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発毛ベンチャー リーブ21って何だ!? 竹間 忠夫(著) - アールズ出版
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発毛ベンチャー リーブ21って何だ!?

四六判
224ページ
並製
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-86204-045-9
Cコード
C0033
一般 単行本 経済・財政・統計
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2007年7月
書店発売日
登録日
2019年2月26日
最終更新日
2019年2月26日
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紹介

テレビCMだけが目立つから、どこか胡散臭さが漂う「毛髪クリニック リーブ21」。未上場ということもあって、その企業実態やビジネスモデル、さらに発毛という破天荒な領域に踏み出した創業経営者・岡村勝正の人物像などについてはほとんど知られていない。これらを詳らかにするために、全国100カ所を超えるオペレーションセンターで日々行われている発毛のための施術現場を取材し、試行、改革、挑戦をハイテンポで繰り返すベンチャーならではの経営スタイルを解剖した。また、国内4200万人ともいわれる巨大な発毛マーケットの現状や、発毛技術の最前線についても触れている。

目次

1章 リーブ21が「発毛専門」を標榜する理由
●「何をする会社?」そのビジネス・モデルを解剖する
誰もがもつ“発毛”への疑問/日本人の三人に一人が髪に悩んでいる/発毛はカツラや増毛、植毛とまったく違う/発毛システムの原点は自然治癒力/脱毛は、こうして起きる/休眠細胞を目ざめさせる/身体全体の健康が発毛を促す/発毛日本一コンテストの意義/発毛の喜びが生きる力に/“ニット界の貴公子”CM登場の舞台裏/リスクが大きい保証制度を導入/売上高二〇〇億円を目前に伸び悩む/積極拡大路線から内部整備に軸足を移す
2章 「発毛」がビジネスとして成立した理由
●破天荒な領域に踏み出した創業オーナーの軌跡
幼心に“社長”を夢見た岡村勝正/クリーニング業界の風雲児に/最強のFCを目指す/「なぜ、髪の毛は抜けるんだろう?」/社長室が発毛研究所に/自家製発毛用トニック完成に一六年費やす/創業パートナーの出現/街行く人の頭髪をウォッチング/新聞広告が掲載拒否に/苦肉の策「毛根復活宣言」のコピー/第一号会員は二〇代の青年だった/脱毛がもたらす深刻な事態/毛髪クリニックリーブ21を設立/つまずいた九州・博多への進出/ひたすら電話を待った東京進出/新宿O.Cの成功で全国展開へ/生みの苦しみを経て
3章 社長が毎朝トイレを磨く理由
●成長と変貌を繰り返すリーブ21の実像を追う
本社はO.Cの支援部隊/社長のほかは全員が平社員/社員一〇〇〇人・平均年齢二八歳/意思決定機関を独占するO.Cスタッフ/社長は、只今、トイレ掃除中/ちょっと変わった朝礼/「言うべきことは、いま言う」/メインバンクは必要ない/最終利益はすべて内部留保に/手作業で行われていた売上げ集計/社内情報システムの構築/いつでも株式上場ができる体制に/会員からのクレームは少ない/心を痛める深刻な相談 /解決がむずかしいクレーム/センシティブな会員への対応/企業活動に透明性が不可欠だ/手探りでスタートした広報活動/最大の広報マンは社長だが… 93
4章 派遣社員もパート社員も使わない理由
●オペレーションセンターでは何が行われているか?
理解を得やすくなった発毛の仕組み/施術料金と契約コースの中身/O.Cでの施術はこんな内容だ/毎日欠かせないホームケア/O.Cスタッフも全員が正社員の理由/全国に散らばるスタッフに一体感を/新人オペレーターの研修期間は六週間/異様な大声で研修ははじまった/O.Cの統括システムはどうあるべきか/カウンセラーの必須の資質はバランス感覚/オペレーターの指名制はデメリットが多い/モチベーションが上がれば業績も上がる/初代モチベーターの苦労/一時的なヒットは意味がない/業績低迷を理由に閉鎖したO.Cはない/なぜ、女性専用O.Cが必要だったか/慎重な女性専用O.Cの全国展開/会員の笑顔がスタッフの励みに/「夢の中でも施術の練習をした」/スタッフの悩みと喜び
5章 リーブ21がテレビCMを大量に打つ理由
●[営業ゼロ+メガ広告]の戦略に秘められた深慮遠謀
なぜ、巨額の宣伝広告費が必要か/発毛が理解されない悩み/制約が残るCM・広告の表現/視聴率だけで提供番組は決めない/社長が必ず立ち会うCM撮影/CMらしくないCMをつくる/“発毛”をストレートに表現できない!/CMキャラクターの選考基準/毎週/〇〇万枚を配布する折り込みチラシ/何をやっている会社かを知ってほしい/発毛ビジネスの需要は全国にあ/大市場では複数店舗を展開/シンプルなO.Cの出店基準/新しい店舗づくりがはじまる/試行錯誤を重ねたO.C内部のレイアウト/シンプルが低コストを実現する
6章 接待しない、接待を受けない理由
●異形経営を支える企業文化と人づくり
一〇〇万円以下の出金は社員任せ/「ケチ」を自認する金銭感覚/創業期は“金太郎アメ集団”でいい/スーパーマン経営から脱却できるか/「私を説得できる提案をしろ!」/わからないことは「まず、やってみよう」/褒めて育てるか、叱って育てるか/仮説を立て、実地に検証する/「おカネのために仕事をするな!」/仕事の喜びを知った高校時代/創業五年目から大学新卒者を定期採用/中途採用者への期待と戸惑い/O.Cスタッフ採用は年間六〇〇人/規模が拡大すると意思疎通がむずかしい/日本一高い給料を出せる会社に/「社員を客観的に評価できない社長は失格だ」
7章 発毛ビジネスが医療と結びつく理由
●巨大な潜在マーケット「発毛」の明日はどうなる
遺伝子レベルの発毛システムに期待/独自の研究施設に二一人の研究スタッフが揃う/発毛研究に特化した強味/発毛のスイッチはどこにある?/自社開発の原材料を使った商品がほしい!/細胞株ビジネスの可能性/将来は「発毛専門 リーブ21病院」が実現?/ヘアケア商品から健毛食品まで/こだわりは天然由来の原材料/「悪影響ゼロ」が原材料の絶対条件
8章 ワンマン社長が「いずれ出家したい」という理由
●リーブ21の将来像と岡村勝正の出処進退
新しい発毛技術の開発が躍進のカギ/「リーブ21が求める人物像」とは?/総合健康産業への方向性は当然の流れ/海外展開は決して急がない/中断した株式公開計画の今後/消えた「大阪・東京」の二本社構想/リーディング・カンパニーの自負/「発毛教室」による啓蒙活動/音頭を取った「日本発毛促進協会」の設立/課題は後継者の育成/岡村勝正が社長を辞める日

