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不寛容という不安 真鍋 厚(著) - 彩流社
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不寛容という不安 (フカンヨウトイウフアン)

社会一般
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発行:彩流社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ23mm
重さ 340g
352ページ
並製
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-7791-2393-1   COPY
ISBN 13
9784779123931   COPY
ISBN 10h
4-7791-2393-3   COPY
ISBN 10
4779123933   COPY
出版者記号
7791   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年10月
書店発売日
登録日
2017年8月31日
最終更新日
2021年11月19日
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書評掲載情報

2017-11-26 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 池田浩士(ドイツ文学者)
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紹介

なぜこんなにも生きづらい時代になったのだろうか?

「排外主義」という「敵意」が蔓延する
世界の背後には一体、何が息づいているのか。

現代のわたしたちの「不安」と「憂鬱」は
どのように形成されてきたのか、
「テロリズム」「ヴァンダリズム(文化破壊運動)」
「文化的不寛容」「陰謀論」「植民地主義」等、
歴史的過程から掘り起こしていく。

わたしたちの「価値観」はいかに構築され、
変容するものなのか──

帯文、宮台真司氏!

目次

プロローグ 「生きづらさ」と「不寛容」
  社会の全階層を覆う「薄いガスのような恐怖」
  「信じているもの」に過度に囚われない


第1章 誰が世界を壊したがっているのか
  『金閣が焼けたら……こいつらの法律は無効になるだろう』
  暴力が現実以上の意味を持つ「魔術」に
  「西側とビンラディンのような人間との戦いであり、世界覇権のための戦いではない」
  政治主張を除いたテロリズム
  不完全な世界を受け入れられない


第2章 すべての歴史は修正(リヴィジョン)を免れない
  近代日本は「イスラーム国」だった?
  キリスト教徒への流罪を「寛大な処置」と説明
  一六〇〇か寺あった寺院が六か寺に
  無差別爆撃に対する報復でB29搭乗員を斬首
  出来事の「構成」という名の修正
  どのような人間でもありとあらゆる残虐行為が可能


第3章 暴力と排除をこよなく愛するアイデンティティ
  わずか一週間で生徒全員がファシストに
  「空白を埋めようとする主義が危険」
  一〇〇年前後しか遡れない疑似伝統
  憲法改正というショック療法で日本が救われる
  「男優位の社会」と「戦後家族モデル」
  超時間的な「思い出」から「本然の姿」が現われる


第4章 どんなユートピアもディストピアである
  世俗主義〝疲れ〟による「中世回帰」
  自分の宗教への冒瀆と、他者の宗教への冒瀆を混同する愚
  「我々は選択を迫られている。キリストか、グラルトンか」
  国民と非国民の二つのカテゴリーに選別する体制
  「新たなアパルトヘイト階級社会」の足音


第5章 人間に永遠の命を与えるのは国家だ
  「私心」がなければ「死の恐怖」もない
  「崇高さを帯びる」ということのまやかし
  他者を通じてしか「生の肯定感」は得られない
  「死者の国家管理」に抗する社会の自立性


第6章 〈感情〉という怪物(モンスター)が徘徊している
  日本社会の〝多様性のなさ〟が不寛容を生む
  国家権力が意図しない、自発的な「二分間憎悪」
  「取り残される不安」と「自己イメージ」に躍起になる
  ネットは「階級」を再生産し、可視化する
  真実を映す「透視サングラス」という罠
  「選別する社会は長くは続かない
  会ったこともない誰かを呪い続ける一生か、新しいつながりか


第7章 世界史の教科書に載らない何千万もの死者たち
  誰も語りたがらない史上最大の〝テロ〟
  「人類最大の敵」と呼んだスペイン人の蛮行
  世界帝国と資本主義の生みの親「奴隷船」
  途方もない暴力と収奪によって成立した「豊かな社会」
  第二次世界大戦後も西側諸国の関与で五〇〇〇万人が死亡
  困難に対応できない「脆弱な社会状況」を残す
  強制収容所と無差別爆撃という二大発明
  「それが本当の歴史なら隠すことないでしょう」


第8章 居場所なき時代の絶望、または希望
  現在を人類史の一コマとして観察する
  人間の宇宙的存在を告げ知らせる「陶酔」
  大切なのはどんな人間であるか「だけ」
  「他者が示す模範」にかかっている
  「人間の人間に対する関心」から離れて


エピローグ 「敵」でも「味方」でもないものの方へ
  「プレッパー」という生き方
  新しい認識との出会いと創造性の発揮

前書きなど


『不寛容という不安』ためし読みはこちら!

▼社会学者 宮台真司氏、推薦!

 なにかというと炎上する各国の人々。
 炎上の対象より炎上の主体が奇妙だ。
 社会の問題に見えて実は人格の問題。
 我々はテロリストと「瓜二つ」なのか。
 「テロとの闘い」とは誰と誰の闘いか。
 本書は我々の素顔を映し出すだろう。

 「テロの脅威」「テロとの闘い」が喧伝されて、はや16年経った。
 むろん「我々」とテロリストが似ないことが前提とされてきた。
 しかし本書は、「我々」がテロリストと瓜二つだと告げている。
 なにも最近の話ではなく、国民国家の誕生時からそうなのだ。
 しかも市民革命を知らぬ国に限られず、どんな国でも同じだ。
 複雑な社会では「分断&孤立」が「被害妄想&誇大妄想」を招く。
 「社会の問題」に見えて、多くは大量発生した「人格の問題」だ。
 だから本書は「分断&孤立」と無縁な地球社会はあるかを問う。

                 ──宮台真司(社会学者)

版元から一言


『不寛容という不安』ためし読みはこちら!


【刊行記念トークイベント情報!】
◉著者・真鍋厚さん × 社会学者・宮台真司さん
「分断と孤立を終わらせるには?」
【17.11.13(月)@東京堂書店・神田神保町店

◉著者・真鍋厚さん × ジャーナリスト・常岡浩介さん
「フェイクだらけの世界で自分を見失わないために」
【17.11.25(土)@高円寺pundit'

【紹介・書評】
◉毎日新聞「読書日記:著者のことば」(2017年11月21日/東京夕刊)

◉東京新聞/中日新聞「書評:池田浩士氏」(2017年11月26日)

◉現代書館「web掲示板談話 『不寛容という不安』『手紙は覚えている』と明治150年」森達也氏(2018年2月6日)

著者プロフィール

真鍋 厚  (マナベ アツシ)  (

まなべ・あつし
評論家・著述家。
1979年、奈良県天理市生まれ。
大阪芸術大学大学院芸術制作研究科修士課程修了。
出版社に勤める傍ら評論活動を展開。
『週刊SPA!』が運営するニュースサイト
『日刊SPA!』で、映画の読み解きを通じて
社会問題や戦争などを論じるコラムを執筆している。
【著書】
『テロリスト・ワールド』(現代書館、2016年)。

上記内容は本書刊行時のものです。