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放射線はなぜわかりにくいのか 名取春彦(著) - あっぷる出版社
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放射線はなぜわかりにくいのか

四六判
縦188mm 横128mm 厚さ21mm
重さ 350g
384ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-87177-322-5
Cコード
C0047
一般 単行本 医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年12月
書店発売日
登録日
2013年12月27日
最終更新日
2015年5月28日
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目次

序章11
原発事故にじっとしていられない3 フクシマの少女の言葉6 少しの放射線は心配しなくてもよいのか危険なのか7 本書がめざすもの9

第1章 フクシマにおける放射線の誤解と混乱
1 避難住民の被曝線量が測定されなかった22
2 安定よう素剤が配布されなかった25
3 「ただちに健康への影響はない」28
4 意味のない数値に振り回される30
5 「少しの放射線も危険だ」の言葉に苦しめられる33
6 被災者が除染活動に振り回される34
7 放射線はなぜわかりにくいのか39
第2章 放射線とはなにか
1 用語のおさらい44
2 放射線とは電離放射線のことである47
3 機械でつくられる放射線50
4 放射性物質から放出される放射線52
5 崩壊の頻度と半減期56
6 放射線のエネルギーとは57
7 放射線は種類によって性質がバラバラ59
8 紫外線やその他の電磁波の生体への影響64
9 放射線に使われる単位65

第3章 放射線は人類の幸せにいかに貢献してきたか
1 放射線診断73
X線診断の誕生からマモグラフィーまで73 コンピューター・トモグラフィー(CT)の登場74 血管造影とインターベンション77
2 がんの放射線治療79
ラジウムが子宮がんの女性を救った79 外部照射はコバルトから81 非密封線源治療82 中性子捕捉療法と放射線治療への期待83
3 核医学84
核医学とは84 核医学検査の活躍85 PET診断89
4 放射線の医療以外での利用91
ライフサイエンス研究に放射性物質は欠かせない91 放射線はさまざまな分野で利用されている94

第4章 放射線が人体へ与える影響その1
1 人体影響の最初の過程99
DNAの損傷とその修復99 細胞死、変異細胞、ガン細胞101 放射線生物学的は細胞死を指標にしてきた102 放射線によるDNA以外の変化107
2 放射線の急性障害110
全身被曝における死亡原因110 皮膚の急性反応112 被曝の影響が後から現れるのはなぜか113
3 放射線による臓器の障害115
細胞死では説明がつかない115 慢性障害は傷跡だとする説117 血管障害説118 神経組織の障害119
4 放射線の分割効果と線量率効果120
分割効果121 線量率効果126

第5章 放射線が人体へ与える影響その2
1 放射線の晩発障害とは130
2 放射線による遺伝子変異131
3 放射線はガンを増やす133
放射線発がんが最もよく調べられてきた133 細胞がガン化するまで136 ガンが発症するまでの過程138発がんのシナリオはもっと複雑だ139 被曝するとガンになるというのは本当か143 放射線は複合要因の小さな一つ144
3 生まれてくる子どもへの影響150
常に曖昧な説明がされてきた領域150 奇形と先天異常152 妊娠までの被曝の影響156 妊娠中の被曝の影響160 動物実験から得られる知見163 先天性の障害をどう見るか168
4 世代を超えた影響と遺伝病171
遺伝病とは171 遺伝的影響のリスク評価の難しさと問題点176 公正な調査が求められる183

第6章 内部被曝とは
1 内部被爆の特殊性188
アラファトの死のミステリーと内部被曝188 外部被曝との違い190 トロトラストによる肝臓がんとホットパーティクル193
2 バセドウ病の放射性よう素治療で甲状腺発がんのリスクはないのか195
3 放射性セシウムは危険なのか199
放射性セシウムとは199 タリウムシンチグラフィーの全身画像を参考にするなら201 カリウム40からの自然被曝を考えれば202 チェルノブイリの健康被害を訴える研究者たち203 内部被曝の鍵はトラップにある206
4 本当に恐いのは208
ストロンチウム90 209 プルトニウム239 212
5 トリチウムによる内部被曝214

