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日本のベラ大図鑑 西山 一彦(写真・文) - 東方出版
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日本のベラ大図鑑 (ニホンノベラダイズカン)

自然科学
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発行:東方出版
A4変形判
縦276mm 横209mm 厚さ28mm
重さ 1420g
302ページ
上製
定価 12,000円+税
ISBN
978-4-86249-200-5   COPY
ISBN 13
9784862492005   COPY
ISBN 10h
4-86249-200-2   COPY
ISBN 10
4862492002   COPY
出版者記号
86249   COPY
Cコード
C0645  
0:一般 6:図鑑 45:生物学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年8月
書店発売日
登録日
2012年6月4日
最終更新日
2012年9月4日
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書評掲載情報

2012-11-25 朝日新聞
2012-10-28 朝日新聞
2012-09-23 東京新聞/中日新聞
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紹介

魚類の中でハゼ科に次いで種多様性を誇るベラ科魚類。全世界で70属509種が知られているが、その中
日本産の36属151種を網羅した日本初の図鑑。カラー写真約1090点を収載。あのナポレオンフィッシュ
もベラ科の魚です。
◉日本産ベラ科魚類のすべて、36属、151種を収録
◉オールカラー約1090点の生態写真をすべて筆者ひとりで撮影
◉幼魚、若魚、成魚、老成魚、雌、雄、性転換中個体、婚姻色等、可能なかぎり一種につき複数枚の
 写真を掲載
◉各成長段階や雌雄それぞれの色彩パターンが掲載されているので、誰でも容易にしかも正確に同定
 できる
◉絵合わせによる同定も可能な美しい図鑑
◉解説は、先ず標準和名、学名(記載者と記載年を含む)、タイプ産地、英名、属(属の和名)を記
 載。種の形態的・色彩的特徴をできるだけ成長段階による変化を踏まえて解説。次に、生息環境、
 国外での分布状況、国内での分布状況を記載。また、各種の生息状況、生息環境、および習性を長
 年の観察経験に基づき詳述。
◉各写真には、標準和名・性別・ステージ・体色・サイズ・撮影場所・水深・撮影年月日を記載
◉巻末に和名索引と学名索引を付した

目次

はじめに   本村 浩之
図鑑解説/ページ解説
目次
撮影地マップ
各部の名称/用語解説
日本のベラ大図鑑36 属 Contents
日本のベラ大図鑑151種 Contents

図版
 ◦コブダイ属 1種 /◦イラ属 5種◦ブダイベラ属 1種/◦タキベラ属 14種/◦テレラブルス属 1種/◦ススキ
 ベラ属 6種/◦カマスベラ属 1種/◦クギベラ属 1種/◦タレクチベラ属 2種/◦ソメワケベラ属 3種/◦ク
 ロベラ属 1種/◦マナベベラ属 2種/◦オハグロベラ属 3種/◦ササノハベラ属 2種/◦イトベラ属 3種/
 ◦カミナリベラ属 5種/◦ノドグロベラ属 3種/◦オグロベラ属 5種/◦ニシキベラ属 9種/◦キュウセン
 属 19種 /◦カンムリベラ属 5種/◦シラタキベラダマシ属 5種/◦シロタスキベラ属 3種/◦イトヒキベ
 ラ属 14種/◦クジャクベラ属 1種/◦ハシナガベラ属 2種/◦モチノウオ属 5種/◦ニセモチノウオ属 5種
 /◦ホホスジモチノウオ属 8種/◦ギチベラ属 1種/◦ノバクロイデス属 1種/◦タテヤマベラ属 1種/◦テ
 ンス属 8種/◦テンスモドキ属 1種/◦ホンテンスモドキ属 3種/◦アムノラブルス属 1種

