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1968 上
若者たちの叛乱とその背景
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2009年7月
- 書店発売日
- 2009年7月7日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2010年6月3日
書評掲載情報
2019-12-14 |
朝日新聞
朝刊 評者: 斎藤美奈子(文芸評論家) |
2018-10-06 |
朝日新聞
朝刊 評者: 宮沢章夫(劇作家、演出家) |
2012-06-03 |
日本経済新聞
評者: 桜井哲夫(東京経済大学教授) |
2010-08-08 | 朝日新聞 |
2009-12-13 |
毎日新聞
評者: 田中優子(法政大学教授・江戸学) |
2009-10-04 |
朝日新聞
評者: 天児慧(早稲田大学教授) |
2009-09-13 |
産經新聞
評者: 浅羽通明(著述業) |
2009-09-06 | 日本経済新聞 |
2009-08-02 |
毎日新聞
評者: 田中優子(江戸文化研究者 エッセイスト) |
2009-08-02 |
読売新聞
評者: 井上寿一(学習院大学教授・日本政治外交史) |
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紹介
本書は「1968年」に象徴される「あの時代」、全共闘運動から連合赤軍にいたる若者たちの叛乱を全体的に扱った、初めての「研究書」です。本書は、「あの時代」を直接知らない著者が、当時のビラから雑誌記事・コメントなどまで逐一あたって、あの叛乱がなぜ起こり、何であったのか、そして何をもたらしたのか、を時代の政治・経済的状況から文化的背景までを検証して明らかにします。その説得力には、正直驚かされます。また読み物としても、『〈民主〉と〈愛国〉』で証明済みですが、その二倍の頁数の本書においても、まったく飽きさせることなく一気に読ませてくれます。
上巻では、団塊の世代の幼少期の時代的文化的背景から説き起こして、安保闘争から日大闘争、安田講堂攻防戦までを、高度成長期への集団的摩擦現象として描きます。
目次
◆1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景――目次
序 章
第I部
第1章 時代的・世代的背景(上)―政治と教育における背景と「文化革命」の神話
高度成長と議会制民主主義への不信/都市の変化と人口状況/教育界の変貌/生徒たちのメンタリティ/ベトナム戦争の影響/「加害者意識」と貧しさ/「政治と文化の革命」という神話/「神話」誕生の背景
第2章 時代的・世代的背景(下)―高度成長への戸惑いと「現代的不幸」
幼少期との文化ギャップと「量の力」/少年期文化の影響/性にたいする感覚/大学での経験/教授からみた学生像/空虚感と「現代的不幸」/「空虚さ」から「政治運動」へ/言葉にならない「現代的不幸」へのもがき
第3章 セクト(上)―その源流から六〇年安保闘争後の分裂まで
敗戦と「全学連」の誕生/共産党の穏健化とブントの結成/ブントと六〇年安保闘争/安保闘争の盛りあがりと「敗北」/ブントの分裂/学生運動の低迷と内ゲバの開始/「中核派」と「革マル派」の誕生
第4章 セクト(下)―活動家の心理と各派の「スタイル」
ベストセラーになった活動家の日記/活動家たちの日常生活/活動家の出身階層と家庭環境/社会的開眼とマルクス主義理解/活動参加の契機と運動への見解 /運動への迷いと内ゲバへの見解/無関心派の学生たち/セクトの「スタイル」/セクト加入へのパターン/「カッコよさ」と「ファッション」/セクトの自治会支配と権益/セクトと叛乱の関係/反戦青年委員会
第II部
第5章 慶大闘争
闘争の自然発生と高度成長のひずみ/バリケード内の「直接民主主義」と「日吉コンミューン」/闘争の実情と終焉
第6章 早大闘争
理科系拡充のための学費値上げ/「学園祭前夜」の雰囲気と「産学協同反対」/「教育工場」にたいする「人間性回復の闘い」/闘争長期化と一般学生の乖離 /闘争の泥沼化と内部分裂/共闘会議の孤立と闘争の終焉
第7章 横浜国大闘争・中大闘争
「大学自主管理」としての横浜国大闘争/「生き甲斐」を求めての運動/自主管理の現実と限界/六五年末の「中大コミューン」/セクトの独走に終わった明大闘争/勝利におわった中大闘争/大学闘争の「一般法則」
第III部
第8章 「激動の七ヵ月」――羽田・佐世保・三里塚・王子
第一次羽田闘争/批判一色だったマスコミ/「10・8ショック」/少数派だった「10・8ショック」組/「完敗」だった第二次羽田闘争/転機となった佐世保闘争/戦争の記憶との共鳴/学生と市民の対話/三里塚闘争の開始/暴動と化した王子野戦病院反対闘争/触発とすれちがいと
第9章 日大闘争
恐怖政治下のマンモス営利大学/日大闘争の爆発/日大全共闘の結成と「主体性」/全学ストと世論の支持/バリケード「解放区」の実情/九月の闘争高揚/支持の減少とセクトの侵食/「大衆団交」の実現/苦境におちいった日大全共闘/東大全共闘との共闘の内実/日大を追われた全共闘/闘争終焉と変わらなかった日大
第10章 東大闘争(上)
東大闘争の特徴/医学部闘争の性格/医学部不当処分事件の発生/安田講堂占拠と機動隊導入/「大学の自治」観の世代間相違/全学的に火がついた東大闘争 /噴火した大学院生の不満とミニメディアの氾濫/安田講堂再占拠と闘争の質的転換/東大全共闘の結成/全共闘と一般学生の乖離/「民主化闘争」「学内闘争」としての初期東大闘争/東大全共闘の特徴/「八・一〇告示」と全学封鎖闘争の開始/研究室封鎖と「自己否定」/学部学生に波及した「自己否定」/全学ストの成立と大河内の辞任/「進歩的文化人」への反感/「闘争の高揚」の実態/「言葉がみつからない」/民青の「行動隊」導入/共産党の方針転換と全学封鎖の挫折
第11章 東大闘争(下)
文部省の対策と加藤新執行部の登場/「七項目」の限界と全共闘の「政治」嫌悪/「民主主義」批判の台頭/学内世論の動向とゲバルトの横行/共鳴と反発の双方をひきおこした「自己否定」/第三勢力の台頭/「東大・日大闘争勝利全国総決起集会」の内幕/ノンセクトの台頭とリゴリズムへの傾斜/闘争の荒廃と内ゲバの激化/逃された「勝利」の最後の機会/セクトの思惑と大学院生のメンタリティ/代表団交渉と最後の内ゲバ合戦/安田講堂攻防戦前夜の舞台裏/攻防戦の開始と終焉/運動の後退と丸山眞男批判/闘争のあと
註
上記内容は本書刊行時のものです。