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新装版・カール・オルフの音楽教育 宮﨑 幸次(著) - スタイルノート
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新装版・カール・オルフの音楽教育 楽しみはアンサンブルから

B5判
縦257mm 横182mm
120ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-7998-0114-7
Cコード
C3073
専門 単行本 音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年2月
書店発売日
登録日
2013年1月26日
最終更新日
2017年3月16日
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紹介

三大音楽教育メソッドのひとつとも言われる、ドイツの大作曲家カール・オルフによる音楽教育法の基本を知るための書籍。子どもたちが自ら音楽を作り出し演奏したりできることから、様々な場面で導入されている。本書は、自らオルフ研究所で学んだ著者が、図や楽譜、写真を多用して実践的な指導例を紹介している。また、日本の音楽教育の中でいかに役立てるかについても、学習指導要領との関わりなども含めて解説している。図形楽譜なども収載された実践的な内容。

目次

はじめに
本書について
「オルフの音楽教育」に寄せて

1.カール・オルフの足跡をたどって
 作曲家としてのオルフ
 ・作曲少年の誕生
 ・作曲家及び指揮者となって
 教育者としてのオルフ
 ・ギュンターとの出会い
 ・新たな音楽教育への出発
 ・教育用作品の誕生
 ラジオ学校放送
 ・学校放送の内容紹介
 ・学校放送から学ぶもの
 オルフ研究所
 ・オルフ研究所の音楽教育
 ・指導者としての資質

2.オルフの音楽教育の特徴
 音楽作品の特徴
 ・オルフの芸術作品
 ・オルフの教育用作品
 音楽指導の特徴
 ・学校放送と研究所の指導
 用語の解説とその指導
 1模倣
 2問答
 3即興
 4オスティナート
 5カノン/ロンド
 6ペンタトニツク
 7アンサンブル
 指導で用いる楽器について
 ・オルフ楽器の種類とその奏法
 ・楽器の配置
 ・手づくり楽器
 ・第一段階(同種属楽器による)
 ・第二段階(多種属楽器による)
 ・第三段階(多種属楽器に声、及び身体楽器を混入)
 ・各楽器の即興を生かした表示例(●や印で演奏)

3.指導の実践
 日本での応用範囲
 ・音楽科授業との関連
 ・オルフの音楽教育の指導法

4.巻末資料
 オルフ年表
 作品年表
 文献目録
 引用資料

前書きなど

 カール・オルフは、彼の音楽教育を通して「音楽を楽しむこと」とさらに「音楽をつくる喜び」という素晴らしい指導法を伝えてくれました。
 彼の示した様に、本来音楽とは読んで字の如く音を楽しむものと言えましょう。外国語で演奏をさす言葉は、spielen(独)とかplay(英)などがありますが、この単語には「あそぶ」という意味もあります。
 日本語の場合、演奏する時には普通「あそぶ」という意味はありません。音楽は「演奏する、作曲する、聴取する」のようなかたく、学問的なイメージにとらえられることが多いと思われます。
 音楽科の授業は音楽嫌いをつくっているとか、難しいので嫌いになってきたなどという悲しい声を、時折耳にすることがあります。本来音楽の嫌いな人間は存在し得ないでしょうから、音楽が「音が苦」にならないよう、音楽は難しいものではなく、やさしく楽しいというイメージを是非とも広めたいと思っています。
 筆者にとっての音楽活動は、アンサンブルを通して行うもので、そこにはつくる、演奏、聴く、の三つが必要で、それぞれが調和し合って可能になるものと考えています。つまりここで述べたいアンサンブルとは、一人ではなく、みんなで音楽をつくりながら楽しむ、自由でやさしいものなのです。
 オルフは70数年前から、弟子のケートマン女史とともに、こうした音楽活動を世の人にいろいろなかたちで伝えてきました。彼らの素晴らしい音楽に対する考えを、是非ともさらに多くの人に知って頂けることが筆者の願いであります。またオルフの音楽教育を仕事としている者に課せられた使命と思っています。

版元から一言

テレビ番組などのBGMに使われることも多い『カルミナ・ブラーナ』を作曲したカール・オルフ。オルフは作曲者であるだけでなく、子どもたちの音楽教育にも高い関心を持っていました。
オルフの音楽指導法は、特別に演奏技術が上達するといったものではなく、子どもたちが音楽にいかに親しむかに重点が置かれています。そして「ことば」との関連も重視されています。また、楽器の演奏も既成の楽器だけでなく、オリジナルの楽器も用いて指導をしていき、子どもたちの音楽能力を自然に高め、音楽好きの子どもたちを育てる方法として考えられています。
オルフは当初、舞踊家のドロテー・ギュンターとともに「舞踊と音楽のための学校」を創設したものの、ナチスにより接収されてしまいます。戦後、ラジオの学校放送の制作を依頼され、グニルド・ケートマンの協力で作り上げられたのが、オルフの音楽教育の基本となる『シュールヴェルク』です。現在では、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学内にオルフ研究所として、音楽指導法の研究がなされており、著者も二度にわたって同研究所に留学して、オルフ本人、ケートマン本人とも面識があり研究をしてきました。
本書は、オルフの音楽教育法の基本的な部分が理解できるように書かれていると同時に、オルフがどのようにして『シュールヴェルク』を作るにまで至ったかもわかるようになっています。日本ではオルフの音楽教育に関する資料は少なく、本書は実践的な内容にもなっていることから、学校だけでなく、さまざまな音楽教育に携わる方々にとって貴重な資料となることでしょう。

なお、本書は、1995年にレッスンの友社から発行された『オルフの音楽教育』に若干の加筆修正を加えて新たに作り直した新装版です。

著者プロフィール

宮﨑 幸次  (ミヤザキ コウジ)  (

武蔵野音楽大学音楽学部作曲科卒業、及び同大学専攻科修了。故クラウス・プリングスハイム教授に作曲を師事し、彼の勧めでオルフの音楽教育の研究をはじめる。1976年から2年間オーストリア給費留学生として、また1990年から1991年にかけて、私学振興財団の研修生として再びオルフ研究所で学ぶ。武蔵野音楽大学附属音楽教室を振り出しに、附属高校、同大学音楽教育学科にてオルフの実践と研究をすすめ、夏期研修講座、教員免許状更新講習をはじめ全国各地でオルフの講師もつとめている。現在、武蔵野音楽大学教授。

上記内容は本書刊行時のものです。