おわりに   西山 一彦
 参考文献/撮影協力 ショップ・ベラディングガイド
 和名索引
 学名索引

前書きなど

 エメラルドグリーンに輝く珊瑚礁の海の中を覗くと、色彩美あふれる絢爛たる熱帯魚たちが視界一面に広がって乱舞している姿を見ることができる。彩飾豊かな魚たちの中で優占するのは、やや細長い体で、胸鰭のみを使って泳いでいるベラの仲間だ。条鰭綱スズキ目ベラ科に属する魚は全世界の温帯から熱帯域に広く分布し、現在70属509種が知られている。これは魚類の中でハゼ科に次ぐ種数であり、脊椎動物の中でも科という分類単位において第2位の種多様性を誇る。種数のみならず個体数も多いため、西部太平洋における年間の漁獲量は1万~2万トンに達する。
 その種多様性の高さと比例して、ベラ科魚類の形態や生態も多様である。全長5cmに満たない種から一般にはナポレオンフィッシュという呼称で有名な全長170cmに達する(229cmという信憑性が薄い記録もある)メガネモチノウオ、体が著しく長細いカマスベラや体高が高く側扁するテンス、吻が管のように細長く突出しているクギベラや折り畳み式の口が捕食時に著しく伸長するギチベラ、動物プランクトンや魚類を捕食する種や他の魚の体表の寄生虫を食べるクリーナーのホンソメワケベラなど枚挙にいとまがない。
 生息環境も多様で、珊瑚礁をはじめ、岩礁、砂底、藻場など幅広い環境に種ごとに適応し、さらにいくつかの種では成長段階によって生息環境選択の嗜好性が変化する。ただし、泥底や汽水域には少ないようだ。生息水深もごく浅いタイドプールから沖合の100mまでとその適応範囲は広い。
 ベラ科魚類の最大の特徴の一つは、多くの種において性転換することであろう。成長に伴って雌から雄へ性が変化するのである(これを雌性先熟という)。一夫多妻的な配偶システムをもつ種において雌性先熟が進化すると考えられており、ベラ科魚類も多くの種がハレムを形成する。フィールドでベラ科魚類の同定をする際には体色が重要な決め手となるが、多くの種において体色が性転換と連動して劇的に変化するため、本科魚類の同定には相当な知識と経験が必要である。これまでに数多の海水魚図鑑が出版されているが、そのほとんどがベラ科魚類の1種につき1枚の写真が掲載されているに過ぎない。しかもほんの数種が掲載されているだけで、実際の同定にはほとんど役に立たない。そのため、誰でも容易に、そして正確に同定することが可能な各成長段階や雌雄それぞれの色彩パターンが掲載されているベラ科魚類全種の図鑑の出版が求められていた。このような背景の中、企画・編集されたのが本書である。
 日本にはおよそ150種(学名と標準和名が両方とも付けられているのは145種)のベラ科魚類が生息している。本書は日本産ベラ科魚類のすべての種の生態写真が掲載されており、その多くは幼魚~成魚、雌雄など可能な限りの写真が1種につき複数枚掲載されている。本書は、絵合わせによる同定が可能な視覚的に美しい図鑑というだけではなく、各写真の下に撮影場所や水深などの情報も記載されて
いるため、学術的にもひじょうに価値が高い。さらに特筆すべきは、本書に掲載されているすべての生態写真が著者の西山さんによって撮影されたものであるということだ。
……彼のベラに対する並々ならぬ熱意と写真への人一倍のこだわりがプロの水中写真家顔負けの美しい生態写真の撮影を可能にしたのであろう。本書の写真のキャプションをみて頂きたい。その撮影場所の記述から、西山さんが仕事の合間を縫って、ベラを求めて日本中の海を潜っていることが分かる。本書は著者の情熱がこもった一冊なのだ。本書は魚が好きな人はもちろんのこと、アマチュ
アからプロのダイバー、魚類研究者や海洋生物研究者まで多くの人の手元に置いて頂きたい一冊である。
・・・本村浩之(監修者)「まえがき」より

著者プロフィール

西山 一彦  (ニシヤマ カズヒコ)  (写真・文

1970年3月生まれ、神戸市在住。1990年、有限会社 新成警備保障設立。2010年、神戸市須磨区に本社ビルを
建設し、150名の隊員を率いる代表取締役。1995年にダイビングライセンス、2000年にダイビングインストラ
クターを取得。非常勤インストラクター、ガイドの後、2002年からベラ科中心の撮影を開始する。様々な分野
への写真提供や、各種フォトコンテスト入賞の実績もある。今まで撮りためた国内外のベラ科の写真をブログ
「~Wrasses Vegas Japan~」(http://wrasses2480.blog38.fc2.com/)にて紹介。日本にはベラ専門誌がなく、
幼魚~若魚のステージにおける同定が困難であることを経験し、自分用のベラ書を作成していたが、各方面の
現地ガイドからの要望もあり、本書を執筆することになった。

本村 浩之  (モトムラ ヒロユキ)  (監修

1973年、静岡県生まれ。農学博士。国立科学博物館、オーストラリア博物館を経て現在、鹿児島大学総合研究
博物館・副館長・教授。専門は魚類分類学。魚類の多様性を解明するために世界中を飛びまわる。これまでに
出版した研究論文は140編、記載した新種は37種、標準和名を提唱した魚は28種。著書に『Threadfins of the world
(family Polynemidae)』(国連食糧農業機関)、『Fishes of Australia's southern coast』(分担執筆、ニューホー
ランドプレス)、『Fishes of Yaku-shima Island』(国立科学博物館)、『Fishes of Terengganu』(トレンガヌ
大学他)、『黒潮の魚たち』(分担執筆、東海大学出版会)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。