失われなかった世界
第7章 儀式化された政治的不能としてのクーン化
第8章 結論
前書きなど
■クーンが戦後の代表的な保守思想家だったという本書の議論は、天地をひっくり返すような主張であろう。クーンの議論を科学革命に着目するかパラダイムに着目するかで、正反対の解釈を与え得るのである。■大きな影響を受けたのは、人文・社会科学の分野だった。パラダイム論はそこでは、旧来の伝統的な考え方を転覆するために大歓迎された。そして事実、多くの理論的な貢献が産み出された。■人文・社会科学は、既存の価値を批判的に吟味することを本領とするはずだ。にもかかわらず、自然科学を真似て、研究者が共有するパラダイムにこだわることは、本末転倒ではないか。パラダイムは、批判を受け付けない理論の枠組みとして構想されたのだ。生来イデオロギー的性格を持つべき分野の場合、批判を受けることがないパラダイムを前提とすることは、自殺行為になりかねない。(監訳者あとがき、より)
上記内容は本書刊行時のものです。