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越境する言の葉
日本比較文学会学会創立六〇周年記念論集
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2011年6月
- 書店発売日
- 2011年6月9日
- 登録日
- 2011年3月31日
- 最終更新日
- 2014年12月19日
紹介
グローバル化時代、日本文学は海外でどのように読まれているのかというわれわれ日本人にとって絶えることのない関心事を、比較文学研究の方法をもって、多様な切り口で分析。30人以上の豪華執筆陣による最新の研究成果を盛り込んだ、比較文学会の集大成。研究に役立つ貴重な年表付。
菅野昭正氏 島田雅彦氏推薦!
ある文学作品は他の作品、とくに言語を異にする作品の鏡で照らしだすとき、新しい豊かな面が引きだされることが少なくない。比較文学という学問の極意はそこにある。学会60 周年を記念するこの論集は、わが国比較文学の研究の水準の高さをあらためて明示する最高の資料となるにちがいない。―菅野昭正
日本の外で独自の進化を遂げたニホンは多様性の宝庫であり、驚くべきテーマパークである。そこから新たな日本、可能性の日本が立ち上がる。世界を魅了した日本文学の軌跡と奇跡の集大成がここに。―島田雅彦
目次
「序文 井上 健
総論
はじめに
文学的想像力へのみち ―日本比較文学研究の状況と課題 ― 中川成美
「翻訳の距離」と比較文学の前線 稲賀繁美
アジア語圏
中国における日本文学 劉 建輝
近代韓国における日本文学の翻訳と文化政治 尹 相仁
東南アジアにおける日本文学 平松秀樹
欧州語圏
フランスにおける日本文学 倉智恒夫
ドイツ語圏における日本文学 イルメラ 日地谷= キルシュネライト
スペインにおける日本文学 マリア=へスス デ・プラダ=ビセンテ
ロシア語初訳の宮沢賢治集Миядзава Кэндзи Звезда Козодоя
(よだかの星)サンクトペテルブルク2009年 柳 富子
英米語圏
英語圏における日本文学受容の昨今 榊 敦子
イギリスにおける日本文学 ― ステレオタイプの功罪 新井潤美
日本SFその受容と変容 巽 孝之
世界のなかの日本文学
『万葉集』とその海外での理解 中西 進
世界の中の歌舞伎 ― 海外公演にみる普遍と特殊 ― 河竹登志夫
海外における日本文学の受容 武田勝彦
日本語文学の越境的な読みに向けて 西成 彦
各論
アジア語圏
中国における日本近代文学の初期受容 ― 翻訳集『現代日本小説集』(魯迅・周作人共訳)について 李 雪
『源氏物語』の中国語訳 ― 豊子愷訳の成立を中心に― 呉 衛峰
中国における芥川龍之介文学の翻訳 ―『支那游記』を中心に― 姚 紅
欧州語圏
フランスにおける「詩」概念の変革と日本古典詩歌受容 金子美都子
フランス語の井原西鶴 ―『浮世の月』における試み― 畑中千晶
フランスにおける谷崎潤一郎 大島眞木
フランスにおける江戸川乱歩と横溝正史の受容 間瀬玲子
1930 年代フランスに於ける二冊の日本詩翻訳アンソロジー 佐藤伸宏
ドイツ・オーストリア・ガリチアにおける『寺子屋』劇受容の概観 田中徳一
ドイツにおける森鷗外の受容と反響 ―『舞姫』の翻訳を中心に― 金子幸代
ドイツにおける村上春樹 ― その受容と評価 ― 野村廣之
ヨーロッパの少女マンガにおける「日本」―Yonen Buzz とPink Diaryを例として― 平石典子
スペイン語圏における俳句受容 太田靖子
ロシア日本学の父 ニコライ・コンラドの『源氏物語』紹介 ― 手法の
分析から世界文学的観点の評価へ ― 土田久美子
ロシアが見た『坊っちゃん』― 「橋」をわたり、「橋」をかける― 溝渕園子
英米語圏
英米における能楽愛好者たち ― エズラ・パウンドの創作能「トリスタン」を中心に ― 児玉實英
ゲーリー・スナイダーの宮沢賢治受容 鈴木瑠璃子
E・G・サイデンステッカーと日本文学 ・日本文化 小田桐弘子
アメリカにおける村上春樹の受容 芳賀理彦
海外における「忠臣蔵」― 翻案と研究 佐伯順子
あとがき 私市保彦
索引
日本文学翻訳史年表(1904 ~ 2000 年)水野太朗/西田桐子/友田義行/泉谷瞬
上記内容は本書刊行時のものです。