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戦後日本人の中国像 馬場 公彦(著/文) - 新曜社
.

戦後日本人の中国像 日本敗戦から文化大革命・日中復交まで

発行:新曜社
A5判
700ページ
定価 6,800円+税
ISBN
978-4-7885-1204-7
Cコード
C1030
教養 単行本 社会科学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2010年9月
書店発売日
登録日
2010年8月9日
最終更新日
2012年5月28日
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書評掲載情報

2010-12-12 毎日新聞
2010-12-05 朝日新聞
2010-11-14 日本経済新聞
2010-10-03 読売新聞

紹介

日中戦争に負けた後、日本人は中国をどのように見てきたのでしょうか。19
45年の敗戦から72年の国交回復までの間に中国では、中華人民共和国とい
う社会主義国家の成立、文化大革命、米中接近と日中国交回復などの大変動が
ありました。しかしその間、正式の国交がなかったため情報も限られていまし
た。その限られた情報源から日本人はいかなる「中国イメージ」を作り上げて
きたかを、戦後、多くの読者を得てきた(今では考えられないが)論壇誌・総
合雑誌とそこに執筆した論者の丹念な分析によって探ります。そこからはまた、
他者を通した日本人の自画像も浮かび上がってきます。斬新な手法で描かれた、
俊英による、スケールの大きな日中関係論・日本人論といえましょう。

