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事件の哲学 李 正雨(著) - 彩流社
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事件の哲学 ポスト構造主義の定立と展開

発行:彩流社
A5判
432ページ
上製
定価 5,500円+税
ISBN
978-4-7791-1323-9
Cコード
C0010
一般 単行本 哲学
出版社在庫情報
在庫僅少
初版年月日
2008年3月
書店発売日
登録日
2019年7月26日
最終更新日
2019年7月26日
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紹介

「現代思想の革命的概念であるシミュラクル思想を可能にするための作業書」と評価される韓国哲学界の話題作。講義録に基づくため人物紹介や哲学史に関する解説も収められ、難解な哲学書がより身近に読める入門書でもある。

目次

まえがき
第一部 シミュラクルの時代
第1講 生成と構造
1 事件
2 形而上学史のなかのシミュラクル
3 構造主義
4 構造主義を超えて
5 討論
第2講 シミュラクル
6 プラトンと価値―存在論
7 シミュラクルを思想せよ
8 ストア派とシミュラクル
9 討論
第3講 事件と意味
10 三つの意味論
11 言表で表現される純粋事件
12 言表の理論
13 現代思想の道
14 討論
第4講 系列化
15 系列化
16 偶発点としての事件
17 先験的系列学
18 合言/連接、連言/統接、選言/離接
19 討論
第5講 特異性
20 特異性
21 特異性と事件
22 特異性と問題
23 潜在性と分化
24 討論
第6講 客観的先験
25 静的発生と動的発生
26 先験哲学の二つの形態
27 前個体的―非人称的な場
28 討論
第7講 無意味と逆説
29 意味と無意味
30 ドックスとパラドックス
31 中庸への道
32 潜り抜け(transversality)と無位人
33 討論
第二部 人生、死、運命
第8講 滑稽
34 事件の存在論
35 ストア哲学者たち
36 滑稽の哲学
37 禅入門
38 討論
第9講 事件
39 自然と人間
40 自然認識と生
41 摂理、運命、因果
42 事件を受け入れること
43 話題
44 討論
第10講 運命
45 ヤfatumユ について
46 事件の二つの顔
47 死
48 亀裂と没落
49 行為
50 悟り
51 討論
第11講 時間
52 クリュシッポスの時間論
53 クロノスとアイオン
54 時間の迷路
55 討論
第12講 肯定
56 矛盾と不共可能性
57 離接の肯定的総合
58 最大限を肯定する生
訳者あとがき

版元から一言

 第一部「シミュラクルの時代」は、ドゥルーズの代表作『意味の論理学』の中で語られている「事件の存在論」を取り上げ、それを身近な例や平易な言葉を用いて解説しながら、入門編としてシミュラクル思想を論じ、第二部「人生、死、運命」は、『意味の論理学』の解説に止まらず、構造主義やポスト構造主義の思想家たちを多数取り上げながら、彼らの残した思想の現代的意義を捉え直した研究編。
「シミュラクル」とは、「事件」を意味している。現れてはすぐに消えてしまう瞬間的な生成、それが「事件」である。この用語は、私たちが日頃使っている「事件」ではなく、この宇宙で発生するすべての存在論的生成のことである。本書では、事件そのものがシミュラクルであるとの前提で、「ドゥルーズの思想によってその概念はまさに生命を吹き込まれた」と捉え、さらに大胆にもこのドゥルーズの思想と禅仏教の比較を試みている。
また、本書は、大学での講義録を基にしているため、入門的な人物紹介や哲学史に関する細やかな解説も収められ、韓国においては「哲学を学ぼうとする者、すなわち読者への理解を飛躍的に高めている“現代思想の革命的概念であるシミュラクル思想を可能にするための作業書”」と評価されている。同時に難解な哲学書がより身近に読めるものとなっている。

著者プロフィール

李 正雨  (イ ジョンウ)  (

1959年、韓国忠清北道生まれ。ソウル大学で高分子工学、美学、哲学を学ぶ。同大学大学院ではギリシャ哲学とフランス現代哲学を専攻し、ミシェル・フーコー研究で哲学博士号を取得。1995~98年まで西江(ソガン)大学教授を歴任し、2000年に市民大学としての哲学アカデミーを創設。2007年には逍雲書院を設立し著述活動と哲学教育を精力的に行っている。主著『論理の空間:ミシェル・フーコーの考古学と主体の問題』(1994年)、『カロチルギ(潜り抜け)』(1999年)、『人間の顔:脱走と回帰の間で』(1999年)などでは伝統と近代、脱近代の問題を扱い、『狭めることと広げること』(2000年)、『折り目、分岐、響き』(2001年)、『事件の哲学』(2003年)では伝統思想(力学、気学、禅仏教)と現代思想(ドゥルーズ、複雑系理論)を調和させるべく存在論を模索した。現在、東洋と西洋を統合し叙述する哲学史を執筆中であり、またドゥルーズの哲学に続く生命の存在論と少数者倫理学の構築を試みている。

久田 和孝  (ヒサダ カズタカ)  (

1976年、神奈川県横浜市生まれ。創価大学大学院法学研究科を卒業し渡韓。慶煕大学NGO大学院で日本人初の「市民社会(NGO)学」修士号を取得。2005年より大韓民国政府招請奨学生。成均館大学国政管理大学院博士課程修了(行政学)。慶煕大学平生教育院、淑明女子大学文化学部、韓世大学教養学部(いずれも韓国)などの非常勤講師を経て、現在韓国国会の宋永吉議員事務所日本担当秘書。韓日議員連盟嘱託通訳も務める。韓国国立国語院学芸研究員選考採用試験委嘱委員。主な論文に「冷戦と米韓同盟―カーター政権までの対韓軍事政策を中心に―」(2001年)、「日本市民社会と対北朝鮮外交政策―南北首脳会談の影響を中心に―(韓国語)」(2004年)、「日本国家行政構造の再形成―新自由主義、NPMと行政改革史―(韓国語、共同論文)」(2006年、『韓国行政研究』第15巻2号、韓国行政研究院)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。