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小説集 蔦屋重三郎の時代 吉川 英治(著/文) - 作品社
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小説集 蔦屋重三郎の時代 (ショウセツシュウツタヤジュウザブロウノジダイ)

文芸
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発行:作品社
四六判
248ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-86793-056-4   COPY
ISBN 13
9784867930564   COPY
ISBN 10h
4-86793-056-3   COPY
ISBN 10
4867930563   COPY
出版者記号
86793   COPY
Cコード
C0093  
0:一般 0:単行本 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年12月
書店発売日
登録日
2024年9月27日
最終更新日
2024年11月29日
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書評掲載情報

2025-03-14 図書新聞  2025年3月22日号
評者: 柳澤宏美(学芸員、書評家)
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紹介

鶴屋南北、喜多川歌麿、葛飾北斎、曲亭馬琴、山東京伝、十返舎一九……。名手四人の小説と関連作品の図版で、2025年NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の時代をより深く知る!


 版元蔦屋重三郎がある日銀座の京伝の住居(すまい)をさも忙(せわ)しそうに訪れた。
「おおこれは耕書堂(こうしょどう)さん」
「お互いひどい目に逢いましたなア」
 蔦屋は哄然(こうぜん)と笑ったものである。(…)
「身上半減でこの蔦屋もこれ迄(まで)のようにはゆきませんが、しかしこのまま廃(すた)れてしまっては商売冥利(みょうり)死んでも死なれません。そこでご相談に上りましたが、今年もいよいよ歳暮(くれ)に逼(せま)り新年(はる)の仕度(したく)を致さねばならず、ついては洵(まこと)に申し兼(か)ねますが、お上のお達しに逆らわない範囲で草双紙をお書き下さるまいか」
 余儀ない様子に頼んだものである。――国枝史郎「戯作者」より

目次

吉川英治「大岡越前」(抄録)
邦枝完二『江戸名人伝』より「鶴屋南北」「喜多川歌麿」「葛飾北斎」「曲亭馬琴」
国枝史郎「戯作者」「北斎と幽霊」
永井荷風「散柳窓夕栄(ちるやなぎまどのゆうばえ)」(抄録)

著者プロフィール

吉川 英治  (ヨシカワ エイジ)  (著/文

(よしかわ・えいじ)1892~1962
神奈川県久良岐郡(現・横浜市中区)生まれ。十代から文学を志し、1910年に上京。さまざまな職を転々としながら雑誌投稿を続け、次第に認められる。1923年の関東大震災後に作家として立ち、1926年『鳴門秘帖』で大きな人気を博す。1935~39年「朝日新聞」連載の『宮本武蔵』は衆知の通り時代小説を代表する作品である。敗戦の衝撃で一時筆を絶った時期もあるが、戦後も『新・平家物語』『私本太平記』などの大作を含む多くの作品を書き続け、国民作家と呼ばれた。戦時中に疎開し9年半住んだ東京都青梅市に吉川英治記念館がある。

邦枝 完二  (クニエダ カンジ)  (著/文

(くにえだ・かんじ)1892~1956
東京市の現・千代田区麴町生まれ。少年時代から江戸文化に親しみ、慶應義塾大学で永井荷風の薫陶を受ける。「三田文学」に執筆、編集にも携わるが、大学は中退。新聞記者などを経て作家に専念。主に江戸を舞台とした官能的・情緒的な大衆小説作家として知られ、広く活躍した。代表作『東洲斎写楽』『歌麿をめぐる女達』『おせん』『お伝地獄』などのほか、江戸の絵師や役者を描いた作品は数多い。長女は映画女優のちエッセイストの木村梢(1926~2019)。

国枝 史郎  (クニエダ シロウ)  (著/文

(くにえだ・しろう)1887~1943
長野県諏訪郡(現・茅野市)生まれ。早稲田大学英文科中退。大正末期から昭和初期にかけての時代伝奇作家であるほか、劇作家、風俗作家、歌人でもある。ミステリー作家としては、昭和初年代、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作らが寄稿していた雑誌「探偵趣味」や、「サンデー毎日」を舞台に活躍。主著に『神州纐纈城』など。未知谷から『国枝史郎伝奇全集』(全6巻、補巻1)が、作品社から『国枝史郎探偵小説全集』『国枝史郎歴史小説傑作選』『国枝史郎伝奇短篇小説集成』(全二巻)『国枝史郎伝奇浪漫小説集成』『国枝史郎伝奇風俗/怪奇小説集成』が刊行されている。

永井 荷風  (ナガイ カフウ)  (著/文

(ながい・かふう)1879-1959
東京市の現・文京区小石川生まれ。官僚のち実業家の父・久一郎の長男で、早くから江戸・東京の落語、歌舞伎、戯作などに親しむ。文学を志し、広津柳浪に師事して作家活動を始めるが、父の意向で実業を学ぶため1903年からアメリカ、フランスに渡る。帰国後その体験をもとに『あめりか物語』『ふらんす物語』を上梓、注目を集める。実業家となることなく、1910年慶應義塾大学の教授に就任、「三田文学」を創刊。1916年に大学を辞してからは、『濹東綺譚』をはじめとする作品のみならず、実生活も江戸戯作者のごときであった。そのさまは1917年以降の日記『断腸亭日乗』に詳しい。

上記内容は本書刊行時のものです。