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第十堰日誌
- 初版年月日
- 2011年12月
- 書店発売日
- 2011年12月14日
- 登録日
- 2011年12月6日
- 最終更新日
- 2012年2月17日
書評掲載情報
2012-05-27 |
読売新聞
評者: 畠山重篤(カキ養殖業) |
2012-02-05 | 朝日新聞 |
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紹介
徳島県・吉野川可動堰計画の是非を問う徳島市の住民投票運動リーダー、故・姫野雅義が14年にわたり書き綴った運動の軌跡と川への思いをまとめる。
目次
第1章 川を思う
第2章 市民が動く
第3章 みんなで決めよう
第4章 圧倒的な民意
第5章 緑のダム・未来の川
第6章 若い力
あとがき 「3.11」の今、姫野さんを思う(滋賀県知事 嘉田由紀子)
市民運動の新しいやり方(作家・カヌーイスト 野田知佑)
姫野雅義と第十堰関連年表/吉野川流域図
前書きなど
市民運動の新しいやり方──作家・カヌーイスト 野田知佑
姫野雅義に初めて会ったのは、22年前の長良川の川原である。
1989年、長良川の河口堰反対のカヌーイストミーティングをやった時だ。この河口堰問題は、最初、全国紙の地方版にしか載らなかったが、次第に国内の耳目を集め、全国版に載るようになり、多くの人びとが横暴極まる建設省のダム政策に反対の声を上げた。
長良川には、徳島から二人の人間が参加していた。一人は細河内ダム問題に悩む木頭村の藤田恵村長で、もう一人が姫野だ。姫野は当時ぼくが住んでいた鹿児島に何回かきて、今度、長良川の河口堰よりも大きなダムが吉野川の第十堰に作られる、といった。
その後、吉野川の上流の村で徳島県内の大学の教授だという人物に会った。
「吉野川にも河口堰を作るそうですね」
というと、その御用学者は大きな声で叱責するように答えた。
10分も資料を読めば、改築どころではなく、第十堰を取り壊して別の場所に新しくダムを造る計画であることが分かる。それまでぼくは川辺川ダムに始まって長良川河口堰と、十数年に渡って建設省とつきあってきたが、彼らの虚言癖は相変わらずであった。ぬけぬけとすぐばれる嘘をいうのだ。彼らはありとあらゆる嘘をつく。そして権力を乱用して、反対する人間を弾圧する。……
上記内容は本書刊行時のものです。