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岡山藩主 池田綱政と「能」 西脇 藍(著) - 吉備人出版
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岡山藩主 池田綱政と「能」 (オカヤマハンシュ イケダツナマサトノウ) 元禄期の大名の生活と「能」

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発行:吉備人出版
A5判
289ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-86069-111-0   COPY
ISBN 13
9784860691110   COPY
ISBN 10h
4-86069-111-3   COPY
ISBN 10
4860691113   COPY
出版者記号
86069   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2005年8月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

能楽が隆盛を極めていた江戸元禄期、当時の藩主であった池田綱政も、江戸藩邸や国元で盛んに能を行ってきた。それは岡山大学部族図書館所蔵の池田家文庫に収められている「日次記」で確認できる。著者はこのこの藩の公式記録である「日次記」を能に関する記述を抽出分析することで、江戸元禄期の地方大名にとって、「能」は単なる遊興としてとらえられていたのではなく、将軍や諸大名との社交、交際という重要な意味を持っていたこと、そしてさらに地域の特有な文化を形成することにつながっていったことに確信を持つ。

目次

序章
1 研究の目的
2 江戸期の大名の能についての先行研究
3 岡山藩研究の中における能楽史
4 研究の視点と方法
5 研究史料
第一章 『日次記』にみる池田綱政
1 綱政の一年間の政治と生活
(1)江戸での生活
(2)岡山での生活
2 池田綱政の演能
(1)「祝儀」の能
(2)「招請」の能
(3)「御養生・御慰」の能
(4)「稽古」の能
第二章 江戸屋敷と国元における「能」-第1期(延宝九年~元禄九年)
1 江戸における「能」
(1)元禄七年の江戸屋敷能舞台築造以前
(2)江戸屋敷能舞台築造以後
2 岡山における「能」
(1)岡山城における「能」
(2)「御茶屋」における「能」
(3)元禄八年の岡山城能舞台築造
第三章 江戸屋敷と国元における「能」-第2期(延宝十年~宝永三年)
1 江戸における「能」
(1)江戸屋敷における「能」
(2)元禄十五年の将軍綱吉の柳沢邸御成「御供」における能
(3)役者について
2 岡山における「能」
(1)第2期の岡山における「能」
(2)元禄十年の岡山城における祝儀能
(3)岡山における役者事情
第四章 江戸屋敷と国元における「能」-第3期(延宝四年~正徳四年)
1 江戸における「能」
(1)宝永四年二月十六日の綱政七十歳御賀の能
(2)宝永四年四月十九日の土佐守邸招請
2 岡山における「能」
(1)宝永四年の能舞台初披露前夜
(2)宝永四年九月二十一に御後園における初めての「能」
(3)御後園での「能」の拝見者と実態
(4)御後園における「能」の番組、役者
(5)御後園能舞台築造以後
第五章 結び
1 元禄期大名綱政の「能」の特色
(1)綱政の日常における「能」
(2)将軍家との関わりにおける演能
(3)御後園における「能」
2 元禄期大名池田綱政の「能」にみる元禄期大名と「能」の姿
あとがき

前書きなど

為政者側による高水準の芸術・芸能の提供は、名君と称される江戸期の大名たちが行った経済政策などと並び賞賛されてしかるべきである。なぜなら、文化の一極集中排除が叫ばれつつある現在、江戸元禄期の岡山においては少なくても中央(江戸)に負けず劣らず文化の高揚が見られたということを示してくれている綱政の事例は、「文化の地方分権」の一端といってもよいからである。(あとがきより)

著者プロフィール

西脇 藍  (ニシワキ アイ)  (

1976年岐阜市生まれ。就実女子大学文学部史学科卒業。京都橘女子大学文学研究科歴史学専攻博士後期過程修了。博士(文学)取得。
論文「岡山藩主池田綱政と「能」-元禄期の大名の生活と能-」(京都橘女子大学大学院研究論集・文学研究科第3号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。