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決算書分析の方法と論理
会社決算書アナリスト試験公式テキスト【第4版】
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年4月2日
- 書店発売日
- 2022年3月24日
- 登録日
- 2022年1月13日
- 最終更新日
- 2022年3月24日
紹介
本書は一般社団法人資格教育推進機構が行う『会社決算書アナリスト試験』の公式テキストとして試験対策のテキストに留まらず、一般書として広くご利用いただくことを意識して制作しております。
読者の皆さんが安心・安全な経済基盤を築くには、必要な収入を得る手段である就職先や、労働で得たお金を運用するための投資先の選択が必要不可欠であり、その際に決算書分析の能力は必須と言えるものです。本書は、その両面に触れた点に大きな特長があります。
【本書の特長】
1.第1部では会社決算書アナリスト試験受験のための知識の習得のために必要となる内容を収載しており、会社決算書(財務諸表)分析の必要性・見方などをご紹介しております。また、第1部の最終章では実際に会社決算書アナリスト試験を受験することを想定した試験問題例を紹介し、学習の仕方と要点をまとめております。
2.第2部では第1部で学習した決算書分析の思考をさらに将来への学習に繋げるため、簿記の仕組みから詳細に説明しております。
なお、会社決算書アナリスト試験の受験にあたっての最新情報は一般社団法人資格教育推進機構の『検定試験』ページ(https://www.qepo.or.jp/index.html)等をご確認ください。
目次
会社決算書アナリスト試験規則
会社決算書アナリスト試験細則
受験ガイド
会社決算書アナリスト試験出題範囲表 付 解説レジメ
第1部 会社決算書(財務諸表)分析能力の実践
第1章 会社決算書(財務諸表)分析の必要性
1.社会と会社および会計報告の意義―会社決算書分析の必要性―
2.会社決算書(財務諸表)の種類と入手方法
第2章 会社決算書(財務諸表)の見方と解説
1.貸借対照表(連結貸借対照表)
2.損益計算書(連結損益計算書)および包括利益計算書(連結の場合)
3.株主資本等変動計算書(連結株主資本等変動計算書)
4.キャッシュ・フロー計算書(連結キャッシュ・フロー計算書)
補章 国際会計基準の財務諸表
1.財政状態計算書(連結財政状態計算書)
2.損益計算書(連結損益計算書)
第3章 決算書の評価法と考え方
1.はじめに
2.決算書(財務諸表)分析の意義
3.決算書(財務諸表)の評価法と考え方
4.まとめ
【補注】分析手法の例示
第4章 収益性の分析
1.はじめに(学習の方向づけ)
2.企業資産ならびに株主資本対利益の分析と評価
2-1.企業資産収益性の分析
2-2.株主の立場の収益性
3.利益率(収益利益率)の分析と評価
4.効率性(回転率)の分析と評価
5.まとめ(学習の仕方と要点)
第5章 安全性の分析
1.はじめに(学習の方向づけ)
2.短期の安全性の分析
2-1.貸借対照表による方法
2-2.貸借対照表と損益計算書による方法
3.長期の安全性の分析
3-1.貸借対照表による方法
3-2.損益計算書による方法
4.キャッシュ・フロー計算書も利用した分析
5.まとめ(学習の仕方と要点)
第6章 企業価値の分析―株価情報と決算書情報―
1.はじめに―企業評価の意味と意義―
2.企業価値評価の方法
3.まとめ(総括ならびに学習の仕方と要点)
第7章 株式投資の実践―決算書(財務諸表)分析による投資の仕方―
1.はじめに
2.株式投資の目的
3.株式投資の決定と決算書分析
4.まとめと展開
第8章 「会社決算書アナリスト試験」問題の例示
1.はじめに
2.「会社決算書アナリスト試験」問題
3.まとめ(学習の仕方と要点)
資料 決算書(財務諸表)分析指標の計算問題例
第2部 簿記学習への誘いと会社決算書分析の展開
第9章 決算書作成の仕組み:簿記の概観と簿記学習の必要性
1.はじめに
