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SPレコード入門 毛利 眞人(著) - スタイルノート
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SPレコード入門 (エスピーレコードニュウモン) 基礎知識から史料活用まで (キソチシキカラシリョウカツヨウマデ)

芸術
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A5判
240ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-7998-0196-3   COPY
ISBN 13
9784799801963   COPY
ISBN 10h
4-7998-0196-1   COPY
ISBN 10
4799801961   COPY
出版者記号
7998   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年5月30日
書店発売日
登録日
2022年4月14日
最終更新日
2022年6月15日
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書評掲載情報

2022-09-03 図書新聞  3557号
評者: 矢野利裕
2022-09-01 ミュージック・マガジン  2022年9月号
評者: 原田和典
2022-08-26 週刊読書人  3454号
評者: 郡修彦
2022-08-01 レコード・コレクターズ  8月号
評者: 小川真一
2022-07-28 管球王国  105号
評者: 新忠篤
2022-06-24 サウンド&レコーディング・マガジン  2022年8月号
2022-06-11 神戸新聞
評者: 山﨑整(神戸学院大学客員教授)
2022-06-04 東京新聞/中日新聞  朝刊
2022-05-21 読売新聞  朝刊  週刊エンタメ
評者: 清川仁
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重版情報

2刷 出来予定日: 2022-06-11
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当初の予想を超えて、各所で高い評価をいただきました。おかげさまで、発売から1ヶ月経たずして重版となりました。アナログレコードへの関心の高さを改めて感じた1冊です。

紹介

アナログレコードへの関心が高まっている現代に最適な1冊。個人はもとより図書館や博物館からも「古いレコードを所蔵しているものの、盤面を見ても年代も記号の意味も何もかも分からない」という声が聞かれる。本書はそんなレコードを所蔵する人々の現場の声から生まれた。趣味性が高いがゆえに学術史料として扱われにくかったSPレコードを、いかにして史料として読み解くか。本書は、昔のレコードを現代に活かす「レコード・アーカイブ学」を提唱し、SPレコードの扱い方、歴史、メタデータの取得法、世界のデータベースの現況を解説したSPレコード・ガイドブック。

目次

序 「SPレコード」というメディア

第一章
SPレコードの扱い方
 Ⅰ SPレコードの買い方
 Ⅱ SPレコードのお手入れ
 Ⅲ SPレコードの保管方法
 Ⅳ SPレコードの聴き方
 Ⅴ SPレコードの分類

第二章
SPレコードの歴史
 Ⅰ レコードの世界史
 Ⅱ レコードの日本史

第三章 SPレコードの基礎知識

第四章 SPレコードのメタデータ
 Ⅰ レーベル情報を読む
 Ⅱ 刻印情報を読む
 Ⅲ レコードの製造時期を読む

第五章 SPレコードのデータベース
 Ⅰ ディスコグラフィ
 Ⅱ データベースの活用
 Ⅲ 歴史的音源をめぐる現状と将来的展望

SPレコード用語集
参考文献
索引

前書きなど

 昔は「割れるレコード」「瓦レコード」といった言い方で通用したSPレコード。明治はおろか昭和すら遠くなりにけりな令和の時代では、もはや死語、古語に近い。しかし一方で新しいファンを獲得し、コレクションアイテムとして普遍的な人気を誇る、不思議な存在である。
 SPレコードとは何かを説明するためには、まず「レコード」が何なのかを説明する必要があるだろう。今日ではヒット曲の数々は音楽配信から生み出される。CD(コンパクトディスク)も根強く新譜がリリースされており、音声記録媒体のソフトとしては主流の地位にある。CDより前の時代に音声記録媒体の覇者だったのがレコードだ。語源はそのものずばり、「記録」である。
 レコードは一九八〇年代にCD(コンパクトディスク)にその座を譲るまで数十年間、広く普及していた。外観はCD同様、平円盤(ディスク)であるが、赤外線レーザーでデジタル信号を読み取って再生するCDとは違って、レコード針がレコードに刻まれた音溝に物理的に接触して音の波形をなぞり、振動信号を音声に変換して再生する。この録音・再生方式がアナログ的であるため、デジタル方式に対応して、アナログレコードとも呼ばれる。
 レコードを楽しむにはプレイヤーが必要である。お手軽なポータブル・プレイヤーから贅を尽くしたハイエンドのオーディオシステムまで、好みに沿ってカスタマイズされた音響機器で「鑑賞」する。流し聴きではなく鑑賞するという行為に没入できるのが、レコードの大きな魅力であろう。そのアナログレコードが「静かなブーム」といわれて久しい。CDに王座を奪われて、レコードの生産高は二〇〇九年には年間十万枚まで落ち込んでいたのが、十年後の二〇一九年には百二十万枚まで増加した。生産されるレコードの内訳を見ると、過去の名盤の再発に留まらず、新譜をわざわざレコードでリリースするアーティストも少なくないようだ。このような流れを見るに、レコードは静かなブームというよりも、復権のきざしを見せているというほうが正確だろう。
 さて、ここで復権のきざしを見せているレコードは「LPレコード」である。SPレコードは、レコードである点では変わらないのだが、LPレコードよりさらに古い時代に主流だった方式のレコードである。ちょっとだけその歴史に触れてみよう。レコードは、開発された順にしたがってSPレコード、LPレコード、EPレコードと呼ばれる種類がある。SPレコードは一九六〇年代初頭まで製造された。その末期はEPレコード、LPレコードと共存しつつ、音声再生ソフトの主流の座から退いていった。それぞれの違いを挙げる。……

版元から一言

アナログレコードは長らく静かなブームとして続いています。近年はweb上の情報やネットオークションの普及によって、SPレコードの蒐集や鑑賞を趣味とするSPレコード人口が増えているそうです。また世界的な潮流として、歴史的録音のデータベース化によって大学研究でレコード産業史や童謡史などSPレコードを一次史料として扱うケースが増えてきました。しかしながらSPレコードは趣味性が高く、全貌が可視化されていないがゆえに、映画分野のように史料批判のベースとなる場が設けられていないのが現状です。そこで「SPレコードの扱い方・情報の読み方」を主軸とし、初心者にも分かりやすいSPレコードの入門書としての面を持ちつつも、個人はもとより、博物館などレコード所蔵館の現場で実用的に使えるマニュアルともなるように本書は制作されました。

著者プロフィール

毛利 眞人  (モウリ マサト)  (

1972 年生まれ。音楽評論家・レコード史家。
 著作に『貴志康一 永遠の青年音楽家』(国書刊行会 2006)、『ニッポン・スウィングタイム』(講談社 2010)、『沙漠に日が落ちて 二村定一伝』(講談社 2012)、『ニッポン エロ・グロ・ナンセンス 昭和モダン歌謡の光と影』(講談社 2016)、共著に『モダン心斎橋コレクション』(国書刊行会 2005)、『大大阪イメージ』(創元社 2007)、『浅草オペラ 舞台芸術と娯楽の近代』(森話社 2017)等がある。
2019年10月、ボン大学に於いてSPレコードの分類活用に関するワークショップと講演を行なう。2022年4月現在、ボン大学・片岡プロジェクト及び早稲田大学演劇博物館の招聘研究員。ビクター・エンタテインメントやインディーズレーベル「ぐらもくらぶ」でSP 盤復刻CD の音源提供・監修を手がけるほか、テレビ番組のリサーチャー、蓄音機を用いたコンサート・講座を行なっている。

上記内容は本書刊行時のものです。