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『イギリスの邸宅建築と庭園』第1回配本:中世から初期チューダー様式(全3巻+別冊解説)
English Homes & Gardens, Part 1: Medieval and Early Tudor
- 初版年月日
- 2013年9月
- 書店発売日
- 2013年9月13日
- 登録日
- 2013年9月5日
- 最終更新日
- 2013年9月12日
紹介
●1920~30年に刊行された大型ヴィジュアル本シリーズ。
●ノルマン期から後期ジョージアン期まで、様式ごとに編集され、各時代に住居として使われた英国の歴史的建築物(城館邸宅、マナー・ハウス、カントリー・ハウス等)約250点を、外貌だけでなくインテリアや調度品も含めた写真4,600点強と建築図面などで紹介した、英国建築に関する最大級の出版物。
●建築物のシリーズ全9巻に、庭園52を収録した別巻を加え、大型本全10巻を約15%縮小し、使い易いA4判にて復刻。
●著者のティピングはアーツ&クラフツ運動にもかかわった著名な造園家であると同時に、建築史家として雑誌出版社カントリー・ライフ社の建築部門の編集主幹を務め、同社の資料を縦横に駆使し約10年を費やし本シリーズを完結させた。
●すでに失われた建築物の写真も多く含む、英国建築史に関する記念碑的出版物。
●第1回配本では、中世から初期チューダー様式の建築79作品を収録。各巻頭のティピングによる詳細な序文に加え、別冊には監修者による日本語解説および全シリーズ中の邸宅建築・庭園のリストと日本語紹介入り。
目次
Vol. 1: Period I - Vol. 1: Norman and Plantagenet (1066-1485) xxxix, 338 = 377pp.
Vol. 2: Period II - Vol. 1: Early Tudor (1485-1558), lx, 396 = 456 pp.
Vol. 3: Period I & II - Vol. 2: Medieval and Early Tudor (1066-1558), xlviii, 364 = 412 pp.
前書きなど
監修者より 近藤存志(フェリス女学院大学教授)
この度、イギリス(イングランドおよび一部ウェールズ)の邸宅建築と庭園に焦点をあててヘンリー・A・ティピング(Henry Avray Tipping, 1855-1933)の手によって刊行された大型ヴィジュアル本、全10巻が『イギリスの邸宅建築と庭園』というタイトルの下に復刻されることになった。著者ティピングは、オックスフォード大学クライスト・チャーチ出身の著名な建築史家・建築評論家であり、1907年から亡くなる1933年までイギリス上層階級の必読誌であった雑誌『カントリー・ライフ』の建築部門の編集主幹を務めた人物である。ティピングはまた造園家としても広く知られ、今日、イングリッシュ・ガーデンが西洋庭園史に確固たる地位を占めるに至った立役者の一人として評価が高い。そうしたティピングの建築史と造園芸術の両分野での功績に光をあてるべく、今回の復刻では、約8世紀にわたるイギリスの邸宅建築の実例を扱った彼の代表的著作『イングランドの邸宅』(English Homes)全9巻に、イングランドの庭園52例を取り上げた『イングランドの庭園』(English Gardens)を加え、全10巻として刊行される。
『ティピング著作集』とも呼び得るこの充実した復刻版では、ノルマン王朝時代から後期ジョージ王朝時代までのイギリスを代表する300以上の邸宅建築と庭園が網羅され、4600点を超える写真と図面とともに、それらの美的、歴史的、文化的価値が解説されている。それは、自らも広大な邸宅を所有していたティピングというひとりの優れた建築史家の建築・庭園芸術の鑑賞の記録であるとともに、20世紀初頭、エドワード王朝時代の上層階級を中心とした建築芸術、造園芸術に対する広範な関心と美的趣味の一端を明らかにしてくれる。
当時撮影された写真の数々も、今日類例の乏しい歴史資料としての価値が高く評価されているもので、そうした優れた視覚的資料が数多く本書に収録されている点も見逃せない。インテリアや調度品、庭園を含め、イギリス芸術史に燦然と輝くイギリス邸宅建築の傑作を時代別に取り上げたティピングのライフワークは、イギリスの建築史、美術史、庭園史の研究にのみならず、イギリス文化史の全容を理解するうえでも大いに刺激となるであろう。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。