版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
アジアの秘境  ゆったり旅行 二村 忍(著) - 七つ森書館
....
【利用不可】

書店員向け情報 HELP

アジアの秘境 ゆったり旅行 (アジアノヒキョウユッタリリョコウ) シルクロード・チベット・雲南 (シルクロードチベットウンナン)

趣味・実用
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:七つ森書館
四六判
240ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-8228-1252-2   COPY
ISBN 13
9784822812522   COPY
ISBN 10h
4-8228-1252-9   COPY
ISBN 10
4822812529   COPY
出版者記号
8228   COPY
Cコード
C0026  
0:一般 0:単行本 26:旅行
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2012年6月
書店発売日
登録日
2012年6月6日
最終更新日
2013年11月19日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

 タクラマカン砂漠の砂丘を歩き、8848メートルのチョモランマを眺め、五体投地で祈りを捧げ、メッカを拝む人々に出会い、羅平の菜の花や横断山脈の高山植物が彩りを添えて、延々と広がるゴビタンや急峻な谷間を縫う。
 路線変更あり、途中下車あり。バスで気ままにめぐる4ルートを150点あまりの写真で紹介する。

目次

はじめに

1章 シルクロード~天山の恵・中央アジアへの道~
    西安  旅のはじまりは西安
    西安→平凉  途中停車の旅
    平凉→蘭州  六盤山は話題に事欠かない
    蘭州  戦争とシルクロード
    蘭州→武威  蘭州は牛肉面
    ……

2章 雲南~少数民族回廊・ラオスへの道~
    昆明  東南アジアの人口
    昆明→石林→-羅平  羅平の春、春、春
    羅平→元陽  食は道中の食堂にあり
    元陽  幾何学模様のような棚田
    元陽→緑春  霧の中の出会い
    ……

3章 雲南・チベット~茶馬古道・ラサへの道~
    昆明  茶馬古道ラサへ
    大理→騰衝  雲南まで攻め入った日本軍
    大理→麗江→シャングリラ  沖縄のシーサーと雲南のマヤー
    シャングリラ→徳欽  静寂の梅里雪山はもう見られない
    徳欽→ツァカロ  ジャージャー麺は椀子そば
    ……

4章 チベット~民族の十字路・カシュガルへの道~
    ラサ  ラサってこんな都会なの?
    ラサ→シガツェ  聖聖川ヤルツァンポ
    シガツェ→ニューティンリー  チベット仏教は同じ仏教とは思えない
    ニューティンリー→ロンプク・ゴンバ→ティンリー  お気軽チョモランマ
    ティンリー→サガ→パルヤン  遊牧民のゆとり
    ……

前書きなど

はじめに

 中国・西安からトルコ・イスタンブールへ、ロシアのイルクーツクからベトナム・ホーチミン──ひたすら道を繋いできた。バスや4WDで陸路を辿るツアーで走り続けた距離は約36万キロ(地球を9周)、足跡を残した国は100ヵ国に達した。
 私は1979年初めて外国に、83年に中国大陸に第一歩を踏み、その後はJTBの北京・上海駐在員として、あるいはルック専任ツアーコンダクターとして世界を回ってきた。93年、中国とカザフスタン(当時はソ連)のホルコス国境に立った。かつてここは閉ざされていた場所、NHKのシルクロード取材班も越えられない行き止まりであったが、ソ連が崩壊して各共和国が独立し、扉は開かれ往来が可能になっていた。この道が続く限り、どこまでも走り続けてみたい、ユーラシア大陸を横断してみたい、そう私は強く思った。
 次第に陸路を辿る旅に魅力を感じ始めていた時、ひょんなきっかけから、「ユーラシア大陸横断バスの旅50日間」を企画することになった。そして95年、JTBの主催でツアーを催行し、私が全線を添乗したのだ。車は鉄道や船よりも遙かに風景が近く、普段着の人々の生活空間を垣間見ることができる。気の向いた食堂で地元の料理を楽しみ、民家を突撃訪問し、路線バスでは不可能な「あっ、花」「おっ、ハミ瓜!」の声でバスを停めるような自由さがたまらなかった。私自身がのめり込み、お客さんと様々な国の道に轍を残していった。
 もちろん、シルクロードで集中豪雨に遭って道路が流され、未舗装の迂回路を走らされたり、ラサに向かう道では工事で8時間も立ち往生したりと、苦労したこともしばしばだ。それでも、平均年齢68歳のお客さんたちは、「楽しかった」「大きなトラブルは困るが、小さなトラブルはないとつまらない」と日記に書いた。観光地巡りだけでは決して味わえない、発見と感動があったからに違いない。そして何より壮大な歴史絵巻、人知を超えた自然にロマンを感じたからだろう。
 この本ではそんなツアーのハイライト、中国のシルクロード・雲南・チベットの道を紹介する。中国ではもっとも変化に富む、魅力的な地域だ。タクラマカン砂漠の砂丘の海を越え、標高8848メートルのチョモランマを崇め、来世の幸せを願う五体投地の祈りに触れ、羅平の菜の花に圧倒され……。そして、紺碧の空の下で、鼻水垂らした子どもの底抜けの笑顔に出会う。
 中国に関するニュースを聞かない日はない。しかし、伝えられるのは一面的な、批判的なものがほとんどだ。けれども、実際に自分で陸路を巡れば、中国は世界でも屈指の自然の宝庫で、地産地消の豊かな食に溢れているとわかるだろう。反日のイメージが強い中国人から、一緒に写真を撮ってほしいと声を掛けられことも度々だ。この本では、陸路を辿る旅を媒介に、中国の素顔に迫ってみた。どこからでも、好きに読み進めてほしい。この本とともに旅に出て、また別の中国を知っていただけたら、こんなに嬉しいことはない。
 最後に、一緒に多くの旅をしてくださったお客さんたち、執筆を薦めてくださったルポタージュ作家の鎌田慧さん、バスツアーの基礎を作ってくださった元JTB中国の市川辰雄支店長、国内外の旅行会社や名も知らない地元の人々、応援してくれた友人たちや家族に感謝の意を表したい。ありがとうございました。

著者プロフィール

二村 忍  (ニムラ シノブ)  (

1959年、東京生まれ。琉球大学農学部卒業(1980~81年、台湾留学)。1983年に中国大陸に第一歩。1985~86年、JTBの北京・上海駐在員。1987~89年、JTBのルック専任ツアーコンダクターとして世界を回る。1995年、JTB主催「ユーラシア大陸横断バスの旅50日間」を企画・添乗。以降、バス旅専門の企画・添乗。お客さんと約100ヶ国、約36万キロ(地球を9周)、中国の全世界遺産と全省をバスで走破。関野吉晴さんのグレートジャーニー、賀曽利隆さんの中国バイクツアー、戸井十月さんのユーラシア大陸横断に関わる。2006年、第10回ナショナルジオグラフィック写真コンテスト優秀賞受賞。現在、(株)ユーラシア企画代表。

上記内容は本書刊行時のものです。