前書きなど

まえがき

 毛髪クリニックリーブ21(以下リーブ21)をはじめて取材したのは、二〇〇三年四月のこと。日本工業新聞(現・フジサンケイ・ビジネスアイ)の連載記事だった。
 リーブ21についての予備知識はなかった。「発毛専門」の会社と聞いても、カツラや増毛、植毛との違いもわからない。広報担当者の事前レクチャーを受け、渡された資料を読んだ。すると、今度は「ハゲに毛が生える? 本当かな」という疑念が生まれた。正直に言えば、「さて、この取材を引き受けるべきか」と考え込んでしまった。
 最初の取材は、その月に開催された第四回発毛日本一コンテストだった。驚いた。コンテスト出場者は、施術前に比べて明らかに毛量が増えている。「このこと自体は、事実として認めなければならない」と思った。同時に「これは面白い」とリーブ21に関心をもった。
 取材を進めるにつれ、「この会社について単行本にまとめれば、きっと面白いものができる」と考えるようになった。というのは、リーブ21という会社が企業体として、まったく世間に知られていなかったからだ。世間の人は、発毛そのものを疑っている。周囲に聞いてみると、よくわからない会社が大量に宣伝広告をしているという印象から「リーブ21は、薄毛や脱毛に悩んでいる人をだましている会社じゃないか」と思っている人も多い。
 発毛とは薄毛や脱毛した人が、自分の髪を取り戻すことだ。発毛の理解が進まない状況の中、同社の宣伝広報活動は「発毛を、いかに理解してもらうか」にウェイトを置かざるを得なかった。そのため、急成長を遂げているにもかかわらず、企業実態やビジネス・モデルがほとんど知られていない。創業オーナーである岡村勝正社長については、大量に流れるテレビCMによって顔と声はわかっても、実際、どんな人物かは知られていない。こうした情報不足が、テレビや折り込みチラシで宣伝広告ばかりしているうさん臭い会社というイメージを増幅させているように思えた。

