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地方に「かえ~る人」
自分スタイルではたらく、暮らす
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年7月
- 書店発売日
- 2015年7月28日
- 登録日
- 2015年6月21日
- 最終更新日
- 2015年7月31日
紹介
岡山県北にUターンやIターンして働く13人を、自らがUターンで起業した編者が、田舎での暮らしと仕事をどのように築いているのかを取材したインタビュー集。
目次
●○本当にちょっとのことでいい、よかったなとか、
楽しいと思える瞬間を大事にする
井上達哉(株式会社西粟倉・森の学校/岡山県西粟倉村)
○たくさんの人が、家具をとおして森にかかわれる
大島正幸(木工房ようび/岡山県西粟倉村)
○とにかく「おいしくて幸せである」ことっていうのは、
絶対に鈍らしてはいけないところ。
そしてその幸せが繋がっていること
大林由佳(「ablabo.」/岡山県西粟倉村)
○やりたい仕事があるからここに住む
若い世代にそういう生き方の選択肢をつくりたい
井筒耕平(村楽エナジー株式会社/岡山県西粟倉村)
○いつも素の自分でいること。誰に対してもそのまんまでいること
上塩浩子(湯原温泉「八景」/岡山県真庭市)
○自分のできることは何か? で、もっともっと楽しくなる
和田優輝(株式会社和田デザイン事務所/岡山県津山市)
○大丈夫って思うと新しいチャレンジも楽しく続けていける
鈴木宏平(nottuo〈ノッツオ〉/岡山県西粟倉村)
○今は贈り物。だから瞬間瞬間を全力投球
チャールズ裕美(軒下図書館/岡山県西粟倉村)
○本当に唯一無二の物にするということは、つくり手しかない
そこに意識を向ければ、それは届けるに値する商品になる
下山桂次郎(Qualitea美作/岡山県美作市)
○経営者でも、5歳の子にでも、いつも自然体で接すること
沼本吉生(ヒトトゴハン株式会社/岡山県真庭市)
○地方だからこそ、どんな細かいことも、一つ一つ大切にする
西田 誠(ROELA〈ロエラ〉/岡山県津山市)
○「新庄村に、ちょっと行ってみたいな!」の
きっかけの一つに、自分がなれたら
柴田 晴江(32's cafe/岡山県新庄村)
○お客様、生産者の方からいただいた刺激をステップに
坂東友也・坂東右子(リストラン テシエロ/岡山県津山市)
前書きなど
まえがき
東京に住んでいた。
田舎で暮らすことにした。
私は2009年に約10年間住んでいた東京から、700キロ離れた岡山県の北部の中山間地域にUターンをしました。
もともとは、進学で東京に移り住み、卒業後はそのまま東京で働き始めました。そのころは、「どうせ田舎には働きたい仕事なんてない」︱―そう考えていました。東京には、そのころ自分が働きたいと思える会社がありました。
そして、東京で就職し、働きたい会社で働きながら、いつも考えていたことは、「なぜ自分はここにいるのか?」「このまま、ここで年を取っていくのか?」ということでした。いつもそのことが、頭を巡っていました。
今から考えると、そんなことが頭を巡っていたのは、そこにいる理由を探していたのかもしれません。結果、そこに居続ける理由が、私にはありませんでした。
そのころの私は、都心から少し離れた、住宅街にマンションを借りて住んでいました。人間関係は、基本的には会社関係くらいで、人とのつながりなどと言えるものはあまりありませんでした。私が、つくれていなかっただけかもしれませんが……。私は、東京で「暮らしていた」というより、ただ「住んで、働いていた」のかもしれません。「住む」と「暮らす」の違いは、そこに居る理由がどれだけあるかではないかと思います。
「住む」と「暮らす」の違いを考えたことが、その後、岡け んほく山県北部ではたらく。くらす。「いーなかえーる®」というウェブサイトを起ち上げるきっかけにもなりました。
そして私は、2009年、東京から700キロも離れた中山間地域の田舎に帰ることを決断しました。田舎に帰ってみて、想像していた田舎とは全く違う田舎がそこにはありました。
地方で、新たな仕事を創り出す人たち
イコール「バカモノ」がいた。
帰って周りを見ると、東京から700キロ離れたこの中山間地域で今までになかったような、新たな仕事をつくり出している尊敬すべき人たち(=「バカモノ」)がいました。
これまでは、「田舎で起業する」というと、「やめといた方がいい」「ちゃんと就職した方がいい」という空気が当たり前でした。しかし、その人たちは、この地域にもどって来て、もしくは、やって来て自らやるべきことをカタチにし、発信し、周囲を巻き込みながら、新たな仕事を創り出しています。
ここでいう「バカモノ」とは、行動する人ということです。ある程度リスクがあったとしても、行動を起こせる人。十分に考えなければ、行動が起こせない「リコウなヒト」では起きないことが、起こせてしまえる人たちです。
彼らの多くは、今までになかったシゴトを新たに創り出し、そしてここで暮らしていました。そして、その人たちの周りは、同じくその地域で新しい価値を創り出す人たちが、集まってきています。
「帰る」「変える」が、「還る」
生き方の選択肢が増える、チャレンジしやすい社会へ。
その人たちの共通点は、「楽しそうであること」です。楽しそうであることは実はそれだけでもとても大切なことだと思います。なぜなら、これからは、こういった身近で楽しそうにシゴトを創り出す人たちを見ることで、生き方の選択肢が増えるのではと思います。
今までの田舎の子供たちにとって仕事というと、学校の先生や、自分の親の稼業くらいしかイメージがなかったのかもしれません。
今、地方で新たな仕事を創り出す人たちは、自らがやるべきことに取り組むことで、これからのチャレンジしやすい地域社会をつくっているのだと感じます。
田舎にUターン、Iターンして、新たな仕事を創り出す人たちを『かえーる人』と呼ぶことにし、お話をうかがいました。
この本に書かれていることは、岡山県の中山間地域で実際に働いている13人から話を聞いた内容です。
「かえーる人」とは、
1.「帰る」都市から地方へ。
2.「変える」新たな仕事を生み出す。
3.「還る」それらが継続して繰り返される
岡山県北部(けんほく)で、はたらく。くらす。「いーなかえーる」
http://www.kenhoku.jp/
版元から一言
岡山県北にUターンやIターンして働く13人を、自らがUターンで起業した編者が、田舎での暮らしと仕事をどのように築いているのかを取材したインタビュー集。
牧 大介氏推薦!(株式会社西粟倉・森の学校 代表取締役 校長)
岡山の県北エリアでは、すでに未来が始まっている。過疎化は進んでいるけど、だからこそ、そこにフロンティアがある。この本には、「未来の普通」をすでに始めている13人の開拓者の物語が描かれている。みんな安易な妥協がない。自分らしくあることを諦めていない。苦しいこともあるけど、その先には楽しさと納得感がある。何かを諦めてしまいそうな人に、ぜひ読んで欲しい。
上記内容は本書刊行時のものです。