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美女ありき 川本 三郎(著) - 七つ森書館
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美女ありき 懐かしの外国映画女優讃

発行:七つ森書館
四六判
264ページ
上製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-8228-1367-3
Cコード
C0074
一般 単行本 演劇・映画
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年1月
書店発売日
登録日
2013年1月22日
最終更新日
2013年1月22日
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書評掲載情報

2013-03-03 日本経済新聞
2013-02-03 産經新聞

紹介

綺羅星のごときスターの中でも、ひときわ輝いた女優たち33人を、こよなく映画を愛する評論家がピックアップしました。みずからの青春時代、かつてスクリーンに見入った女優たちの思い出を綴ります。

エリザベス・テイラーやヴィヴィアン・リーなど誰もが知る大女優から、憂い顔のアイドルだったクリスティーネ・カウフマンまで。有名女優ばかりでなく、知る人ぞ知るという存在の女優もその中には含まれています。

なお、作品の写真図版は142点を収録しました。生年月日から身長、出演歴や受賞歴など女優に関するデータも充実しています。なお書名の『美女ありき』とは、ヴィヴィアン・リーが『哀愁』に続いて出演したイギリス映画のタイトルでもあります。

目次

五十音順目次

エリザベス・テイラー
日本の女性たちの夢と憧れ
「時の流れ」を演じきる
私生活にも劇的な物語
不幸が彼女を美しくする

ヴィヴィアン・リー
女優誕生のハリウッド伝説
共感呼ぶ薄幸のヒロイン
栄華と悲劇を生きて

デボラ・カー
クールな顔と熱い心
気品あふれる演技派

フランソワーズ・アルヌール
日陰の花の暗い魅力
女猫のような性的感触

アリダ・ヴァリ
笑顔なきヒロイン

ジーナ・ロロブリジダ
花開く肉体美

ヴァージニア・メイヨ
戦うヒロインと曲線美

ローレン・バコール
女性時代の個性派
舞台への華麗な転身

シルヴァ・コシナ
清純さと甘い官能美

ドリス・デイ
黄金時代の申し子
セクシーで陽気な個性

ドロシー・ダンドリッジ
早すぎた黒人スター

パイパー・ローリー
驚くべき演技派への転身

ミレーヌ・ドモンジョ
無邪気な小悪魔

ナタリー・ウッド
大きな目に魅了され

キャロル・ベイカー
色気たっぷりの赤ん坊

マリア・シェル
演技に潜む感情の力

エリナー・パーカー
匂いたつような美しさ

ジェニファー・ジョーンズ
黒髪が映える美女

ジーン・セバーグ
魅惑のセシール・カット

レスリー・キャロン
魅惑のファニー・フェイス

スーザン・ヘイワード
遅咲きの大輪の花

ジェーン・マンスフィールド
愛くるしいセックス・シンボル

アニタ・エクバーグ
ひそかな罪深い喜び

スーザン・ストラスバーグ
魅惑的な永遠の少女

ジャンヌ・モロー
転機になった新人監督の名作
聖なる悪女の魅力
わがままと愛らしさ

グロリア・グレアム
フィルム・ノワールの悪女

キム・ノヴァク
ミステリアスな透明感
神秘的な美しさ
きわだつ大人の色香

シャーリー・マクレーン
笑顔のコメディエンヌ
キュートなショートヘア
黄金のハートを持つ娼婦

ジョーン・コリンズ
妖艶で危険な魅力

キャサリン・ヘプバーン
わが道を往く知性派
「女性の時代」の大女優

テレサ・ライト
良妻賢母のイメージ

ヒルデガルド・ネフ
官能的な退廃美

クリスティーネ・カウフマン
憂い顔の正統派美少女

あとがき

前書きなど

あとがき

 昔の女優たちはどうしてあんなにもきれいだったのだろう。いま彼女たちの写真を見ていて改めてその美しさに溜め息が出る。
 家庭のなかにあるテレビと違って、映画は映画館で見る特別なものだった。そこに現れる女優たちは普通の日常からは遠く離れたところにいる夢の存在だった。仰ぎ見る憧れの美女だった。この感覚は、生まれた時からテレビを見て育った世代には分かってもらえないかもしれない。
 私の十代の頃、昭和三十年代は、映画人口が十億を越えていた(日本人が平均一年に十本見る)映画の黄金時代だった。映画そのものが暮しのなかで特別の楽しみだった。娯楽や文化というよりも、映画は夢の世界だった。
 本書で採り上げている女優たちは、その十代の頃に憧れた懐かしい欧米のスターである。エリザベス・テイラーからクリスティーネ・カウフマンまで三十三人。大スターもさることながら、いまではほとんど語られなくなったヴァージニア・メイヨ、シルヴァ・コシナ、ドロシー・ダンドリッジ、パイパー・ローリー、ヒルデガルド・ネフら、忘れられた女神たちも加えている。彼女たちのことを大事に憶えているファンがいたらうれしい。
 映画を好きになったのは小学校の高学年になってから。近所に阿佐ヶ谷オデヲン座という、いい三番館があった。ここが映画の学校になった。といっても監督やテーマで映画を見ることは十代ではまずない。やはり美しい女優に惹かれた。美女、清純派、神秘派、そして無論、妖艶なグラマー。
 映画の黄金時代に十代を過ごしたことを、いま本当に幸せに思う。毎週のように二本立て(時には三本立て)の映画館で美女たちに会うことができたのだから。
 近年、ビデオのソフトは実に充実してきている。もう二度と見られないと思っていた昔の映画がビデオになる。たとえば、この原稿を書いている時点で、ジュネス企画からアリダ・ヴァリ主演の『奇蹟は一度しか起こらない』のDVDが発売されたばかり。夜、仕事が終わったあとに酒を飲みながらひとりこうした昔の映画を見る。懐かしの美女と再会する。こんなに幸せな時はない。……

著者プロフィール

川本 三郎  (カワモト サブロウ)  (

1944年東京生まれ。東京大学法学部卒業。評論家。1991年に『大正幻影』(岩波現代文庫)でサントリー学芸賞、1997年に『荷風と東京』(岩波現代文庫)で読売文学賞、2003年に『林芙美子の昭和』(新書館)で毎日出版文化賞と桑原武夫学芸賞、2012年『白秋望景』(新書館)で伊藤整文学賞を受賞する。映画評論集としては『現代映画、その歩むところに心せよ』(晶文社)、『銀幕風景』(新書館)、『銀幕の銀座』(中公新書)などが近著。また、逢坂剛氏と共著の映画をテーマにした対談本に『大いなる西部劇』『誇り高き西部劇』(ともに新書館)、『さらば愛しきサスペンス映画』(共著、七つ森書館)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。