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民藝とくらしき
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2002年5月
- 書店発売日
- 2002年5月31日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2016年6月24日
目次
第一章 民藝のまち「くらしき」
暮らしの中の美 14 用の美 17
日用に使う工芸品 20
第二章 大原家と「民藝」
大原孫三郎氏と日本民藝館 26
孫三郎氏と民藝を結んだ酒津焼 29
父子鷹 33 「不可能を可能にする」ことに、全力 36
沖縄文化にふれて 39 沖縄文化の娘村 42
芭蕉布復活 45 岡山県民藝協会の設立 48
新しい息吹 51 倉敷民藝館開館 54
日本らしい物に出合う 57
暮らしのあり方を問いつつ 60
第三章 民藝を支えた人たち
外村吉之介氏 66 藍染めの筒袖とモンペの職人姿 69
生涯硬派を貫き通す 72
「世界一小さい学校」倉敷本染手織研究所 75
武内晴二郎氏と柚木沙弥郎氏 78
「思いがあれば、技術は後から付いて来る」 80
難しい仕事のパイオニア 83
手仕事の有り難さ 86
第四章 倉敷の民藝品
備中和紙 90 一枚の紙に精魂を込めて 93
倉敷硝子 96 宿命的な出会い 99
本染手織 102 自然に対して従順に 105
藍染めについて 108 絣の模様 111
陶芸について 113 寒風春木窯・沖塩明樹氏 117
民藝の理想を生きる 119
花筵 122 倉敷はなむしろ株式会社 125
倉敷段通 127
第五章 民藝を身近に
民藝品の生産と流通 132
杉岡泰氏と民藝振興会社 134
陰になり日向になって 137
第六章 倉敷の町づくりと建築家
ヨーロッパの町並みの美しさを理想に 142
倉敷教会堂と西村伊作氏 161
天城幼稚園と遠藤新氏 164 西洋への憧れ 168
薬師寺主計氏の残したもの 171
倉敷のデュドックめざし 174
珈琲館から倉敷・アイビースクエアへ 178
「何もしない」が新しい価値を 180
倉敷中央病院 183 藤木工務店 186 和田精一氏 190
倉敷市立美術館 193 倉敷の町家 195
前書きなど
はじめに
これから倉敷と民藝をテーマにお話ししたいと思います。
倉敷で、民藝と言いますと、たいていの方には、あの美観地区にある、倉敷民藝館を思い出していただけることと思います。中に入ったことがあるかどうかは別にして、倉敷に民藝館のあることは、多くの方がご存じでしょう。
私は、岡山県民藝協会に所属しますが、倉敷民藝館の母体が岡山県民藝協会で、協会の事務所も民藝館の中に置かれています。じつは倉敷民藝館は、この世界では全国的なブランドなのです。各地に民藝の組織がありますから、「岡山県」民藝協会と名乗っていますが、年輩の方は「倉敷」民藝協会と思っておられるのではないかと思う程、「倉敷」の名の方が通りがよいのです。ですから岡山と倉敷を使い分けて、何か大事な発言をする時には、岡山県よりも倉敷を使って主張し、逆に何か責任負担する場合は、岡山県を出すというように、使い分けています。
冗談はともかく、そのように全国的には倉敷と民藝の関連の深さから、倉敷を「民藝の町」と考える人が多いのは事実です。「倉敷」と「民藝」とは、とても縁が深いのです。
倉敷には、熱心な先輩が何人もおられたお陰で、戦後すぐにここを中心に、岡山県民藝協会が組織されました。そして、それを基盤として、倉敷民藝館が作られました。民藝館と協会は力を合わせて、畳表や手漉き和紙、吹きガラスなどの生活に直結した民藝品を開発し全国に発信しました。更に、岡山のデパートに立派な売り場を設けて販売組織を開き、各家庭の生活文化を高めてきました。全国レベルで見ても、倉敷、岡山は民藝では大変に優秀なところです。
民藝協会は全国規模で、およそ各県単位にあると言ってよいでしょう。その連合組織の本部というべき日本民藝協会こそ東京に置かれていますが、岡山は民藝の先進県で、倉敷がその中心です。私は、全国の民藝の実質的な中心は倉敷にあるとさえ考えています。
熱心な先輩方の努力のお陰で、せっかく倉敷に育っているこのような伝統を、守り、生かし、更に発展させて文化をより確実なものとしていくことは、今後の地域の発展にとっても、とても大切なことと考えます。本書では民藝そのものの説明をするとともに、倉敷と民藝の関わりを紹介し、倉敷に絡めながらの、民藝のご説明ができればと考えております。
二〇〇二年 四月
上記内容は本書刊行時のものです。
