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おはなしの帽子
イギリスおはなしの旅
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年6月
- 書店発売日
- 2012年6月10日
- 登録日
- 2012年6月7日
- 最終更新日
- 2012年7月3日
目次
プレリュード
序章(おはなしの帽子)
第1章 ゴダイバ夫人の伝説
第2章 おばあさんと豚
第3章 ウェールズの城で(ゴールデンタッチ/目の見えない男の話/ある戦場で)
第4章 眠れる王
第5章 伝説の旅(クレフの幽霊/カルガース荘の悲鳴/ロングメグと娘たち)
第6章 妖精資料館(妖精の国に住むタムリン)
第7章 島の小学校を訪ねる(仕事のきらいなマラッグさん)
第8章 テント住まいのストーリーテラー(王様とランプ/仕立屋とおはなし)
第9章 ある森の中で(背が高くなりたいネズミの話/ある森の中で)
あとがき
前書きなど
あとがき
この本の中のイギリス、ギリシャ、アフリカの昔話、民話、伝説は、後に述べる英語版を参考にした著者による再話です。また、「目の見えない男の話」は、ノルウェーのストーリーテラー、ベリット・ゴッダガーが、ヒュー・ラプトンから聞いた話として、著者に語ってくれました。「ある戦場で」「眠れる王」は、イギリスのストーリーテラー、ニック・ヘネシーから、「クレフの幽霊」は、カナダ在住、イギリス出身のストーリーテラー、ゲイル・フリッカーから、「ストーリーとツゥルース」、「カルガース荘の悲鳴」、「ロングメグとその娘たち」は、湖水地方のストーリーテラー、タフィ・トーマスから、それぞれいただきました。スコットランドのストーリーテラー、故ダンカン・ウィリアムソンからも、生前、日本語の翻訳と語りを喜んで多いに励ましていただきました。ここに、こうした海外のストーリーテラーの方々との出会いが、この本に結実したことへのお礼を述べたいと思います。また、二十数年にわたる「松山おはなしの会」の活動で、会の皆さんを初め、子どもたちや様々な人々に、私自身の創作や翻訳の話を聞いていただいたことにも、お礼を述べたいと思います。この本をまとめるにあたって、「目の見えない男の話」のタペストリーの他、夢来怜子さんには、かばんやくつやハープなど、この本の重要なイラストや助言もいただきました。重ねてお礼を述べます。ありがとうございました。
この本は、十四歳になる主人公、夕湖が、祖父母の家に行って、偶然見つけた、約百年前の古い本の中にあった「おはなしの帽子」との出会いから始まります。「イギリスおはなしの旅」は、「おはなしの帽子」を見つける旅でもあるのです。暗号が書かれたおはなし絵地図をたよりに、夕湖とともに、お話を語る人も、語らない人も、子どもも大人も、イギリスを旅しながら、お話とその背景の景色も一緒に楽しんでいただくようにと願っています。お城で行われている語りの祭典、パブのコンサート、伝説ツァー、妖精資料館、孤島の小学校、テント住まいの伝承の語り手というように、昔話やお話が語られているところを、エリザベスおばあさんと馬車に乗って訪ね、城では、「おはなしのつえ」、パブでは、「おはなしのハープ」というように、お話を紡ぎ出す助けとなる道具に出会い、暗号を解いていきます。最後に謎が解け、「おはなしの帽子」を手にした夕湖は、エリザベスに助けてもらいながら、お話を語るようになります。夕湖は、今語り始めたばかりです。夕湖が、これから語り手としてどのように成長するかをどうか見守ってください。夕湖への励ましの言葉もお待ちしています。
そして、この本を手にしたあなたは、「おはなしの帽子」を持っています。この本の中のどの話でも、自分の口調に合うように変えて、自由に語ってくださることを期待しています。
著者から、心を込めて「おはなしの帽子」をあなたに届けます!
光藤 由美子
2012年6月
上記内容は本書刊行時のものです。