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公文式“プリント狂”時代の終わり 平井 雷太(編著) - 太郎次郎社エディタス
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公文式“プリント狂”時代の終わり (クモンシキプリントキョウジダイノオワリ)

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四六判
縦188mm 横128mm
216ページ
並製
定価 1,800 円+税   1,980 円(税込)
ISBN
978-4-8118-0628-0   COPY
ISBN 13
9784811806280   COPY
ISBN 10h
4-8118-0628-X   COPY
ISBN 10
481180628X   COPY
出版者記号
8118   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
1994年6月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2014年8月27日
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紹介

計算・文字・英語の膨大なプリント。しかし、公文式プリントの徹底検討の結果は? 七〇年代からの日本の学校のテスト競争を勝ちぬくための反復プリント訓練によって大流行した公文。しかし、学校がテスト体制から転換するいま、公文教育はどうなる?

目次

プロローグ・公文式でつくられる人間像◎平井雷太
◎毎日、何十枚ものプリントを幼児にやらせるのが親の愛情?
◎公文式“優秀児”には人間の固有の能力が育つのか◎競争を学習動機にした“公文病”に子どもが蝕まれる
第I章-公文式“プリント狂”時代

孤立した母親を早期教育へ走らせるもの◎北村年子
◎幼児教室は母親の育児ストレス解消の場だった◎胎児から英語放送を、生後三ヶ月から漢字カードで勉強を◎幼児のときから“落ちこぼれ”や高校受験を心配して◎どんな母親が“早期教育ママ”になるのか◎夫婦関係がうまくいかない妻は、三歳児を早期教育にかりたてる◎“一流でない夫”への不満が早期教育から虐待へ◎「いい子」のまま成長した母親が子どもを虐待する◎母親としての「私」はなんのために働き、なにを愛するのか

序列と競争につらぬかれた公文式教育観◎平井雷太
◎小二で微積分の計算ができるのはすごいと納得させて◎子どもにも指導者にも序列をつけて競わせる◎一日、三~四時間も子どもはプリント漬けになっていく◎◎親の努力しだいで“二歳で方程式が解ける”とけしかける◎“自学自習”を目的とした公文であったのに…◎「子どもに採点はできない」と子どもを見くだす◎疑問をもたない“優秀な人間”を量産しつづける

母と娘の公文教室の九年間◎山崎桂子
◎軽い気持ちで、自宅の六畳で公文教室をはじめたが…◎公文の仕事で、家族と夕食をともにできなくなる◎公文をやめるといいだした長女との葛藤のなかで◎勉強をしない長女への仕打ちとして底辺校に入学させる◎「子どもの成長の芽をつんではいないか」と教室を閉じる

第II章-公文式プリントの徹底検討
自学自習力を育てない公文式プリント◎平井雷太
◎公文式は“先生もらく、生徒もらく”な教材か◎サイズが小さく、一日に何十枚もこなすようになっている◎“先生もらく、生徒もらく”というやり方は?

「漢字・ことばカード」は脅迫カード◎伊東信夫
◎0歳児が絵を見て、条件反射で“ことば”を発したとしても◎基本の百五十語がどのような理由で選ばれたのかわからない◎“〇歳児で文字が読めないと普通じゃない」と思わせる◎〇歳から文字を教えようとするのが、親子の暖かいふれあいか

考える力を育てない算数・数学プリントの欠陥◎榊 忠男
◎数詞を順に唱える方法では正しく数がつかめない◎モノの量、位取りや〇の意味がつかめない◎「たす1」は「つぎの数」を唱えることでたし算か◎一150題の「掛け算問題」に理論的構造がないのはなぜか◎計算の意味や構造がわかればむやみなプリントのくりかえしは不要◎公文式で「計算がはやくできる」ことから失われるものはないか

第III章-営利主義がつくりあげた「優秀児」
公文式教育研究の改革と再生をねがって◎清水誓子
◎指導者の立場から「公文」のあり方を問う◎学力不振が騒がれた七〇年代、公文は革新的に思えた◎良心的な指導者も「悪い公文」を支えている◎「すなお」で「夫が無能力」であることが理想の女性指導者像とは!?◎一教室四百人の生徒獲得を奨励するが、それでも経営はきびしい◎公文に子どもを通わせている若いお母さんがたへ

エピローグ・公文式からセルフ・ラーニングへ◎平井雷太
◎疑問を詩に書いて、子どもの実際を見ようと公文を辞めた◎採点はしない、教えない、質問に口頭で答えないやり方で◎どうすれば子どもが自発的に学ぶかのセルフ・ラーニングへ◎やりおえる目安時間を入れ、裏に解答を書いたプリントをつくる◎子どもに採点をさせて問題が表面化したことで◎自分で学習内容を決め、学ぶ体験をとおして子どもは育つ

著者プロフィール

平井 雷太  (ヒライ ライタ)  (編著

一九四九年、長崎県に生まれる。
早稲田大学卒業後、公文数学研究センター、スイス・サマースクールなどの教育現場を体験。
一九八〇年、セルフ・ラーニングを実現可能にする「らくだ教材」の制作に着手。
一九九〇年から「押しつけない・命令しない・強制しない」関係を伝えるニュースクール講座を実地。
現在「セルフラーニング研究所 すくーるらくだ」代表。
著書に『苦悶する公文塾』(一光社)、『らくだが翔んだ』(ウイ書房)、『セルフラーニング・どの子にも学力がつく』(新曜社)、『らくだ式学習法』(日本評論社・協力)、『らくだのひとり歩き』(日本評論社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。