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台湾の戦後日本
敗戦を越えて生きた人びと
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年8月
- 書店発売日
- 2015年8月10日
- 登録日
- 2015年7月7日
- 最終更新日
- 2015年8月31日
紹介
日本統治下で日本の教育を受け日本人として育ち、戦争を経験した人たち。終戦時に
篤志看護助手、学徒兵、航空厰少年工などだった人たちが、その後の激変する台湾社
会で紡いだ人生とは。何十人もの台湾の人たちからの聞き取りで収集した口述資料と
文字資料、実地調査等を照合検討して綴る、日本とは違う戦後70年。
目次
はじめに
記念日となったシンポ /心に国境は引かれず/人生に寄り添う
第一章 終戦の激流と邂逅
二人の出会い/保警本部勤務の頃/孫海峰との結婚/戦時下の少女時代/戦地への志願/苦難と帰国 /
台北松山の日本家屋で
第二章 海峡の危機と軍人家族村
宋美齢の下で/孫海峰と日本人軍事教官/実践学社と「白団」/金門島砲撃下で/上海の生まれ/台湾
での生活
第三章 陸軍士官学校の留学生隊
昭和一九年の留学/王威厘の記録と記憶 /士官学校日誌から/別離と再会/慶応大の「昭和三年会」
第四章 国防部、旅行社、「偕行社」
「戦友」とともに/再会、友情/「偕行社」の総会/軍事郵便貯金返還問題/総理大臣への「要望書」
第五章 台北の人、台中の人
「国語家庭」に育って/「白団」のこと/再会かなわず/第一回派遣の篤志看護助手/戦後の生活と心境
/新竹州の生まれ/戦時下の公学校/台中農業学校への進学/拓士道場/徳卿の友人たち
第六章 製糖工場跡の出合い
二枚の写真/再び台南麻豆へ/高座海軍航空廠少年工/終戦、自治会、帰国 /製糖工場のポンプ組/「善
友管弦楽団」
第七章 二つの苦難を越えて
牧師の娘/父の拘引/二二八事件の犠牲者/事件の検証/日本への留学/蔡培火を頼って/戦中の東京で
/玉山神学院の礎
第八章 キーステン・ハーゲンとともに
ハーゲンを慕って/神戸での暮らし/許麗娟の回想/瀬戸伝道と「自由基督教会」
第九章 戦中の記憶、さまざな人生
戦争の体験と記憶/台南二中から医専へ/後壁公学校のこと/陣地構築と空襲/大正九年生まれ/小学校と
高女の思い出/下関から東京へ/台北士林の富家/台北第三高女へ台北第三高女へ/東京から引き揚げて/
台北高校から医学院へ/昭和生まれの二人
あとがき
索引
前書きなど
本書は、戦後の台湾社会を生きた人びとの口述資料、手記や手紙、戦前・戦後の新聞や雑誌記事、公文書等々の資料の収集と検討、さらには関連する建物や街の変化の実地調査による検証検証なども行った上で、日本の戦前・戦中から、戦後復興期、そして高度成長期とその後における日本の社会文化史との密接な関係のもとに、台湾の人びとがどう生きてきたのかを考察したものである。日本の伝統的な文化観や社会観を日本語で理解する台湾の人たちの人生を描いた本書をとおして、戦後台湾社会の文化継承・変遷の内実や、戦後七〇年の日台関係史への理解が少しでも深まるならば、これほどうれしいことはない。
……本書「あとがき」より
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。