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戦後変格派・山田風太郎 谷口 基(著) - 青弓社
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戦後変格派・山田風太郎 敗戦・科学・神・幽霊

発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ22mm
重さ 400g
408ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-9211-7
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年1月
書店発売日
登録日
2012年12月17日
最終更新日
2018年12月3日
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書評掲載情報

2013-03-17 朝日新聞
評者: 保阪正康(ノンフィクション作家)

紹介

怪奇・幻想・エロ・猟奇・SF的要素などの作品の奇想、風太郎自身の敗戦の記憶や死生観・ニヒリズム、敗戦から高度成長へという時代状況の3つの視点から『忍法帖』などの作品を読み、「戦中派・風太郎」をジャンルを超えた「戦後変格派」として復権させる。

目次

はじめに――「変格」とは何か?

第1章 戦後変格派・山田風太郎の教養――奇想の源泉
 1 書物への耽溺と探偵文壇デビュー
 2 戦後変格派の出発点――「雪女」の構造
 3 「黄色い下宿人」――誰も考えつかなかった対決図
 4 『文学論』的探偵小説批判――「How」より「Why」を
 5 「伊賀の散歩者」――乱歩を書く、その「懐かしさ」を甦らせるために

第2章 滅失の神話――〈風太郎敗戦小説〉考
 1 〈神〉とともに生きた日々――戦争と青春
 2 神の喪失と「人間の憤怒」――何が「陸奥」を沈めたのか
 3 〈聖母〉の誕生と〈神〉への殺意――愛されなくても、愛する

第3章 『太陽黒点』論――最後の〈敗戦小説〉
 1 突然変異と暴走する若者たち
 2 歴史から截断された青春
 3 神話の終焉、殺意の胚胎

第4章 「風太郎忍法帖」という歴史
 1 「風太郎忍法帖」の特殊性――二重の歴史性
 2 『魔界転生』――歴史の蹂躙
 3 忍者と戦争、忍法と敗戦
 4 「あれは、何であったのか?」――「地球的大忍法」の正体

第5章 戦後変格派の医学的・科学的奇想――性的科学小説からタイムトラベルまで
 1 風太郎性的科学小説論
 2 医学的猟奇小説論――生と死の境をめがけて――「人間華」の凄絶
 3 堕胎医探偵・荊木歓喜
 4 反科学・反近代の闘争劇――春画は軍国を滅ぼし、忍法は軍艦を沈める
 5 風太郎最後のSF(?)――文化系タイムマシーン、二百五十年の時空を翔ぶ

第6章 風太郎文学とキリスト教
 1 生むなかれ、繁殖(ルビ:ふゆ)るなかれ――「ウサスラーマの錠」と産児制限
 2 神をもおそれぬパロディ――「ウサスラーマの錠」から「満員島」へ
 3 聖と性――〈聖なる淫売婦〉の物語

第7章 風太郎の「近代的怪談」――最後の戦場
 1 「厠」がつなぐ物語構造
 2 宣戦布告のある戦い
 3 忍者対忍者、弱者の戦略
 4 塗戸漢学、最後の戦場

第8章 風太郎文学における闇の論理――愛の亡霊・悖徳の聖者たち
 1 幽霊は時代に抗う――『幻燈辻馬車』
 2 宗教的奇蹟か、「ゆうれい」か――『明治十手架』
 3 「闇」のキリスト、監獄のイエス――『地の果ての獄』

あとがき――山田風太郎は生きている

著者プロフィール

谷口 基  (タニグチ モトイ)  (

1964年、東京都生まれ。茨城大学人文学部准教授。専攻は近現代日本文学。著書に『戦前戦後異端文学論』(新典社)、『怪談異譚』(水声社)、共著に『闇のファンタジー』(青弓社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。