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漂流少女
夜の街に居場所を求めて
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年7月
- 書店発売日
- 2010年7月26日
- 登録日
- 2010年7月7日
- 最終更新日
- 2014年8月27日
紹介
新宿歌舞伎町、渋谷センター街。著者は夜の街を漂流する少女たちに声をかけ、誰にも言えなかった不安や、どうすることもできない現実に耳を傾ける。
そこで語られた、少女たちの日常とは!? “危うい少女たち”の現状を知らせる渾身の1 冊!
目次
歌舞伎の子─ヒカリ
少女を求める男たち
夜明けのSOS─アーニャ
顔をもたないセックス─ミナとアオイ
くり返すつまずきと、 残った希望
《伝えたい、キミの声》
〈2章〉自分に罰を
隠れた傷あと─ユウ
声にならない叫び─カオリ
彼女たちの話を聞く人として
《 VOICESマガジン始動》
〈3章〉夜の彷徨
夜の街で見つけて─チサト
家なき少女─アイ
初めての決断─アコ
マンバ・ギャルの卒業式─のんタン
たった一人の出産─アイ2
変わらない心で寄り添うために
《 bondプロジェクト、@cafeMELTへ》
あとがきにかえて ─支えてくれる仲間たち
前書きなど
まえがき
新宿や渋谷の繁華街を歩き、気になる女の子を見かけると、声をかけ、話を聞かせてもらう。そんな〝夜の声かけ取材〟を週末ごとに続けている。私が話を聞く少女たちは、援助交際やリストカット、OD(薬物過剰摂取)などといった、広い意味での〝自傷行為〟をくり返している子が多い。
女の子たちから話を聞くようになったのは、私が18歳のころだ。あれから21年、これまでに話を聞かせてもらった少女の数は、トータルで3000人を超えるだろう。最近では、少女たちから連絡をもらって話を聞いたり、メールで相談を受けたりすることも多いが、私の活動の原点は、やはり〝夜の声かけ取材〟だと思っている。
私自身、十代のころは、大人や社会に対する不信感がとてもつよかった。そんな私だから、街の子たちが心を開いて自分のことを話してくれるのかもしれないし、私も彼女たちを、自分の分身のように感じている。彼女たちから話を聞くことで、私自身が救われている部分も大きい 少女たちの声を伝えるために、自分の媒体をもちたいと思い、フリーペーパー『キミの声を伝える―VOICESマガジン』(以下、略して『VOICES』)を立ち上げたのは、2005年のことだ。私が声を聞き、カメラマンである夫のケンが写真を撮るかたちで始まった。
最近ではさらに活動が広がり、昨年設立したNPO法人「bondプロジェクト」では、少女たちの居場所づくりや自立支援等、いろんな活動に取り組んでいるが、私の原点である〝声かけ取材〟は、これからもずっと続けていきたいと思っている。
漂流する少女たち―。見つけられずに彷徨う、その姿は、かつての私自身でもある。
リアルな声を聞きながら「この子たちから、学ばなくてはいけない」ということを、私はいつも感じている。
橘 ジュン
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。