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ミュージッククリエイターのためのPro Tools入門
プロが伝える使いこなしの基本 バージョン10・11・12対応
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年7月
- 書店発売日
- 2015年7月17日
- 登録日
- 2015年6月26日
- 最終更新日
- 2019年12月3日
紹介
プロの音楽制作現場で使われる定番ソフトPro Tools。本書は、その入門者向け解説書。本書をマスターすれば一通りの使い方から、現場で役立つ知識もマスターすることができる。これまでは高価で気軽に使えるソフトではなかったが、今では一般の人も気軽に利用することができるようになったPro Tools。しかし、プロ向けソフトというイメージが強いため、「操作が難しい」「使いこなすのはムリ」と思っている人も少なくない。そこで本書は、使いやすいDAWソフトとしてPro Toolsを紹介。はじめてPro Toolsを使う人が、気軽に音楽制作をすることができるように、システムのセットアップの方法から解説。アレンジやレコーディング、ミックスダウンの作業方法も実践的に書かれている。最後にQ&A方式で、著者推薦の機材などについても触れている。説明するPro Toolsのバージョンは、一番よく使われている11を基本に、10や12のケースも解説。オールカラーで見やすい紙面になっている。
目次
はじめに
第1章・基礎知識
■1 Pro Toolsシステムとは
◇ Pro Tools HD 11・12
◇ Pro Tools 11・12
◇ Pro Tools Express
◇ Pro Tools First
■2 基本的な環境セットアップ
ProTools システム環境セットアップイメージ
◇コンピューター
◇ iLok キー
◇ MIDI インターフェース
◇オーディオインターフェース
◇モニタースピーカー
◇ヘッドフォン
■参考資料 ~初心者向け用語解説~
◇サンプリングレート(サンプリング周波数)
◇ビットデプス(ビット深度)
◇ MIDI(ミディ)
◇ Core Audio
◇ ASIO
◇ AAX
◇ Audio Suite
◇ RTAS
◇ TDM
第2章・基本のセッティング
■3 環境セットアップとインストール
3-1・コンピューターへ接続する周辺機器のドライバーインストール
3-2・iLok アカウントの作成
3-3・iLok キーのドライバーやユーティリティのインストール
3-4・AVID マスター・アカウントとPro Tools ライセンスの登録および最新版インストーラーのダウンロード
3-5・登録済みiLok アカウントへのiLok キーの登録
3-6・iLokキーへのPro Toolsライセンスのダウンロード
3-7・Pro Tools本体とAIR Creative Collectionのインストール
3-8・Pro Toolsの起動
■4 基本的な動作確認
4-1・Macでのオーディオインターフェース動作確認
4-2・Windows でのオーディオインターフェース動作確認
4-3・MacでのMIDIインターフェース動作確認
4-4・WindowsでのMIDIインターフェース動作確認
第3章・曲作りの前に
■5 クイックスタートと基本的な環境設定
5-1・クイックスタート(ダッシュボード)
5-2・プレイバックエンジンの設定
5-3・I/O の設定
■6 編集ウィンドウとミックスウィンドウ
6-1・編集ウィンドウ
6-2・ミックスウィンドウ
第4章・作曲・アレンジ作業
■7 Pro Toolsを使っての作曲スケッチ作業
7-1・クリックトラックの作成
7-2・トランスポートウィンドウ
7-2-1・【トランスポート】ウィンドウの表示方法
7-2-2・【 トランスポート】ウィンドウ内のレイアウト切り替え方法
7-3・インストゥルメントトラックの作成
7-4・テンポの設定
7-5・トラック名の設定
7-6・MIDIレコーディング
7-7・クオンタイズ
7-8・カウンター表示の切り替え
7-9・MIDIレコーディングの続き
■8 楽曲構成を検討しながら決めていく
8-1・表示の拡大・縮小操作(ズームツール)
8-2・クリップを範囲選択して分割
8-3・クリップのトリミング
8-4・整理したクリップの選択と移動
8-5・イントロ部分のレコーディング
8-6・2 コーラスの準備
■9 グルーヴを支えるパートを1つ作る
9-1・ドラムの音色でインストゥルメントトラックを準備
9-2・基本となるパターンをレコーディング
9-3・作成したパターン(クリップ)の複製
9-4・ドラムトラックの追加編集
コラム「オーディオ素材をループさせて活用」
■10 メロディパートを最終的な楽器(歌)で仮レコーディング
10-1・オーディオトラックの作成
10-2・マイクからのセッティング
10-3・モニター音にリバーブをかける
10-4・ヘッドフォンでモニターしながらレコーディング
10-5・クイックパンチ(パンチイン・パンチアウト)
10-6・クロスフェード処理
コラム「クイックパンチのススメ」
コラム「プレイリストの活用術」
■11 楽曲を構成する各パートのダビング作業
11-1・ギタートラックのレコーディング
11-2・外部シンセサイザーのレコーディング
第5章・ミックスダウンそしてリリースに向けて
