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新中国の戦犯裁判と帰国後の平和実践
発行:社会評論社
A5判
336ページ
定価
3,600円+税
- 書店発売日
- 2023年1月6日
- 登録日
- 2022年12月12日
- 最終更新日
- 2022年12月12日
紹介
< 70年近く前に行われた新中国による日本人戦犯裁判は、その後の日中関係、とりわけ戦後日本社会の歴史認識あるいは自己認識を映し出す「鏡」であり続けている――。 >
東アジアでは、戦争の体験はなぜ「過去」のものにならないのだろうか。そんな問いを抱えながら、筆者らはここ20年余にわたり、新中国から帰国した元日本人戦犯らの歩みを追いかけてきた。1956年に行われた戦犯裁判の対象者であり、大部分は既に逝去していることから、ずいぶん昔の話を扱っていると感じられるかもしれない。しかし、彼らにとっての「過去」は、「現在としての過去」だった。単なる思い出話でもなく、忘れられない恨み節でもない。現在の自分がどこにどのように立っているかを常に確かめるようにしながら、特徴的な戦争経験、戦犯収容体験を振り返っていた。
(はじめにより)
目次
はじめに 戦犯裁判と帰国後の歩みを合わせて捉える試み
第1部 平和の実現を希求した新中国の戦犯裁判
第1章 新中国の戦犯裁判に対するまなざし 戦犯裁判の比較検討を通して
第2章 新中国はどのように戦犯を裁いたか 法的根拠の成立過程を中心に
第3章 「厳格さ」はなぜ「寛大」と受け止められたのか 初期の戦犯処遇を中心に
第4章 罪はいかに見出されたか 徹底した自己反省という方法
第2部 帰国戦犯が向き合った戦後社会と平和実践
第5章 戦犯裁判と帰国後の平和実践との相互規定性 ある戦犯の戦争と戦後を通して
第6章 侵略戦争の反省を「洗脳」視する 戦後日本の “平和主義”
第7章 帰国後の加害認識の試練 「被害者」感情の強い戦後社会のなかで
第8章 戦争を推進した社会の転換へむけて 「相互援助」が可能にした加害証言
上記内容は本書刊行時のものです。