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日本の「ゲイ」とエイズ
コミュニティ・国家・アイデンティティ
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2013年7月
- 書店発売日
- 2013年7月21日
- 登録日
- 2013年3月14日
- 最終更新日
- 2015年8月3日
書評掲載情報
2013-09-15 |
朝日新聞
評者: 内澤旬子(文筆家、イラストレーター) |
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紹介
差別や偏見にさらされ行政からも除外されていた男性同性愛者たちは独自のコミュニティを築き上げていたが、エイズ政策を通して国家行政に取り込まれ、社会的な地位を確立していった。その過程を聞き書きなどから検証し、生と性の葛藤と経験を抽出する。
目次
序章 「ゲイ」と国家の関係を問う
第1章 HIV/AIDS研究と人文・社会科学
1 文化人類学のなかのHIV/AIDS
HIV/AIDSと啓蒙――経験主義的認識パラダイムの視点
リスク・グループの文化?
HIV/AIDSの文化理論
2 クィア人類学とHIV/AIDS
国民国家とゲイ・アイデンティティ
アイデンティティをめぐる戦略
3 新たな研究の展開に向けて
第2章 日本におけるHIV/AIDSの言説と男性同性愛者
1 奇病としての「AIDS」
2 AIDSの実態把握に関する研究班
3 日本のエイズ第一号患者
4 エイズ・パニックと女性の表象
第3章 エイズ政策と日本人男性同性愛者の主体化
1 HIV感染不安の身体
IGA日本の場合――日本におけるゲイ・アクティビズムのはしり
「薔薇族」の場合――不安に駆られながら隠れる人々
「さぶ」の場合――HIV抗体検査を受検すべきか?
2 新たな主体としての男性同性愛者
3 日本と外国の男性同性愛者
4 「ゲイ」による「ゲイ」のための研究
第4章 HIV感染予防をおこなう責任ある主体の生成
1 歴史に刻まれた疫学調査
2 オーストラリアと「ゲイ・コミュニティ」
日本の疫学研究とオーストラリア
HIV/AIDS研究における「ゲイ・コミュニティ」概念
グローバル化する「ゲイ・コミュニティ」概念
3 MSMを統治する
MSMとは誰か
MASH大阪におけるMSM
カテゴリーをめぐる変遷
4 「ゲイ」という主体と国家の承認
5 日本における「ゲイ・コミュニティの誕生」
MASH大阪の場合
ANGEL LIFE NAGOYA(ALN)の場合
Love Act Fukuoka(LAF)の場合
第5章 HIV感染リスクをめぐる認知と主体の形成
1 研究者によるリスク認知
リスクを定義する
リスクを計算する
2 MSMからゲイ男性へ
MSMを動員する
MSMの臨界点
「ゲイ・コミュニティ」とインターネット
3 男性同性愛者によるリスク認知
不分明領域としてのリスク
リスクと穢れ
「決定」を委ねる
4 HIV/AIDSとともに生きる希望
終章 自己変容の人類学に向けて
HIV/AIDSに関する年表
インタビュー対象者の概要
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。