■12 ミックスダウン
12-1・1つにまとまっているドラムトラックを楽器ごとに分割
12-2・ミックスダウン作業対象のトラック構成
12-3・ミックスダウン作業の主な流れ
12-4・クリップの不必要な部分をトリミング
12-5・タイミングの調整
12-6・ピッチ調整
コラム「エラスティックオーディオを安心して使うためのコツ」
12-7・音量・定位の設定、グループの作成方法
12-8・イコライザやコンプレッサーの基本設定
12-9・オートメーションの基本操作
コラム「ペンシルツールの基本操作」
12-10・マスターフェーダーとトータルエフェクトの使用紹介
■13 バウンス&エクスポート
13-1・WAVファイルとしてバウンスする方法
13-2・MP3ファイルとしてバウンスする方法
13-3・SoundCloudへのアップロード機能
コラム「使用していないクリップ素材をかんたんに把握するには」
コラム「セッション全体をバックアップするコツ」
コラム「ソフトウェアインストゥルメントトラックのオーディオ化」
Q&A
機材関連
理論関連
操作関連
前書きなど
本書で取り上げるPro Toolsについてかんたんに説明しましょう。そして筆者がProToolsを選んで使うその理由も書いておきます。
Pro ToolsとはPro Toolsとは、プロの音楽制作の現場で多く使われている、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション/17ページ参照)の1つで、オーディオやMIDIなどの録音・編集はもちろん、魅力的なソフトウェア音源(ソフトウェアシンセサイザー)やプラグインエフェクトを多数搭載し、作曲関連作業、高品質な音源制作、映像に対する音の編集などもできる優秀なソフトウェアです。「Pro Toolsは難しい」と思われがちですが、プロの現場で使用されるからといって、他のDAWソフトウェアと比較しても特に難しいものではありません。
Pro Toolsを選ぶわけ私はこれまでいろいろなDAWを使用してきましたが、ここ10年位は作曲から最終的なレコーディングまで、Pro Toolsを中心としたシステムでほぼ対応しています。その大きな理由は2つあり、1つは“信頼性”、もう1つは“外部スタジオとの互換性”です。作業を安心しながら集中して進めていくために“信頼性”は不可欠です。また、外部スタジオを利用してドラムやヴォーカルのレコーディングをするような場合、別のDAWのデータに変換する作業(持ち帰ってくる場合はその逆も考えられます)などが発生することもあり、とても面倒です。そういった理由で“互換性”も重要視しています。
これからDAWを使って音楽制作をはじめようとしている人から「Pro Toolsはプロの人が多く使っているので初心者には向かないですか?」とか「まずは他のDAWではじめて、音楽制作に慣れたらプロも使っているPro Toolsをはじめるのがよいですか?」といった質問をよく受けますが、難しく考えることはありません。やりたいこと(目的)さえはっきりしていれば、他のDAWと同じレベルでマスターしていけると思います。そして一度覚えてしまえばその操作はプロの現場でも通用するでしょうし、音楽制作人生の近道になっていくと言えるかもしれません。音楽制作をしていく上で、世界に通用する共通テクニックを身に付けるとも言えるでしょう。本書を手にした方の多くは、これからPro Toolsを覚えていこうと思っている方だと思います。「きっと難しいのだろうな」などと心配せずに、1つひとつ読み進めてもらえたらと思います。
版元から一言
この本は、アビッド・テクノロジーから出ているDAWソフト「Pro Tools」の使い方を基礎からわかりやすく解説したものです。Pro Toolsといえば、大手のレコーディングスタジオでも使われているプロ用のソフトです。以前は数百万円以上もする機器と連動して動くシステムでしたが、いまでは、一般のパソコン上でも使うことができ、値段も購入しやすいものとなりました。
「プロが使うDAW=Pro Tools」というイメージが強いためか、一般の方には、中にはプロの方でも「Pro Toolsは操作が難解」というイメージが強いと聞きます。しかし、実際使ってみるとそんなことはありません。本書は、スタジオや音楽制作でPro Toolsを使いこなしている著者が、やさしく実践的に使い方を説明しています。
さらに、巻末のQ&Aでは、手軽に使えるおすすめのマイクや、マイクプリアンプ、ボーカルレコーディング用のコンプレッサーなどの著者オススメ機材が紹介されています。さらに、標準搭載されているソフトウェアシンセサイザーや、Pro Toolsから楽譜作成ソフトSibeliusへの書き出しなどについても説明されています。
Pro Toolsの機能を一から十まで説明している本ではありません。Pro Toolsで、アレンジやレコーディング、ミックスダウンをしていくのに必要な機能を中心に説明しています。この本をマスターすれば、Pro Toolsを一通り使いこなすことができるはずです。スタジオなど現場でPro Toolsを使いこなす現役プロアーティストの著者ならではの、具体的な実例に則した解説なので、実際にスタジオに行った時や、他のアーティストとのやりとりで不便を感じることもないはずです。本書で、プロの使い方を習得すれば、もうPro Tools初心者ではありません。
上記内容は本書刊行時のものです。