第7章 確定的影響と確率的影響
1 これは分類ではなく単なる形容224
2 確率的影響という言葉の危うさ228
3 確率は容易ににごまかせる231

第8章 放射線から身を守るには
1 放射線から身を守る三原則238
①発生源から離れる(距離)239 ②発生源を遮蔽する(遮蔽)240 ③被曝時間を短くする(時間)241
2 放射性物質が飛散する場合241
①知る242 ②被う(閉じ込める)243 ③逃げる244 ④吸わない飲まない触れない244
3 安定よう素剤では住民を守れない246
安定よう素剤とは246 役所で厳重に保管すべきものなのか247 日本には昆布がある249 甲状腺の被曝予防に何グラムの昆布が必要か251 安定よう素と放射性よう素は競合すると考えるだけでよい253 原発事故では長期の予防が必要になる255
4 他の放射性物質に対してはうまい予防方法がない257
5 被曝してしまった後の治療259
放射線腸障害への対処259 骨髄障害に対して261 放射線による下痢のメカニズム262 味噌の効果は264 放射性物質を摂取してしまったときなどの対処266

第9章 放射線防護の社会的枠組み
1 ICRP(国際放射線防護委員会)とはどのような機関か271
ICRPの前身271 ICRPの誕生とその性格272 国も学者も、反原発団体までもがICRPに依存する274
2 放射線防護に関する国際的枠組み275
3 行為の正当化、防護の最適化279
行為の正当化279 防護の最適化282
4 公衆被曝と職業被曝の基準値283
平常時の職業被曝の個人線量限度283 平常時の公衆被曝の個人線量限度285 緊急時、および現存被曝状況における基準値287
5 自然放射線からの被曝と医療被曝289
自然放射線による被曝290 放射線診断における被曝の問題294 よう素125の永久刺入による治療296 非密封放射線源に関連する問題297 介助者などの被曝と人体実験ボランティアの被曝298
6 内部被曝への対応300
被曝線量だけでは何もわからない300 内部被曝のリスク評価に関る問題302 結局、内部被曝を意味のない数値で規制する305

第10章 放射線の単位変更の謎
1 あまりにも強引な変更310
2 照射線量の廃止と「空間線量率」という言葉の混乱314
3 「空間線量」と被曝線量の混同318
4 シーベルトという単位が意味するもの321
等価線量322 実効線量326 実用線量331
5 公的記録にはシーベルトを使うべきでない333

第11章 少しの放射線は、危険なのか心配ないのか
1 低線量被曝とLNT仮説339
LNT仮説とは339 ICRPは一貫してLNT仮説を採用してきた342
2 LNT仮説に並ぶ別の考え方344
しきい値ありモデル344 超線形モデル345 放射線ホルミシス348
3 国際機関の立場350
4 ICRPがLNT仮説を採用していなければならない理由353
5 フクシマの状況をどう考えるか356
国際機関はどのように見ているか356 放射線防護は個別に360 放射線が一番よくわかっている362 何を信じればよいのか364

終章367
病気に対する抵抗力と被曝による健康被害369 なぜ住民は政府の説明に納得できないのか375

著者プロフィール

名取春彦  (ナトリハルヒコ)  (

1949年東京生まれ。東北大学大学院医学研究科博士課程修了。癌研付属病院、東北大学医学部、メモリアルスローン・ケタリング癌センターを経て、1989年から獨協大学放射線科に勤務。著書に『インフォームド・コンセントは患者を救わない』『こんな放射線科はもういらない』(洋泉社)、『ヴィーナス・コンプレックス』(マガジンハウス)、『健康不安と過剰医療の時代』(共著、長崎出版)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。