 本書の意図はリーブ21という会社の実態を詳細にレポートするとともに、発毛専門というビジネス・モデル、急成長の秘密を明らかにすることにある。筆者はリーブ21を、発毛ビジネスという前代未聞の領域に挑戦するベンチャー企業として捉えている。同社をベンチャー企業の一つと捉えると、興味深いテーマがいくつも見つかる。
 ベンチャー企業といえば、IT関連企業が花盛りだが、リーブ21は典型的な労働集約型のサービス業だ。脱毛や薄毛の人に発毛施術を行うO.C(オペレーションセンター)を全国展開し、一〇〇〇人以上を正社員として雇用している。見方によっては、軽薄短小のビジネス・モデルが評価される時代に逆行する企業体なのかもしれない。しかし、急成長を遂げている。なぜだろうか? その疑問を解くカギは、労働集約型サービス業のデメリットを逆手にとったビジネス・モデルにある。ここが第一のポイントだ。
 第二のポイントは、ベンチャー企業らしい自由闊達な戦略・戦術だ。創業期以来、同社は問題が起きると、店舗展開、広告宣伝、人事制度などを巻き込んで、大胆に戦略・戦術を変更してしまう。しかも、時間をかけず、一気に戦略を転換することもあれば、慎重に時間をかけて徐々に軌道修正することもある。この戦略・戦術転換の動きは、本書の中でいくつも事例として取り上げた。
 そして、一九四五年(昭和二〇年)生まれの岡村勝正という個性豊かなトップと、平均年齢二八歳という若い社員の組み合わせも面白い。まさに親と子の年齢差がある。両者は、どのようにベクトルをあわせ、求心力を生んでいるのか? これは創業オーナーである岡村社長の人生観、経営理念を知ることで理解できるだろう。そのため、本書では岡村社長の生い立ちから創業に至る経過、経営理念を支えるリーブ21への思いを明らかにした。
 リーブ21のビジネス・モデル、岡村社長の経営手法が理解できれば、なぜ、発毛にこだわるのか、なぜ、O.Cがふつうのオフィスビルに入っているのか、なぜ、大量のテレビCMを放映しているのか、なぜ、発毛日本一コンテストを開催しているのか、といった疑問は氷解するはずだ。

 リーブ21で発毛施術を受け、家庭でのホームケアを続けた結果、発毛した人は数多くいる。もちろん、個人差があるのは事実で、リーブ21の会員すべてが発毛したとはいわない。
 脱毛や薄毛の人たちを取材して気づいたことは、彼ら、彼女らがもつ深刻な悩みだ。髪を失ったことで自信を失い仕事をやめる、イジメにあって登校拒否になってしまった子ども、家に閉じこもる、ストレスから暴力をふるい家庭を破壊するといった悲惨な事例の多さにショックを受けた。それだけに、発毛したときの喜びは大きく、その人の人生を変えるといっても過言ではない。
 逆にいえば、脱毛や薄毛の人たちの悩みや不安の上に成り立つビジネスとも言える。それだけに「髪に悩んでいる人は多い。そういう人を相手に商売をすれば儲かる」という低い志ではじめたビジネスであれば、世の中から淘汰されるはずだ。「髪で悩んでいる人たちに喜びを与えることができなければ、発毛ビジネスは成り立たない」という不退転の強い意志が必要だ。ここが発毛ビジネスが成り立つかどうかの分水嶺になる。筆者は取材によって、リーブ21は後者の立場を取っていると判断した。これが、単行本にまとめるときの支えになったといえる。

 本書がリーブ21という会社の実態を通して、発毛ビジネスの第一線で何が起こっているかを知り、発毛ビジネスの将来を考えるきっかけになれば幸いだ。
 岡村社長は「ビジネス・モデル、発毛技術、健毛商品、サービスのあり方、すべてが未完成だ。まだまだ改良、改善を続けていく」と語る。リーブ21は成長過程にある。これから変化する部分も出てくる。その意味で、本書は途中経過のレポートといえる。チャンスがあれば、再び、その後のリーブ21をテーマに執筆したいと思っている。
 最後に取材に協力いただいたリーブ21の社員のみなさん、関係者の方々に心よりお礼申し上げます。なお、文中は敬称を略させていただきました。
二〇〇七年七月 竹間忠夫

著者プロフィール

竹間 忠夫  (チクマ タダオ)  (

ジャーナリスト。1949年、東京都生まれ。埼玉大学卒業。自動車専門誌、経済誌、週刊誌記者を経て1990年にフリーランスに。主著に『101人の起業物語 彼らはなぜ成功したのか?』(光文社)、『サッポロビール ドラフトワン革命 老舗企業に活力が甦った!』(実業之日本社)、『ヒット商品 ネーミングの秘密』(講談社)、『ドキュメント JC東京ブロック協議会』(アールズ出版)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。