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在日の投影する1970 年代のヨーロッパ 王 清一(編) - えにし書房
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在日の投影する1970 年代のヨーロッパ (ザイニチノトウエイスルセンキュウヒャクナナジュウネンダイノヨーロッパ) 王清一自伝 旅編①ヨーロッパ (ワンチョンイルジデン タビヘン イチ ヨーロッパ)

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発行:えにし書房
B5判
並製
価格 3,500円+税
ISBN
978-4-86722-103-7   COPY
ISBN 13
9784867221037   COPY
ISBN 10h
4-86722-103-1   COPY
ISBN 10
4867221031   COPY
出版者記号
86722   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年7月1日
書店発売日
登録日
2021年6月18日
最終更新日
2021年7月15日
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紹介

日本人海外旅行ブーム時、在日コリアンが見た1970年代のヨーロッパ。
在日の生活史を伝える貴重な記録!

1975年 ヨーロッパ旅行、そしてアメリカへ
【ノルウェー・デンマーク・スウェーデン・イギリス・フランス・スペイン・アメリカ】

1977年 妻和子とヨーロッパ旅
【イギリス・フランス・オランダ・東ドイツ・西ドイツ・オーストリア・スイス・イタリア・スペイン】

前書きなど

まえがき

 未知なる世界への好奇心、珍しいものへの憧憬は、旅への欲望をかきたてる。1960年代に入り、高度経済成長に伴って外貨制限も大幅に緩和されると、日本交通公社(JTB)は、パッケージツアーの商品化を整えていた。いわば、日本人の海外観光渡航が自由化になる1964年を迎えての準備であった。学びや観光を目的としたこの時期の海外渡航自由化は、いわば第2の開国といわれている。第1次海外旅行ブームと言われる1965年は、航空運賃の高額により旅行費用も高価であったが、海外に強い憧れを抱いた時期であった。その後、航空機の発達に伴う運賃の低廉化によって海外旅行は急速に大衆化していた。
 1969年に、団体客に大幅な割引を行う「バルク運賃bulk fare」が航空券に導入され、また、1970年にはジャンボジェット機が羽田(東京)・ホノルル(ハワイ)間に就航し、1971年頃に第2次海外旅行ブームを起こした。ジャンボ機の登場で高額な旅行代金が大幅に引き下げられ、海外旅行が多くの人にとって現実的になり始めた。海外旅行の門戸が少しずつ広げられ、1969年~1973年の4年間で4倍以上となる223万人に拡大した。ジャンボ機はそのスケールの大きさで旅客を魅了し、当時は、機内で写真を撮り歩き、収拾がつかなくなることも珍しくなかったという。
 本書では海外旅行ブームの最中、京都生まれ京都育ちの在日韓国人2世の王清一(王本清一)の1975年と1977年のヨーロッパ・アメリカを歩いた2つの旅の物語が時系列的動線で浮き彫りにされている。2つとも当時のJTBの「パッケージツアー(JLOOK・Jレック)」である。1975年のヨーロッパ旅行は、王清一の関西学院大学の恩師(時武英男)のアメリカボストンでの留学に先立って、ヨーロッパを先回りし、洋風生活に馴染む旅に同行した足取りである。ヨーロッパを回り、ニューヨークまで同行し、その後、ロス、ハワイを回って帰国した。
 その2年後の1977年の旅は、新婚旅行を兼ねて妻を同行し、再度ヨーロッパを訪れた足取りである。当時のすべての痕跡を時系列に挙げている。現地での写真、現地からの家族への便り、各地の乗り物のチケット、ホテルの領収書、様々な物のラベル等々見て感じて触れたもの―当時の旅行を一緒に楽しみ、人によっては思い出を共感できるようにと―そのすべてをあえて取り上げた。お土産やヨーロッパのコインや切手などを付け加えた。それらは、旅の主人公の趣味の1つとし多くのコレクションの一部でもある。
 本書は70年代後半の日本人海外旅行の断片である。旅の先々で受けた感性の中に、在日としてのまなざしが投影され、「在日史」の貴重な一足としても位置づけられるだろう。多くの画像を素敵なフレームに収めていただいたえにし書房に感謝する。

 2021年6月  編者

著者プロフィール

王 清一  (ワン チョンイル)  (

1941年生まれ。在日韓国人2世。関西学院大学法学部卒(1965)。ソウル大学経営大学院修士課程入学。修学中に帰京し父の起こした「三越土地株式会社」の取締役専務に就任(1975)、2006年に社長に就任、2021年7月1日付代表取締役会長として現在に至る。
会社経営の傍ら、在日韓国民団事業に様々な役柄で関わる。東国大学校王利鎬日本学研究所理事長(1979~現在)。東国大学校名誉文学博士(1996年)。学校法人京都国際学園理事長(1996~2001、現在常任顧問)。日本京都ユネスコ協会理事(1996~現在)。大韓民国民団京都府地方本部団長(2009~2015、現在本部常任顧問)。民主平和統一諮問委員会委員(1995~現在)。王芸際美術館館長(2019~現在)。長らく日韓朝を中心に米中ロなど文化・学術・芸術交流を企画・主宰。王清一編『在日・韓国朝鮮人文化と日本の国際化』(新幹社、2005)。韓国伝統芸術に造詣が深く、特に伝統舞踊もたしなみ、パンソリの名唱でもある。
韓国KBS賞(奉仕賞)受賞(2015)。張保皐賞文化賞受賞(2021)。大韓民国国民勲章勲2等牡丹章受賞(2021)など受賞歴多数。

朴 美貞  (パク ミジョン)  (

1963年韓国生まれ。表象文化論・植民地問題。同志社大学大学院博士課程修了。芸術学博士(2005)。立命館大学客員研究員(2006-09)。国際日本文化研究センター研究員(2009-2015)。京都大学講師(2013-18)。アジア人文社会科学研究所所長(2016-現在)。立命館大学講師(2018-現在)。著書『帝国支配と朝鮮表象―朝鮮写真絵葉書と帝展入選作にみる植民地イメージの伝播』(日文研叢書第52集、2014)。編著『日本帝国の表象―生成・記憶・継承』(えにし書房、2016)。訳書『紅山文化と檀君史話-韓民族の起源を求めて』(えにし書房、2019)。主な論文に「朝鮮伝統美術工芸の近代的歩み」(『岸文和先生退職記念論文集』同志社大学文化学会、文化学年報第69、2020)、「田辺孝次と朝鮮美術工芸」(公財)鹿島美術財団、鹿島美術研究33号、2016)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。