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ヘンデル《メサイア》研究
楽曲分析と解釈
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2014年10月
- 書店発売日
- 2014年10月15日
- 登録日
- 2014年9月10日
- 最終更新日
- 2021年2月17日
紹介
G. F. ヘンデル(1685-1759)の不朽の名作であり、〈ハレルヤ〉コーラスなどにより知られるオラトリオ《メサイア》(初演:1742)全曲を、半世紀を超える演奏経験をもとに徹底分析。
歌詞、楽曲の構成、モティーフ、歴史的背景など、考え得るすべての要素について分析と解釈をおこなった記念碑的労作。
すべての演奏家、指導者、音楽愛好家必携の《メサイア》バイブルが誕生!
目次
第1部 メサィア出現の預言と降誕と招き
I.バビロン捕囚の終結
II.裁きと清め
III.キリスト誕生
IV.ベツレヘムでの出来事
V.恩寵と招き
第2部 受難と復活・昇天
VI.キリストによる平和
VII.孤独と苦痛
VIII.死と復活
IX.昇天
X.天使の礼拝
XI.福音の伝播
XII.この世的な抵抗
XIII.神の裁き
XIV.神の王国出現
第3部 キリスト復活の奥義と讃美
XV.信仰によって生きる
XVI.キリスト教の奥義
XVII.信仰の確信
XVIII.讃美
おわりに
注
参考文献
ヘンデルの自筆楽譜
謝辞
前書きなど
はじめに
私が本論考の執筆を始めたのは、『四国学院大学論集』第93号(1997年3月10日発行)──後藤馨教授・芹野陽一教授と私中内幸雄の3名のための「退職記念号」──が契機だった。「メサイアの解釈と演奏」と題した拙論は、全15回、600頁を越える連続執筆となり、2009年12月22日発行の第130号をもって完結した。
本書は、この完成原稿を基盤としてあらたに編集したものである。執筆内容のほとんどは、これまで私が指揮してきた《メサイア》連続演奏会での、いわば実体験をベースにして生まれたものと言うことができる。
1957年以来、さまざまなかたちで《メサイア》の指揮をしてきたが、演奏会の数も40回を超えていると思う。
数え切れないほどの練習を重ね、それぞれに思い出深い演奏会を体験するたびに、この傑作を書いたヘンデルへの畏敬の念は増し、この大作の作曲上の秘密を知りたいと願うようになった。本論考の執筆に私を駆り立てたのはそうした思いであった。
具体的作業についていえば、おもにヘンデルの自筆楽譜(Handel Messiah: The Composerʼs Autograph Manuscript, British Library R. M. 20. f. 2 in Facsimile)と彼の用いた指揮用楽譜(Handelʼs Conducting Score of Messiah, Reproduced in facsimile from the manuscript in the Library of St Michaelʼs College, Tenbury Wells)を手元に置き、ベーレンライター版やペータース版を中心に、いくつかの出版社によって刊行された総譜等を参考にしながらの楽曲分析が中心となった。
当初よりこの種の分析に関する方法論を持ち合わせず、まったく手探りの状態での分析作業となったため、方法や構成などは総じて私独自のオリジナルなものとならざるをえなかった。
とくに楽曲分析については、上記ヘンデルの自筆楽譜と指揮用楽譜をとくに重要な第一資料として参照した。その他の総譜としては基本的にベーレンライター版を用い、各曲の番号・記号等は主としてベーレンライター版に準じた。
各段落の表題に付加されたローマ数字は、ロンドン初演時のチャールズ・ジェネンズによる番号を参考にした。ただし、第1部、第2部、第3部を通し番号とし、また、構成分析上の理由から番号を一部変更したところもある。
各段落と各曲の表題は私が記し、その表題訳と歌詞邦訳は四国学院大学教授赤井勝哉氏に依頼した。
英語歌詞は基本的に全音楽譜出版社版『ヘンデル・メサイア』に記載されているものに依拠した。日本語聖書については、基本的に新共同訳に依拠している。ただし、[歌詞と邦訳]の訳文については英語原文を訳出したものであり、その限りではない。また、聖書の節番号は欽定訳と新共同訳とでは必ずしも一致していない。
上記内容は本書刊行時のものです。