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失われた居場所を求めて 祖田 修(著) - 三和書籍
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失われた居場所を求めて

発行:三和書籍
四六判
価格 1,900円+税
ISBN
978-4-86251-391-5
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2019年7月31日
最終更新日
2019年9月10日
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書評掲載情報

2019-11-03 東京新聞/中日新聞  朝刊

紹介

非正規雇用37%、一人世帯35%が生む貧困・格差・孤独。日本は戦後復興を果たして高度成長を謳歌し、世界第2位の経済大国にまで登りつめましたが、いつの間にか冒頭のような深刻な社会状況に陥ってしまいました。産業形態の変化が、農村から都市への大規模な人口移動をひきおこし、農村、都市ともにそこで生活する人々の縁と絆を変容させたのが大きな原因の一つです。そこから派生するさまざまな事象を精緻に検証、考察して人々の居場所が今後どうあるべきかを示します。

目次

第1章 経済の波動に翻弄される若者たち
 1高成長下の若者たち 2社縁社会からはみ出す若者たち
 3新たな縁と絆への願望
第2章 人間の居場所としての故郷
 1故郷喪失の時代 2新たな居場所(故郷)の創造
第3章 社縁社会への道程
 1社縁社会への道程 2社縁社会の発展と農村との関係
 3故郷を足掛かりに成長した社縁社会
第4章 心の故郷の喪失
 1高度成長下の農業・農村の変化 2故郷であることをあきらめ、やめる農村
第5章 魂の故郷の喪失
 1宗教と寺社の衰退 2孤立化する生と死
第6章 移動社会と多様・多極化する居場所
 1加速する移動社会 2世界から日本へ、日本から世界へ 
 3移動社会の光と影
第7章 情報縁社会の居場所
 1情報社会の深化と危惧 2AI社会をめぐる議論の現状
 3人間の自然性、自律性 4労働と生活の本質的転換
第8章 浮かびあがる田園生活への思い
 1私の田園“半”回帰 2多様な田園回帰の人々
第9章 高まる田園回帰の流れ
 1都市民の田園回帰への願望と背景 2変容する農村社会
第10章 複合縁社会の形成へ
 1「縁」の重層化・複合化 2再生を目指す農村社会
 3田園回帰受け入れ成否の要件 4「着土」の文化・文明へ

前書きなど

 農村では、若者が去り続け、高齢者ばかりが目立ち、空き家が増え、寺や神社が崩れ落ちている村が散見される。(略)
 都市では、高層マンションがそびえ、数百の世帯が住む。互いに声をかけあうことも少なく、共稼ぎが多く、皆忙しく会社に出かけ、夜は寝るためにだけ帰ってくる人も多い。子供たちはしばしば置き去りにされ、「孤食」(一人食)や「かぎっ子」の日々を送る。(略)離婚率も高まり、金銭だけでなく暮らしの貧困な家庭や児童が増えている。六~七人に一人は食事もままならない子供たちがいるという。
 この豊かな時代に若者に仕事がなく、多くの子供がまともな食事や暮らしができないなど、何ということであろうか。亡国の兆しというほかはない。(略)
 私は自身のささやかな体験を生かしながら、目を研ぎ澄まし、都市と農村、農業と工業のはざまから、私なりに現代社会のありようと、今後の社会や私たちの居場所について、やや広角度の視点から考察してみたいと思う。

著者プロフィール

祖田 修  (ソダ オサム)  (

1963年京都大学農学部農林経済学科卒業。
農林省経済局、龍谷大学経済学部、京都大学大学院農学研究科教授、放送大学客員教授、福井県立大学学長、日本学術会議第6部長等を歴任。
現在、京都大学名誉教授、福井県立大学名誉教授。
専攻は農学原論、地域経済論。

上記内容は本書刊行時のものです。