目次

◆戦後日本人の中国像――目次

本書を読まれる方へ
言説分析編
序 章 戦後日本の論壇における中国認識経路
その手がかりと分析方法
一 研究の課題と目的
二 総合雑誌と論壇
 1 中国論の形成要因 
 2 マス・メディアによる公論形成 
 3 総合雑誌と論壇の機能 
 4 総合雑誌と論壇の盛衰 
三 中国認識経路 
 1 学術圏における中国認識の価値体系 
 2 市民層における中国認識の価値体系 
 3 知識層における中国認識経路 
 4 日中間における認識経路 
四 認識経路の分析方法 
 1 先行関連研究 
 2 分析対象 
 3 分析方法 
五 本書の構成 
第一章 戦後日本論壇の見た新中国像 一九四五―五〇
日本敗戦・中国内戦・米ソ冷戦のはざまで
一 日本敗戦と中国内戦占領下の雑誌メディアから 
二 中国論者の交替中国学者から親日共系現代中国論者へ 
 1 新たな中国情報源①欧米ジャーナリストのルポ  
 2 新たな中国情報源②日本人の復員報告 
 3 論壇から退場する現地調査派 
 4 マルキストに批判されるシノロジスト  
三 敗戦敗戦責任・加害責任・敗戦処理をめぐって 
 1 中国「惨勝」・日本「惨敗」の要因 
 2 中国に対する恩義と贖罪 
四 内戦日本論壇に映った統一権力の相貌 
 1 中共主導の中国革命イメージ土地改革と毛沢東 
 2 中華人民共和国の国家像 
 3 国家像の多元化・相対化上海・台湾・香港・マカオ 
五 冷戦米ソ対立のなかの日中関係 
 1 アメリカの対中国政策の曲折と講和問題『中国白書』の衝撃 
 2 中国の対日本政策と日本観への注視 
 付記 検閲の実態プランゲ文庫の関連記事から 
六 党派性の濃厚な左派言説 
第二章 中ソの「平和攻勢」に動揺する日本論壇 一九五一―五五
アジアを席捲するナショナリズムとコミュニズムのなかで
一 竹のカーテンから覗いた新中国 
二 日中交流ルートの模索多様化する中国論の担い手 
 1 中国残留日本人の体験記 
 2 政財界要人の中国見聞 
 3 学術文化界識者の中国見聞 
三 アジアを拠点に国際的発言力を強める中国 
 1 アジアのナショナリズム 
 2 「民族と平和」脚光浴びる周恩来 
四 社会主義中国との平和共存は可能か 
 1 社会主義の旗幟を鮮明にする中国 
 2 思想改造運動を展開する中国 
 3 仮想敵日本との「平和共存」から日本への「平和攻勢」へ 
 4 対「平和攻勢」抵抗の拠点焦点化する台湾 
五 二分化される中国論 
第三章 日中復交論に走る亀裂 一九五六―六四
スターリン批判・中ソ対立・台湾海峡危機・中印紛争・核実験の試練
一 論壇誌の倍増と中国論の混迷 
二 いっそう幅を広げた中国論の担い手 
 1 日中復交論を牽引した諸政党 
 2 大量の戦犯の釈放と戦争責任論 
 3 欧米ジャーナリストの名著 
 4 各界の日中交流記録 
 5 土着的コミューン谷川雁の思想と行動 
三 スターリン批判から中ソ論争へ 
 1 フルシチョフ演説の衝撃 
 2 中ソ論争に翻弄される革新勢力 
四 台湾海峡危機・中印紛争・大躍進政策の失敗 
 1 台湾海峡危機と日米安保改定論議 
 2 チベット反乱から中印紛争へ 
 3 隙間から覗く無惨な大躍進政策 
五 安保改定反対闘争から核実験成功へ 
 1 中国の日本軍国主義批判キャンペーンと日本の日中国交回復国民運動 
 2 日本論壇の視界に入ってきた台湾・台湾人 
 3 中国研究の安保闘争AF財団問題 
 4 中共支持者を困惑させた中国核実験 
六 中国論に走る五本の亀裂 
第四章 文化大革命の衝撃 一九六五―六八
日本に上陸した中国革命
一 論壇を席捲した文革論議 
二 封じ込められ孤立する中国 
 1 米中対決をいかに回避するか 
 2 中国の孤立化をめぐる左右各派の論評 
三 学術文藝界の整風運動 
 1 郭沫若の自己批判 
 2 党の権力層に及ぶ整風 
四 街頭に繰り出した紅衛兵 
 1 紅衛兵の衝撃 
 2 破壊か建設か 
五 「?大宅考察組?中共を行く」 
 1 日本人の文革イメージをつくった大宅リポート 
 2 紅衛兵の本質を見抜く 
六 文化大革命の日本上陸 
 1 決裂した日本共産党と中国共産党 
 2 神格化する毛沢東 
七 文革論のバリエーション 
 1 文革批判論 
 2 文革支持論 
 3 賛否対論 
 4 シノロジストからの発言 
小 括 
第五章 文化大革命の波紋 一九六九―七二
中国革命からアジア革命へ
一 文革論議は学術圏から運動圏へ 
二 文革と同調する学生運動  
 1 紅衛兵運動は終息へ 
 2 紅衛兵運動は日本の新左翼学生運動へ飛び火 
 3 新島淳良のコミューン国家論におけるユートピアとディスユートピア 
 4 津村喬の農本主義・エコロジー論 
 5 中国研究の文化大革命CCAS 
三 文革からアジア革命へ日本経済侵略批判と入管闘争 
 1 七〇年安保改定阻止とアジア革命 
 2 華僑青年闘争委員会と新左翼運動 
 3 対アジア再侵略批判キャンペーン 
 4 『情況』の中国革命論 
四 内なる中国革命 
 1 『諸君』の本多勝一批判 
 2 中国革命の問い直し 
 3 中国革命と現在『現代の眼』特集 
五 日本における文革の顛末
 1 真相伝わらない林彪事件 
 2 連合赤軍あさま山荘事件の戦慄 
 3 日本共産党の中共批判 
 4 坂口弘の自己批判 
六 文革期中国論の特質と推移 
第六章 日中復交と歴史問題 一九七一―七二
戦争責任論を中心として
一 歴史問題の萌芽としての日中復交論 
二 日中の戦争責任区別論 
 1 中国政府の対日政策の原則 
 2 日本側の対中戦争責任論と復交論 
 3 米中接近から日中復交へ一九七一―七二年の論壇 
三 実利主義・現実主義的日中復交論  
 1 『日本及日本人』復交消極論 
 2 『文藝春秋』と『諸君』復交積極論者への批判 
 3 『自由』復交慎重論 
 4 『中央公論』復交積極論 
四 道義主義的日中復交論 
 1 『世界』復交推進論 
 2 『潮』復交キャンペーン 
 3 「掘井人」たちの功労に注目 
五 加害責任と自虐史観批判 
 1 『潮』国民の加害責任 
 2 『朝日ジャーナル』近代日本の中国認識と日本軍の加害責任 
 3 『諸君』加害責任否定論 
六 歴史問題の起源としての戦争責任論 
 1 本多勝一のルポ「中国の旅」 
 2 責任・謝罪・賠償 
 3 積み残された戦争責任問題 
七 日中復交論から歴史認識問題へ 
終 章 戦後日本の中国論における担い手と論題
総合雑誌関連記事の歴年推移を通して見た認識経路
一 研究の方法とねらい 
二 中国論の担い手たちとその推移 
三 中国論の論題と中国認識経路の変遷 
四 戦後日本が論じた同時代中国の布置 
注 
証言編
総解説 新中国に投企した人びとの肖像  
 石川 滋 学究派ジャーナリストからマクロ経済学者へ 
 竹内 実 一身で二つの生を生きる 
 山極 晃 同時代発言を行なう歴史学者 
 野村浩一 論壇と学術圏の中心からの発言 
 武藤一羊 国際連帯の可能性を求めて 
 岡部達味 価値中立的スタンスに立ち複合的分析 
 本多勝一 ファクト求め日中戦争の現場へ 
 松尾文夫 米中接近のシグナルを察知 
 北沢洋子 北京の中枢に国際連帯運動の拠点を定めて 
 中島 宏 悪条件のなかの文革期取材 
 小島麗逸 自立経済論を自己批判 
 中嶋嶺雄 論壇を席捲した中国批判の論理 
 西園寺一晃 日中友好と文革の核心にいて 
 加々美光行 「アジアのドラマ」に魅せられて 
 津村 喬 侵略戦争の記憶と紅衛兵の熱気を受けて 
あとがき 
参考文献一覧 
関連年表 
雑誌寄稿者索引 
事項索引 
人名索引 



装幀難波園子

上記内容は本書刊行時のものです。