2.貸借対照表と損益計算書の作成
3.まとめと展開
第10章 決算書(財務諸表)を用いた経営分析と経営戦略
1.はじめに
2.損益分岐点分析の基本
3.決算書を用いた損益分岐点分析(収益構造の分析)
4.安全余裕率(安全率)と経営レバレッジ係数
5.次年度に向けた経営計画(企業管理からマーケティングへ)
6.まとめと展開
第11章 有価証券報告書(決算書(財務諸表)および追加情報)を用いた労働生産性の分析
1.はじめに
2.付加価値の計算
2-1.控除法と加算法
2-2.付加価値の計算
3.生産性の分析
3-1.生産性の定義
3-2.労働生産性
3-3.労働生産性の分解(発展)
4.労働分配率
5.まとめ
前書きなど
第4版・はしがき
本書は、一般社団法人 資格教育推進機構が行う「会社決算書アナリスト試験」の公式テキストではある。しかしながら、試験のテキストの次元に留まらず、一般書として流通することを意識している。それは以下の理由に基づく。
生産手段を持たない人が生きていくためには、企業との関わりは必須である。つまり、生産の場としての企業へ労働を提供し、その対価として給料を始めとする、生きていくためのお金を得る。ということは、労働の場としての企業の実情を知らなければならない。この方法が決算書分析であり、これが本書の刊行の第一の目的である。決算書分析能力は、具体的に、就職に際して、企業選択の指針となり、就職後には、自ら選んだ労働の場を理解する能力となる。また、労働組合とりわけ賃金上げ交渉には欠かせない知識となる。これらの行動により「安心・安全な人生の経済的基盤」の確保が可能になる。
さらに決算書分析能力は、自らが生産手段の管理者つまり企業経営に携われるようになったら、必須なものである。経営者いわゆる上級管理者としては言うに及ばず、中間・下級とも決算書分析能力は必要な技能となる。企業を破産させたら、自らは勿論、従業員も路頭に迷う。
以上は、労働の側面から見た生産手段への関わりであるが、人の生産手段つまり企業への関わりは、他の側面からも可能である。それは労働で得たお金を企業に出資すること、つまり、投資家になることである。投資家になれば、生産手段へ出資に応じた持分を持ち、持分に応じた権利を行使できると同時に、果実の分け前に参加できる。前者が議決権の行使であり、後者は配当の享受である。ここでも、投資対象としての企業を見る眼、決算書分析能力が必要であり、加えて、投資の論理を学ぶことも必要である。一般に、決算書分析ないし財務諸表分析と言えば、企業自体の分析を解いた本が専らであると思われ、投資の側面にも触れた点が本書の特長と言えるかもしれない。
過去の日本では、国民は、間接金融と言われ、銀行等に預金をし、銀行はそれを企業に貸し付けつまり投資し、その果実つまり利息を預金者・国民に与えていた。しかし、現在の日本は、アベノミクスで経験したように、このような状態にはない。我々は、直接、生産手段・企業に投資しなければ、果実は得られない。安全な地盤から果実を得る体制を作れば「安心・安全な人生の経済的基盤」を確保できる。このためには、自己責任で企業を選択しなければならない。つまり、決算書分析能力が必須となる。企業には、いわゆる伊藤レポートにより投資額に対して8%の利益を上げるように求められている(ROE8%)。
本書とともにある『会社決算書アナリスト試験』はこのような意図の下に実施されている(htts://qepo.or.jp/)。本試験は、以上の本書刊行の意図の下、「安心・安全な人生の経済的地盤」を作る技能を習得して貰うことを目的としている。
読者諸姉諸兄には、本書により、投資家と労働提供者の両側面から、決算書分析能力を学び、その能力取得の証として、当機構の「会社決算書アナリスト試験」の合格証書を手にして欲しいものである。
本書はさらに企業を見る眼を養った後の簿記および会計学学習への道筋も示している。
2022年3月
一般社団法人 資格教育推進機構 代表理事
一橋大学名誉教授 商学博士 新田 忠誓
- 旧版ISBN
-
9784781002804
上記内容は本書刊行時のものです。