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湯浅譲二の音楽
原書: The Music of Joji Yuasa
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年9月20日
- 書店発売日
- 2019年9月10日
- 登録日
- 2019年7月29日
- 最終更新日
- 2019年10月4日
書評掲載情報
2019-12-01 | 読売新聞 朝刊 |
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紹介
未踏の地をめざす現代性と、
古典への遙かなまなざしと。
日本作曲界最後の巨匠の活動を一望する。
デビュー作《2つのパストラール》(1952)、
実験工房での武満徹らとの活動、
禅とサルトルへの傾倒、
さまざまな「プロジェクション(投企)」、
電子音楽への取り組み、
芭蕉、世阿彌ら日本の伝統的な美学への憧憬、
そして21世紀の作品群へ──
西洋音楽を基盤につねに未聴の前衛性をめざしながら、
日本古来の美意識につらなる者としての自覚を作品に刻みつづけてきた
日本作曲界最後の巨匠、湯浅譲二。
本書は、1980年代からその活動に着目し、作曲家本人と親しく交流しながら、
研究を続けてきたイタリア人音楽学者によって書かれ、
緻密で徹底的な分析と、作曲家への敬愛にもとづくあたたかなまなざしが同居した、
唯一無二の伝記的研究書となっている。
日本版では、湯浅の幼少時から近年にいたる活動や交流を示す写真や、
そのユニークな作曲過程を示す自筆のグラフなどの写真を独自に掲載。
訳者による詳細な年譜と作品目録も付した。
湯浅譲二90歳記念出版!
目次
日本語版に寄せて
序
第一章 デビュー
1.1 初期の作品
1.2 知への目覚めと実験工房
1.3 (可不可)収斂Ⅰ──主体性探求における禅とサルトル
1.4 《七人の奏者のためのプロジェクションズ》
1.5 (可不可)収斂Ⅱ──禅とフランス音楽からの影響
1.6 《内触覚的宇宙》
第二章 “プロジェクト”の確立
2.1 個々のプロジェクト、社会、ジョン・ケージ
2.2 《相即相入》
2.3 そのほかの作品と伝統楽器を用いた創作
2.4 電子音楽
第三章 時間
3.1 日本的な時間概念
3.2 プロジェクションと時間
3.3 ヴェーベルンの時間と空間、そして間
3.4 《弦楽四重奏のためのプロジェクション》
3.5 一九七〇年代初期のその他の作品
3.6 《クロノプラスティク》
3.7 《オーケストラの時の時》
第四章 声と言語
4.1 言語──隠された音楽的特性
4.2 声楽的表現における“日本的なもの”
4.3 身振り
4.4 言語と自己表現
4.5 《ヴォイセス・カミング》
4.6 《問い》
4.7 《アタランス》
4.8 《つぶやき》
第五章 個と宇宙──芭蕉
5.1 日本の詩と芭蕉
5.2 松尾芭蕉Ⅰ──声楽作品
5.3 松尾芭蕉Ⅱ──一九七〇年代の室内楽作品
5.4 松尾芭蕉Ⅲ──室内楽作品
第六章 一九八〇年代のオーケストラ作品
6.1 《オーケストラのための透視図法》
6.2 《啓かれた時》
第七章 世阿彌元清
7.1 能、世阿彌と仏教
7.2 《「夜半日頭」に向いて──世阿彌頌》
7.3 世阿彌による「九位」に作曲
7.4 《世阿彌・九位》
第八章 道
8.1 変革に向けてⅠ──構造と内容
8.2 変革に向けてⅡ──相互関係の論理
8.3 始源というテーマ──《始源への眼差》
8.4 その他の作品
8.5 二一世紀の作品
訳者あとがき
年譜
主要参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。